新しい世紀が訪れようとしている今日、「剣を鋳造しなおして、スキに」という表現があるように、中国は原子力の平和利用に努め、かつて神秘的なものであった原子力技術は知らず知らずのうちに、電力や医療機器、農作物の新品種の育成など国民経済の各分野や庶民の身近なところに浸透しつつある。
原子力発電と原子力技術を発展させることは原子力平和利用の主な内容である。1991年に中国は自ら設計し、建設した最初の原子力発電所である秦山原子力発電所の稼動以来、すでに原子力発電所を2基保有し、ともに安全かつ安定的な稼動を保ちつづけている。その他に、4基の原子力発電所が「第九次五ヵ年計画」期に着工し、2002年から2005年までの間に相前後して完成し、稼動する予定。
90年代に入ってから中国ではアイソトープと放射線技術の応用が商業化され、農業や工業、医療などの面で長足の進歩を遂げ、数々の農作物新品種および診断治療機器が相次いで誕生し、庶民の生活の中に入り込んでいる。この産業の一年間の直接収益は約80億元に達する。
ここ数年来、清華大学などでは核技術を利用して大型コンテナ検査システムの開発、製造に成功し、すでに中国の税関で使用され始めている。原子力技術を基本としたこのハイテク製品はかなりの規模と市場の明るい見通しをもつ産業を形成したばかりでなく、ハイテクによって密輸行為を防ぐための基盤もできた。
原子力を利用しての供熱も可能となった。1989年11月に、中国では低温熱供給原子炉が完成し、稼動し始めた。一方、高温ガス冷却実験炉の建設も1995年に始まり、今年末に稼動する見込みである。この種の原子炉は熱の供給源として使えるし、発電もできる。
このほど、中国の科学者たちは原子力利用による海水淡水化の構想を明らかにした。その構想によれば、海水淡水化のコストは大幅に下がる見込みで、原子力平和利用の新たなルートを切り開くことになろう。
「チャイナネット」