中国誌「環球」は「『膠着を打開し再び曙光がきざす中日関係』――王毅駐日大使に聞く」との署名記事を16日号に掲載する。
環球:中日関係は、今年なぜ立て直すことができたのか。
王毅:過去5年の間、前の日本の指導者がA級戦犯を祀る靖国神社への参拝を独断専行で堅持したことにより、中日関係は国交正常化以来、最も困難な局面に陥っていた。周知のように、戦後の中日関係の再建における政治的基礎は、日本政府が戦争の侵略的性質を認め、侵略戦争の責任を負い、当時の歴史への正しい対処を約束することにある。A級戦犯は当時の日本軍国主義の元凶の象徴であり、A級戦犯のいかなる美化や肯定も、中国人民は決して同意できないし、アジア各国および国際社会にとっても受け入れがたい。
靖国問題は中日関係の健全な発展を深刻に阻害した。この問題における中国側の立場は、終始断固たるものだ。しかし問題の解決法は、最終的には日本側が自ら判断する必要がある。過去数年間で、日本国内の議論と再考を経て、次第に参拝に賛同しない声が優勢を占めてきている。今年8~9月の政権交代時の世論調査では、対中関係の早急な改善と隣国外交の打開を求める日本人が8割以上に上った。この背景の下、双方は真剣な協議を重ね、両国関係に影響を与えるこの政治的障害を克服して、両国の友好協力関係の健全な発展を促すことでついに合意に至った。これによって中日首脳会談が再開され、関係改善の開始に必要な環境と条件が整えられたのだ。
中日関係は近年、多くの対立と摩擦を呈し、それは靖国問題に集中的に表れたが、より大きな背景として、両国の国力が異なる程度で同時に上昇し、両国関係が歴史的な転換期、歴史的な過渡期に入ったことがある。ある日本の高官はわたしに「中国の発展と振興は、われわれが直面しなければならない現実だが、1980年代の米国が日本の上昇に適応できなかったのと同様に、現在、多くの日本人はまだ、中国の発展を受け入れる心の準備が完全にはできていない」と語った。つまり、中日関係が真にバランスを取り戻すには、まだ1つのプロセスが必要であり、このために双方がたゆまず努力を続けることが必要なのだ。
「人民網日本語版」2006年12月12日