霧霊山は、北京の中心部から北東におよそ140`、河北省の興隆県内にある。燕山山脈の主峰で、標高は2118b。その雄雄しい姿形と奇岩の多さから「北方の黄山」とも呼ばれている。
山中には涌き水が多く、ここから流れる水が密雲ダムと潘家口ダムを潤している。山中の渓流沿いを歩けば、竜潭滝、小壷口滝、十八潭滝など、多くの滝を見ることができる。
霧霊山はその豊かな自然と生態環境から、河北省では唯一の「国家級森林と野生動物自然保護区」に指定されている。また山中には、アジアで最大の天体望遠鏡を備えた北京天文台興隆観測ステ―ションがあるほか、明代に造られた長城も昔のままの姿で残っており、その長さは100`近くに達している。
霧霊山が最も美しいのは、何と言っても黄昏時だろう。夕日が辺り一面を黄金色に染め、立ちこめる霧が輝く景色は、まさに霊気漂う霧の山という感じだ。