門頭溝区の西北部、北京市街から約100`の位置にある。数億年前の地殻変動で産まれたカルスト地形で知られている。中国北方ではカルスト地形は珍しく、険しい渓谷や木のようにそびえる岩の数々など、豊かな自然の表情を楽しむことができる。
竜門澗には東西二本の渓流が流れている(「澗」は渓流の意)。その周辺の気温は北京の市街地より常に6〜8度は低く、空気も湿潤。避暑にはもってこいの場所だ。また、長さ10`に及ぶ竜門澗渓谷には、ユニークな形をした峰や洞窟、断崖絶壁などが多い。のんびりと散策しながら、頭上の峰や眼下の渓流、足元に咲く野の花を鑑賞するのも面白い。澄み渡った渓流の水は、いわば天然のミネラルウォーター。ほんのりとした甘みがあり、喉の渇きを癒してくれるだけでなく、体にも良い。
渓流のほとりは植物が豊富で、漢方薬の原料になるものだけで100種を下らない。運が良ければ、リス、キジ、バーラルなどにも出会えるだろう。夏だけでなく、冬の竜門澗もまた魅力的。氷の川、氷の滝、氷の淵など、大自然が創り出す氷の彫刻は息を呑むような美しさだ。