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古都西安(1)概説
西安は中国西北部、黄河中流の渭河平野にあり、東経108度から110度、北緯34.1度の地に位置する。

 渭河平野は、西は宝鶏に始まり、東は潼関まで、南は秦嶺に接し、北は黄土高原まで、東西の長さ300キロ、幅30キロから80キロ、平均海抜500メートルの平野である。渭河平野は温暖帯気候に属し、四季がはっきりし、平均気温摂氏10度以上、年間平均降水量600ミリ以上で、おだやかな気候である。渭河、河、洛河、灞河、恵渠、渭恵渠、洛恵渠の七つの川や用水路が縦横に走り、灌漑に便利であるため、土地が肥え、農産物も豊かである。

 この渭河平野の中央よりやや南に位置する西安は、山あり水ありで、地形的にめぐまれている。

 西安の歴史は悠久である。早くも5、60万年前、すでに中華民族の祖先がここに生活していた。1960年代、考古学者たちは西安の東南にある藍田県で、更新世旧石器時代の人類の化石と文化遺跡を発掘し、ここを「藍田遺跡」と名づけた。それより前、1950年代、西安の東にある半坡村で、新石器時代の「半坡遺跡」が発掘された。1970年代になって、今度は西安の北東にある臨潼県で、新石器時代後期の「姜寨遺跡」が発掘された。こうした発見は、西安地区が中国文明の発祥地の一つであることを実証している。

 文明社会の時代に入ると、西安地区には1120年の間、前後12の王朝が都を置き、中国の「6大古都」の一つとなった。西安は文化遺産の宝庫として世界に名を知られている観光都市である。地上と地下の豊富な文化財は、数十万年にわたる中国文明史の各段階の発展を示している。中国の文化と歴史を知りたいと思う人にとって、西安はまさに生きた、視覚的な教材である。人びとはここで、原始人の集落や青銅時代の青銅器、漢・隋・唐代の古城遺跡や秦・漢・唐代の陵墓を見学したり、古代の寺院やシルクロードの遺跡をめぐって追想したり、また残存する石碑に中国書道の粋を鑑賞することができる。

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