中国社会科学院(社会科学アカデミー)は7日、2007年の中国経済情勢を分析・予測した青書を発表した。
青書の中で、国務院発展研究センターマクロ経済研究部の張立群主任は、外貨準備の規模が大きすぎ、増加が速すぎることや、通貨総量が多すぎ、増加が速すぎること、経済発展と資源環境との間の矛盾点などが、来年の経済が直面する大きな課題になると指摘する。
ここ数年来、中国の外貨準備は急速に増加してきた。06年にはさらに加速し、上半期だけで1222億ドル新たに増加した。外貨準備が年間の輸出入総額に占める割合は、02年の46.14%から05年は57.6%に上昇した。
張主任は外貨準備の増加は、主に2つの要因に後押しされたものとの見方を示す。一つは、対外貿易黒字の拡大であり、もう一つは、海外からの投資が海外への投資を上回ったことだ。この2要因の推進作用は今後しばらく続くが、推進力は徐々に弱まる見込みという。
国際収支に影響されて、ここ数年、中国の通貨供給量は急速に増加してきた。専門家は、外貨準備問題の分析と考えあわせて、通貨供給量の過度の増加問題は来年も継続するだろうとの見方を示す。
このほか、エネルギー問題、環境問題がますます経済発展ペースを制約する主なボトルネックになっているが、これについて張主任は、汚染の排出抑制技術が大きく進展していない状況の中で、発展レベルや資金力などの制約を受けて、工業化の加速が資源の消耗や汚染の排出をある程度増加させることになるだろうと指摘する。また07年は経済発展と資源環境との間の矛盾が突出することが予想され、こうした問題について理解を深めることが必要だと述べる。
「人民網日本語版」2006年12月8日