北京市西部の門頭溝区にあるダム湖で、食用の貝が豊富に採れることで知られている。全長9.5`の細長い湖で、両岸には険しい山がそそり立っている。上流部の向陽口村から放水口に近い「大壩」に至るまで、湖水は澄み渡り、水と山の織り成す風景は見応えがある。休日に足を伸ばして気分転換するには、もってこいの場所だ。
湖はボート区、川下り漂流区、釣漁区に分けられ、ボートを漕ぎながら景色を見るもよし、魚釣りに興じるもよし、色々な楽しみ方がある。ボートで上流部に向かうと、杏花村という小島が見えてくる。ここには数百本ものアンズの木が植えられており、毎年春にはアンズの花が一面に咲き乱れ、湖の景色に彩りを添える。
また、湖の上には列車が通るアーチ方の橋が架かっている。天を切り裂くかのようなその姿から「天塹飛虹」とも呼ばれ、ボートから仰ぎ見るとその巨大さが実感できる。
日が沈んだ後の雰囲気もまた格別。湖畔に佇む民家に宿をとり、岸辺を散策すれば、夜風に揺れる柳の影や魚が跳ねる音を楽しむことができる。