中国誌「環球」は「『膠着を打開し再び曙光がきざす中日関係』――王毅駐日大使に聞く」との署名記事を16日号に掲載する。
環球:アジアの視点から、中日両国の地位と役割をどのように受け止めるか。
王毅:中国と日本は共にアジアの大国であり、両国はGDPで東アジア全体の80%以上、人口で70%、貿易額で60%以上を占めている。アジアの方向性に対して、明らかに、全局面を左右する影響を持っている。東アジア共同体が実現できるかどうか、調和のとれたアジアを構築できるかどうかは、全アジア諸国の共通責任であると同時に、中日両国のアジア政策の動向や中日関係と密接な関係にある。
わたしは、中日両国の間に、アジア協力における主導権争いがあるとは考えていない。第1に、地域協力における両国の役割は相互補完の関係にあるからだ。日本の強みは潤沢な資金、先端技術、ノウハウであり、中国の強みは巨大な市場、豊富な人材、完備された工業生産能力などだ。両国間には水平分業と垂直分業が併存している。第2に、地域問題において両国は多くの利益の共通点を持っているからだ。両国は共に、朝鮮半島問題の平和的手段による解決を希望し、開放的な地域主義を提唱し、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3や、東アジアサミットなどの多角的枠組を重視し、東アジア共同体の建設に尽力している。第3に、アジアの一体化のプロセスは経済協力と、ASEAN共同体の建設から始まるからだ。中国は今後も地域協力においてASEANが引き続き主導的役割を果たすことを支持するし、日本も同様の態度を取るものと信じている。
要するに中国は、日本がアジアの重要な一員として、アジアの発展にもっと関心を払い、自国の強みを発揮し、地域協力の推進とアジアの一体化に相応の貢献を果たすことを歓迎する。
「人民網日本語版」2006年12月12日