中国画壇の巨匠・徐悲鴻の作「奴隷とライオン」が26日、およそ5400万香港ドルという高額で落札された。中国油絵の競売においては世界最高価格となったと同時に、徐悲鴻の作品の中でも最も高額となった。「奴隷とライオン」は、徐悲鴻がベルリンに滞在した期間に描かれた数少ない創作の一つで、中国と西洋の技巧を融合した極めて珍しいもの。香港のメディアが報道した。
同作品は、競売前に約3200万香港ドルと見積もられ、競売は2000万香港ドルから始まった。値段が10数回競り上げられた結果、最終的に5388万香港ドルで落札された。中国油絵の競売におけるこれまでの最高額(約3千万香港ドル)の倍近い価格となった。
「奴隷とライオン」は、1924年に制作され、画中の情景は古代ローマ時代のある物語から取られている。一人の奴隷が災難を逃れるために洞穴に逃げ込んだ。そこで傷を負ったライオンに遭遇し、奴隷は大変恐ろしかったものの、そのライオンの傷を治療してやった。後に、奴隷とライオンが闘技場で出会ったとき、ライオンは恩に報いるため、奴隷を襲わなかったというもの。
「人民網日本語版」2006年11月27日