鳳凰山の城は、湖南省、貴州省、四川省の3省の境界地帯を流れる沱江のほとりに位置し、山々に囲まれている。青々とした沱江の水が古い城壁の下を延々と流れており、木々が青々と生い茂った南華山の影が沱江に映っている。漁船や遊覧船が沱江の中にたくさん浮かんでおり、山の中では夕べの太鼓と朝の鐘の音が聞こえ、断崖の上からは煙が立ちのぼり、船着き場で洗濯をしている若い女性の甲高い笑い声が聞こえてきて、さながら中国の山水画のような風景である。石を敷き詰めた古い町をそぞろ歩くと、道の両側には古い建物がずらりと並んでおり、あずまやと楼閣が建てられている。また屠殺業のお店、染め物屋、銀のアクセサリー細工作業場、さまざまなお土産の店、工芸美術店などがある。特に「米豆腐」を担いでの呼び売りは町の人々を引き付けている。
夕べに東門の外のあたりを散策し、虹橋の上で「渓橋の夜の月」をながめると、明月が東の山の上にのぼり、沱江の中に月の影が映り、水面が金色に輝いているのを目にすることができる。
高い所に登って眺めれば、古めかしい建物のほか、著名な「鳳凰城の八景」が見える。延々とそびえる南華山は緑の障壁のように古城の南側に横たわっている。そのほかに東峰、渓橋、梵閣などの観光名所がある。北門外の長い跳岩板橋は、質朴で趣きがある。
この地の老若男女は芝居を好む独特な風習がある。年配の人はお酒を何杯飲んで小唄を歌うことが好きである。暇な時には、人々は地元の守り神を祭っている廟に「儺堂劇」あるいは「陽劇」を見に行く。これは由緒ある芸術である。「儺堂劇」は歌と踊りからなり、楚国の祈祷師の芸をルーツとするもので、地方色豊かである。「陽劇」は世の中の悲しみや喜びを表現し、調子は変化が豊かで、強弱の変化があって、意気軒昂としている。男役、女形、敵役、道化役はそれぞれの特色がある。メロディーも美しく、胡弓、どら、太鼓などの民族楽器の伴奏で観衆を魅了している。
「チャイナネット」2002年5月21日