明代壁画芸術の宝庫――法海寺
北京の西の石景山区翠微山の南麓に位置する法海寺は明の正統4年(1439)、宮廷の宦官李童が資金を集めて建立した皇室寺院である。中央の大雄宝殿は柏松の緑に包まれ、屋根が金色に輝く。現在はこの主殿だけが残っているが、とくに有名なのは殿内の九つの壁画である。壁画は総面積236.7平方b、観音・文殊・普賢の三大菩薩と皇帝・皇后・天竜八部らの仏法守護を描く「礼儀護法図」及び十万仏衆・飛天仙女・花卉などの絵画で、人物がなめらかな線描により整った輪郭を際立たせ、生き生きとした形象を表している。
石刻経版で知られる寺院――雲居寺
雲居寺は北京の西南の房山区石経山の西麓にあり、隋の大業年間(605〜617)から建造を始め、隋、唐、遼、金、元、明の歴代にわたる石刻経版1万4278枚計1700万字の仏教大蔵経を収蔵していることで広く知られ渡っている。寺は山の斜面にそって建てられ、頂上までは5つの庭と6つの殿堂があり、当時の華北地区における規模最大の寺院の一つだったが、1937年砲火で焼かれ、1980年に再建された。寺内には石刻経版のほか、唐・遼時代の磚塔もあり、とくに舎利塔が見どころである。
2001年6月8日