世界には多くの国が独特の文化区をもっている。パリのセーヌ川のほとり、東京の神田と同じように北京の瑠璃厰は新奇さに色どられた、東方の魅力に満ちた古い文化の街である。
瑠璃厰が数百年前の小さな村から文化の街に発展したことは、一つの側面から見れば北京の発展の歴史を反映するものとも言える。北京は全国の政治、文化の中心として800年以上の歴史があり、瑠璃厰は中華民族のすぐれた文化の発展ぶりを集中的に反映するものである。瑠璃厰の狭い通りの両側には書店がすらりと並んでいる。そのうち印刷、発行も兼ねて扱っている書店もある。一軒一軒の骨董品店、書画店、眩しいほどの文化の宝――鼎、磁器、秦の兵馬佣、唐三彩、壁に掛けられた名家の書画、本棚にぎっしり詰まった古書などが人びとを引きつけ、立ち去るのにしのびない。大通りを歩くと、目に入るのは縦横の金字の扁額である。翁同龢の直筆の宝古斎、陸潤痒の直筆の慶雲堂、趙朴初氏の書である文盛斎など名家の揮毫がたくさんある。この濃厚な文化の雰囲気が知識人たちを引き付けるのは当然である。
1980年、国は改めて瑠璃厰文化街の修繕工事を行い、それを拡充した。新たにつくられた東西瑠璃厰の通りは既存のアーチ形の走行を保留し、両側にはお店が一軒一軒とずらりと並んでいて、建築の素朴さと典雅さが見てとれる。青いレンガ作りの建物は実によい雰囲気を醸し出していて、精巧で繊細な窓などの彫刻、模様の図案が人たちの目を楽しませてくれる。この古い文化街は古今の古本、文物書画、古い碑、拓本、歴代の金石、陶磁器、文房四宝といわれるものを扱っている。この街は中国民族文化の博物館であると言えよう。
瑠璃厰の邃雅斎、来薫閣、松筠閣は図書を扱っているお店、尊古斎は銅器を扱っているお店、宝古斎、墨縁閣は名画を扱っているお店、慶雲堂は碑や帖を扱っているお店、栄宝斎は木版画を扱っているお店であり、いずれも国内、国外でよく知られている。
「チャイナネット」2001年6月20日