江西省の婺源は生態と文化の美感を兼ね備える場所で、黄山―婺源―景徳鎮―廬山という国際観光ゴールデン・コースにある緑の真珠ともいえる存在である。山紫水明の地で、白壁の町並みのこの村は多くの観光客を引きつけ、「エコ大公園」と「最後のシャングリラ」と称されている。新たに開発された観光スポットであるため、婺源の宿泊条件と一部の観光地の道の状況はまだよく整備されていないが、このような生態系と文化が完ぺきな形で保存されているところに行けば、これらの条件に目くじらをたてることもなかろう。
婺源は江西省の北東部に位置し、西は景徳鎮から80キロ離れたところに位置し、江西省、浙江省、安徽省の3省の境界地帯にあり、今では、「婺源文化・エコ観光区」が「一つの観光区、四つの観光コース」という20の観光景勝区(スポット)からなる観光商品となっており、数多くの内外マスメディアに「中国の最も美しい農村」とたたえられている。
婺源は理学の大家の朱熹と中国の鉄道の父といわれる・天佑の故里でもあり、かつて550人の進士(科挙の最終合格者)を出したことがある。ここでは「婺源京劇のルーツ」といわれる徽劇の優雅な味わいを楽しむことができ、「踊りの生きた化石」といえる儺舞の豪放さに驚き、美しい若い女性の茶道の実演に魅了されることになる。そのため、婺源は昔から「長江以南の曲阜」、「進士の県」とたたえられている。
婺源の森林カバー率は81.5%に達し、全国の16の生態農業先進県の一つで、国家クラス「エコ観光モデル区」、「最後のシャングリラ」と称されている。春には草、花を観賞することができ、夏には静かな洞穴へ探険に行くことができ、秋には山の紅葉を見ることができ、冬には平湖のオシドリをウォッチングすることできる。
数多くの著名人が婺源を訪れた後、「五大名山から帰ってくるとこれ以上山を登りたくない、婺源から帰ってくるとほかの村を訪れたくない」と言う。この地の完ぺきな形で保存されている村々は、生態文明の宝であり、建築芸術の博覧パークであり、宗族、文化の生きた化石でもある。徽派の古い建築物は、天人合一、本来の姿に立ち返る趣を味うことができる。
交通
武漢=黄石高速道路に沿って武漢市から黄石市に行き、黄石=黄山高速道路に沿って小池を経由して九江に着き、九江=景徳鎮高速道路に沿って景徳鎮を経由して婺源に到着する。車で約5〜6時間かかる。
アドバイス
婺源は特産物が豊かで、特色のある赤、白、黒、緑という四つの色のものがある。赤いものはコイの煮込みで、柔らかくておいしい。白いものは江湾の雪梨で、実が厚くておいしい。白いものは春のナシの花が咲くころになると、山が白くなり、美しい景色になる。黒いものは竜尾硯(すずり)のことで、中国の四大有名硯の一つである。緑は婺源の緑茶のことで、茶の極上品である。
「チャイナネット」2002年7月1日