市街地の西約40`、門頭溝区宝珠峰の山中にある。創建されたのは今から1600年ほど前の晋の時代。北京一帯では最も古い寺として知られている。寺の裏側に竜潭という淵が、寺の前には柘(ヤマグワ)の木があるため、この名が付いた。
寺は山の斜面に沿って建てられており、境内の建築群はどれも雄壮だ。中軸線に沿って牌楼、山門、天王殿、大雄宝殿、毘盧閣など、色彩も鮮やかな建物が並ぶ。大雄宝殿の屋根の棟の両端にある瑠璃瓦の鴟尾は高さ2.9bもあり、迫力満点。北京の歴史的建築物の中でも最も大きい鴟尾だ。
毘盧閣の前には、臘梅(ロウバイ)や二喬玉蘭(ハクモウレンの一種)などの貴重な花や木が植わっている。その中でも特に有名なのが2本のイチョウの木だ。それぞれ清の乾隆帝から「帝王樹」「配王樹」という名を賜った名木で、帝王樹は高さ30b、直径は4bもある。大人七人が手をつないでようやく幹を囲えるほどの太さだ。遼の時代にここに植えられたといわれており。樹齢は1000年を超えているものの、枝葉の勢いは衰えていない。
天王殿の前にある銅の鍋も有名。鍋口の直径が1.85b、深さは1.1bというこの大鍋は、かつて寺の僧たちが食事を作るときに用いたもの。僧が最も多かった時代は、これと同じ大きさの鍋を三つ使って米を炊いていたというが、現存しているのはこの鍋一つだけだ。北京に残る最古の大鍋である。