中国の孫家正文化部長は18日午後、東京の日本プレスセンターで「文化で両国人民の心を通わせる」と題した講演をメディア向けに行った。孫部長のプレスセンター訪問には、在日本中国大使館の王毅大使が同行した。講演の内容は次の通り。
二千年以上にわたる歴史の流れの中で、中日両国国民の文化交流から無数の友好的文章が生まれ、また両国民に耳慣れた多くの友好的名言が残された。しかし、近代以降の中日関係には曲折が現れた。軍国主義の中国に対する侵略戦争発動で、中華民族は大きな災難を被り、同時に日本にも、消すことの出来ないつらい記憶が残った。1972年の中日国交正常化以来、両国の文化交流は日増しに深まり、その規模の大きさ、往来の多さ、内容の豊富さは、国家関係の歴史上またとないほどになった。
ご存知の通り、この5年は中日関係にとって苦しい過程だった。中日貿易こそこの5年で倍に膨らんだが、両国の政治関係と国民同士の感情・雰囲気は、国交正常化以来最低に落ちた。しかしそれでもなお、中日友好の堅持は変わらず両国民の心が向くところである。両国各分野の人々のたゆまぬ努力があってこそ、両国の文化交流が国民の心の掛け橋となり、また今年の「中国文化フェスティバル」の成功につながった。
安倍首相はさきに、首相就任後の訪問先として中国を選択し、中日関係の5年にわたる政治的膠着を打破した。これにより両国関係には転機が訪れ、中国の政府・民間は積極的にこれを評価し、日本国内や国際社会からも歓迎と支持を得られた。しかし、中日両国の友好という名の花は、変わらず心をこめて守ることが必要だ。国家関係の発展には、政治家の高い目線が必要であり、民衆の広く、確かな基礎もまた必要だ。これらがあってこそ、中日関係は障害を取り除き、難題を解決し、引き続き前進することができる。
「人民網日本語版」2006年11月19日