中国誌「環球」は「『膠着を打開し再び曙光がきざす中日関係』――王毅駐日大使に聞く」との署名記事を16日号に掲載する。
環球:中日両国の戦略的互恵関係構築の内容をどう理解するか。
王毅:中日両国が戦略的互恵関係の構築について共通認識に至ったことは、積極的な意義を持つ。第1に、日本の対中戦略が積極的な調整に向かっていることを示している。第2に、中国が大国戦略関係の枠組を構築する上での空白を補った。第3に、両国関係の将来の発展の方向について、新たな位置づけを示した。両国の外交当局は、この関係の内容についてすでに検討を始めている。わたしの考えでは、少なくとも以下の内容が含まれるだろう。
(1)両国共に平和発展を堅持する
日本は戦後、歴史の教訓を汲み取り、平和発展路線を選択したことで、新たなイメージを世界に確立し、また自国にも重要な利益をもたらし、アジア隣国と国際社会からあまねく歓迎されている。われわれは日本がこの方向を放棄せず、引き続き堅持していくことを希望している。中国は一貫して平和発展を堅持してきた。これはわれわれの基本国策であるだけでなく、われわれの現実的な選択であり、中国人民の根本利益に合致するだけでなく、現在の時代の潮流と国際社会の期待に順応するものだ。
(2)社会体制とイデオロギーの違いを乗り越える
中日両国の国情は異なり、社会体制が同じでないのは正常なことだ。これは、われわれの間の友好的交流には影響しない。われわれは互いに隣国であり、親しくする必要があるし、そうするしかできない。われわれは共にアジアのメンバーであり、東洋の伝統文明と価値観の集積を共有している。両国は互いに尊重し、長所を取り入れ短所を補い、「和して同ぜず」を実現するべきだし、必ずそうすることができる。
(3)実務協力を推進し、相互利益を実現する
両国は友好の伝統を大切にし、発揚することを基礎に、できるだけ利益の共通点を拡大し、各分野の互恵協力を強化するべきだ。今年5月に両国が、政治環境が依然として厳しい状況の下で、省エネと環境保護に関する大規模な総合フォーラムを初めて成功させたことは、その1つの例証だ。省エネ・環境保護協力の功は現在にあり、利は千秋におよび、双方に恩恵を与え、全世界に影響する。
(4)手を携えて共にアジアを振興し、アジアの未来を切り開く
国際社会はアジア、特に東アジアの発展の将来性を楽観視している。中日両国が地域の問題で協調、協力し、調和のとれた、協力的で、開放的なアジアを共同で建設することは、われわれ双方が担うべき歴史的使命であるだけでなく、今後の両国の最重要の共通利益にもなるもので、自ずから戦略的互恵関係の最重要の内容の1つにもなる。
「人民網日本語版」2006年12月12日