国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は3日、京都大学で開かれたシンポジウムで、日本の「核保有論」に言及し、「日本は唯一の被爆国であり、広島と長崎は多大な被害を受けた。この歴史は、核兵器の拡散防止において、日本が『道徳的義務』を担うべきであることを意味している。これは本当の意味の政治問題だ。もし日本が核兵器を開発しようとすれば、韓国などの国や地域も核兵器を保有する可能性を考えざるをえなくなる。われわれは数十の核兵器保有国・地域が存在する中で生きて幸せだろうか。それは文明の終わりの始まりだ」と語った。(人民日報記者・于青)
米国のライス国務長官など海外の政府要人に続き、また1人、世界的な著名人が核問題で日本を説得した。こうした耳の痛い忠告の言葉に対し、日本の多くのメディアは、重要な点を避けて、あたりさわりのない報道を行っている。
確かにここ半月余り、東京の政界の大物から「日本の核問題」を再び耳にすることはなかった。彼らは決して主張を変えたのではなく、墓穴を掘ることを心配しているのである。最近、日本では地方選が重なっているが、「日本の核問題」が争点になれば、与党は票を失うことになるだろう。日本の民衆は核兵器の恐怖にいまも動悸が治まっておらず、民意の主流は非核三原則の堅持を支持しているからだ。「日本の核問題」を騒ぎ立てた人たちは、現実に直面して、やむなく現行を慎んだようだ。
「人民網日本語版」2006年12月6日