上海世界博覧会(上海万博)の企画総監督を務める同済大学建築・都市計画学院院長の呉志強教授は10日、「2010年上海世界博覧会園区全体計画の解読」と題する講演を上海図書館で行なった。
呉教授は、万博の建設と都市長期計画は結合させなければならず、結合することで初めて上海万博のテーマ「都市、生活をより素晴らしく(Better City Better Life)」にマッチすると強調した。このため、上海万博の全体企画は、「ポスト万博利用研究」に沿ってこれまで進められてきた。企画スタッフは、上海万博の企画について発想の転換をし、「上海に不足するもの、万博が創り上げるもの」に着目することとした。その後の調査研究から、一般大衆に向く音楽文化上演ホールや国際級の文化交流センターなどが上海に不足していることが分かったため、万博公園内に上演ホール、公共活動センターなど今後の継続利用が可能な建築物を建造する計画を立てた。
呉教授は、「省エネルギーも万博計画における重要テーマのひとつだ」と述べ、上海南市発電所が万博公園の「都市最優秀実践区」にあることを例として挙げた。同発電所は上海初の工業建築物のひとつとして、上海の工業がかつて繁栄していた頃のシンボルとなっている。しかし現在、そのシンボルである大煙突から、幾筋もの黒煙が出ており、都市の環境保護や景観に深刻な影響をもたらしている。関連部門はこの大煙突を残すという前提で、南市発電所の全体改造が可能かどうかを模索している。全体改造によって、太陽エネルギー、潮力エネルギー、風力エネルギーによる持続発電を行い、万博公園の新エネルギー展示館となる。発電は続けるが黒煙を出すことはなくなり、歴史的意義の高い建築物を残すと同時に、都市にさらなる清潔感と美しさをもたらす。
人民網日本語版」2006年12月11日