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「汚染都市」のレッテルを返上した瀋陽市
ここ数年来、特に第9次五カ年計画の実施以来、中国の東北地区の瀋陽市は都市環境の整備に力を入れ、大きな成果をあげた。このほど、記者は瀋陽市環境保護局の李超副局長にインタビューし、同市の都市環境保全について、話してもらった。次はその一問一答である。

――以前、瀋陽市は重工業都市として、汚染がひどいことで「世界十大汚染都市の一つ」に数えられていたが、いつ「汚染都市」のレッテルを返上したのか。

瀋陽市が「世界十大の汚染都市の一つ」に数えられたのは1998年以前のことであった。国連環境計画(UNEP)は毎年、世界の100の主要都市を対象に、二酸化硫黄、大気の煙じんなどの排出基準に基づき、汚染状況を評定している。当時、瀋陽市の二酸化硫黄の排出量は世界でしんがりから数えて二番目であった。

1998年以前は、冬になると、住民が石炭を燃やしてご飯を炊いたり暖を取ったりしていたため、瀋陽市の大気のばい煙排出量が多く、空気汚染はひどかった。人びとは街に出かけるとき、マスクをつけなければならなかった。衛生部門の調査によると、当時、呼吸器疾患の感染率は70−80%に達した。

1998年に、瀋陽市は「世界十大汚染都市」のレッテルを返上しれ、国の優良観光都市に評定され、1999年には世界銀行によって最も競争力のある都市の一つに数えられるようになった。2000年の空気の質は国の三級基準に達するに至った。

――現在、瀋陽市の環境がどうなっているか。

ここ数年、瀋陽市のばい煙排出量は抑えられ、大気汚染は減少し、空気もきれいになっており、冬になっても青空と白い雲が見えるようになった。年間を通して三級の汚染を超えた天気は20―30%となり、都市の緑化率は23.9%に、一人当たり緑地の保有面積は3.2平方メートルになった。

――瀋陽市環境保護局は都市環境保全の面でどんな仕事をしてきたか、今後の環境整備の重点はなにか。

第9次五カ年計画実施以来、瀋陽市は数多くの環境保全・整備プロジェクトを実施した。例えば、全市の1350の工場の汚水・廃ガスの排出が抑えられ、国の定めた排出基準に達したこと、日間汚水処理能力40万トンの北部汚水処理施設、日間汚水処理能力10万トンの南部汚水処理施設、日間ゴミ処分能力1000万トンの趙家溝ゴミ埋め立て施設、年間処理能力2万トンの工業有害廃棄物埋め立て施設がつくられたこと、新開河総合整備プロジェクト、南運河・衛工河整備プロジェクトが実施され、50キロに及ぶ環状水系がつくられたこと、都市の燃料構成も調整され、天然ガス使用率が97.3%に達したこと、市内の580社の汚染のひどい工場が他の地に移転し、再建され、瀋陽市で汚染の最もひどかった瀋陽金属精錬工場が閉鎖されたこと、石炭を燃やしてご飯を炊いたり暖を取ったりしていた30余カ所の平屋住宅がアパートに立て替えられ、36万の小さな煙突が取り壊され、クリーンな燃料による集中暖房供給面積が4200万平方メートルに達したなどがそれである。

瀋陽市はまた、国際協力を積極的におしすすめ、欧州連合(EU)と共同で瀋陽都市建設プロジェクトを実施し、世銀融資で環境情報センター、工業有害廃棄物処分施設など四つの環境整備プロジェクトを実施した。そのほか、瀋陽市は「瀋陽市大気汚染防止条例」、「瀋陽市水汚染防止条例」などの法規を公布し、都市環境の整備と汚染の防止をいちだんと強化している。

今後3年間に、瀋陽市は320億元の資金を投下することによって30の環境保護・整備プロジェクトを建設し、その重点を以下の四つの面に置くことになった。

一、ばい煙排出を抑え、400の汚染のひどい暖房用ボイラーを閉鎖し、1000余本の煙突を取り壊す。エネルギー使用に対する管理を強化し、ばい煙排出量を厳格に抑え、石炭ゼロ使用地域の面積を15平方キロに広げる。建築現場、石炭堆積場、露店の焼肉屋などの塵埃や排煙を出す場所を整頓し、空気の質を高める。二、渾河整備プロジェクトを実施する。堤防の補強、河川敷の緑化、水利施設の建設およびさまざまな汚染対策をとることにより、年内に渾河の水質汚濁の問題を解決し、両岸の環境を整備する。それと同時に、北運河、衛工河流域を整備し、運河の水質を改善する。三、重点汚染地帯の整備を行う。蘇家屯食品公司などの22の家畜屠殺工場、瀋陽乳業有限公司など17の家畜飼育場、東北製薬総工場、瀋陽化学調味料工場、瀋陽華潤雪花ビール有限公司など12の企業の汚水排出を厳格に抑え、汚水排出量を400万トン減らす。348の企業の有害廃棄物の排出・移転を抑える。四、放射性物質の管理と騒音対策を強化する。市の放射性アイソトープを使っている企業に対し、登録をおこなうとともに、監督を強化する。騒音の測定評価を行い、さまざまな措置をとって騒音レベルを引き下げる。

上記の環境整備プロジェクトの実施を通じて、全市の年間汚水排出量を10%、ばい煙を10.4%、二酸化硫黄を6.6%減らすよう努める。

今年、瀋陽市政府は環境整備に60億元を投入し、緑化、環境保全、居住環境の改善などを行うことになっている。瀋陽市の年間財政収入は80余億元であるが、環境保全へこれほど多額の資金を投入することは過去に例を見ないものである。

――環境と生活、生産の関係をどう評価するか。

環境保護と整備は都市発展とかかわりのある大事業であり、都市の持続可能な発展を実現する基本的保証でもある。都市発展において、ソフトの環境とハードの環境を含む都市全体の環境が第一の要素である。良好な環境、とりわけ快適な居住環境がなければ、資金と人材の導入は難しくなるだろう。

都市の総合競争力を高めるには、なによりもまず環境の整備を第一義的な位置におかなければならない。すばらしいハードの環境、快適な生活、生産、居住環境があってこそはじめて、政策面のソフト環境をつくり、さらに資金と人材を導入し、経済を発展させることができ、またそれが前提であるといえる。

中国のWTO加盟後、都市間の競争は主に都市環境の改善をめぐってすすめられている。瀋陽市はこの面で他の都市から引き離されないよう努めている。

 「チャイナネット」 2002年5月10日

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