統計データを通して中国の農業を見る


農村で改革が実施されて以来、中国の農業と農村経済に極めて大きな変化が生じ、歴史上見られなかったような発展をとげた。穀物生産はたえず新しい段階に上がり、現在、すでに5億トンの総合的生産能力を形成しており、これによって穀物などの主な農産物が長期にわたって需要に追い付かなかった状態に終止符が打たれ、総量における需給のバランスがとれるようになり、しかも豊年であれば余裕があるようになった。農村の非農業産業が急速な発展をとげ、農村経済の支柱となった。農村住民の生活は全般的に衣食満ち足りた状態からまずまずのレベルへ向かうという歴史的飛躍をなしとげた。中国の農業は世界の10%を占める耕地において21%を占める人口の食の問題を解決した。

一、農村の社会主義市場経済体制を確立し、それをさらに充実させた

1978年末に開かれた中国共産党11期3中総は農業と農村経済発展の歴史的転換点であり、歴史的経験の総括を踏まえて、中国の農業の発展を加速する決定を行った。農民は実践の中で一戸ごとの経営を主な形態とする生産量リンク請負責任制を編み出した。1983年末までのところ、全国では、「一切請け負う」生産量リンク請負責任制を実行することになった農家はすでに1億7500万戸に達し、全国の農家総数の94.5%を占めるに至った。農業生産は1980年から1984年までに常軌を逸するようになった成長を遂げた後、1985年から1988年にかけて、農業の成長のスピードは目に見えてスローダウンし、農村の経済構造と農産物の流通体制は農村経済の急速な発展を制約する要素となった。この段階において、農産物の流通体制の改革を重点的におしすすめ、農産物の統一買付・統一販売を契約による注文買付と市場による買付という「二重の買付制」に改め、綿花など少数の農産物を除いて、その他の農産物の価格は全部自由化され、市場によって需給を調節されることになった。農村の産業構造に対し調整を行い、郷鎮(町)企業の発展を奨励し、その他の農村の非農業産業と多角経営に対しても奨励政策を実行するとともに、農村労働力の移動に対する制限を緩めた。

1989年から1992年までの国民経済調整期において、農村の改革は農業生産力の向上、農業の基礎的地位の強化を重点として行ったのであった。まず、穀物の購買・販売体制の改革を踏まえて穀物の販売価格を大幅に引き上げたことであり、1991年と1992年の年間における値上げ幅は140%に達し、基本的に穀物の買付と販売は同じ価格ということを実現した(それ以前は高価で買付、低価で販売する状態であった)。その次は農産物市場を大いに発展させたことであり、1990年に国は河南省の鄭州市に小麦卸売市場を設立するとともに、相次いで全国に9カ所の地域的卸売市場と数多くの総合的、専門的卸売市場を設立し、圧倒的多数の農産物を計画による調節から市場による調節へと転換させ、農産物の市場体系が一応確立された。農業と農村経済はそれからは市場に導かれる中で新しい発展期に入った。

1993年以来、農村の経済体制改革の面では主に、農村の社会主義市場経済体制をさらに充実させ、農村の安定を促すことを核心とし、農村のさまざまな経済制度を法律的に確認したことであり、『農業法』、『農業技術普及法』、『郷鎮企業法』、『種子法』などの法律および農村経済の発展、農民の負担軽減、農村の文化・教育、医療・衛生などに関する一連の法規と条例を相次いで公布した。農村の経済制度整備の面では主に、耕地の請負期の延期を行い、耕地の二回目の請負期を30年延期し、新しいラウンドの耕地請負関係を確立したこと、穀物と綿花の流通体制の改革をいっそう深化させ、それをさらに充実させるとともに、一連の穀物と綿花の流通体制の改革についての政策を制定、公布したこと、国が「『八七』貧困脱却助成の難関突破計画」を実施したことなどである。

1998年10月に開催された中国共産党15期3中総は「農業と農村活動のいくつかの重要な問題に関する中国共産党中央の決定」を採択し、20年来の農村改革の基本的な経験を真剣に総括し、農業と農村経済の世紀にまたがる発展の目標と方針について全面的な説明を行い、新しい世紀における農村の改革と発展のための行動綱領を打ち出した。

1978年以来、中国の農村では一連の重要な改革が行われ、そのうち、二つの改革は最も重要なものであった。一、農家を単位とする生産量リンク請負責任制を実行し、生産関係を生産力発展の必要に呼応させたことであり、二、社会主義市場経済の理論的束縛を突破し、市場メカニズムを農業と農村経済に逐次導入し、これによって実際に合致した農村の社会主義市場経済体系を確立したことである。農村の改革は農村経済の急速な発展を促し、国民経済の土台としての農業の地位を強化し、国民経済の持続的かつ安定した発展のために重要な貢献をした。

二、農業と農村経済発展の主な成果

農業生産が制度と技術の面で新しいものを作り出す中で着実に成長をとげ、一人当たりの耕地が世界の平均レベルの半分に及ばないという条件の下で、生産した農産物は約13億人口の生活の必要を満たしたばかりでなく、原料としての農産物に対する工業生産の必要をも満たし、しかも一部の農産物は輸出された。農村の非農業産業はかなり大きな伸び率を保っており、農村の工業化と小都市化のレベルはたえず向上している。農村の社会主義市場経済体系の一応の確立と整備につれて、中国の農村は在来の農業経済から現代的農村経済へと転換しつつある。

1.農業生産が着実に成長を遂げ、主要農産物の需給は全般的にバランスがとれるようになり、豊作の年には余裕があるようになった

2001年の農業増加額は1兆4610億元に達し、1978年比1.85倍の実質増加となり、1989年比60.4%の実質増加となった。農業生産は全般的において安定成長の勢いを呈している。

農業の総合的生産能力は向上し、穀物などの主要農産物は品不足から総量における需給の均衡、豊作の年には余裕があることへの転換を実現した。1989年以来、中国の穀物生産は続いて4.5億トン、5億トンという二つの段階に上がった。穀物の総生産量は1996年に5億トンの大台を突破し、「第九次五ヵ年計画」に確定された目標を繰り上げて実現した。1996年から1999年までの期間に、穀物の生産は連続的に豊作を収め、年間生産量は5億トンを上回った。これは、中国の穀物の総合的生産能力がすでに新しい段階に入ったことを示している。穀物は供給不足から総量における需給の均衡、豊作の年には余裕があるということへの歴史的転換を実現し、当面の国の穀物備蓄量は史上最高となった。2000年、2001年の穀物の総生産量はひどい干ばつと構造調整の影響を受けて減産し、2001年に4億6218万トンを達成し、1989年比13.4%増となった。綿花生産は紡績工業の構造調整に対応すると同時に、輸出と在庫量の変化の影響を受けて、年と年の間の生産量の起伏はかなり大きかったが、全般的に言って相変わらず需給の均衡を保った上で余裕があるというレベルに達した。油料作物の生産量は着実に増え、2001年に2865万トンに達し、1989年比1.21倍増、年平均6.8%増となった。肉類の総生産量は2001年に6334万トンとなり、1989年比1.41倍増、年平均7.6%増となった。漁業も急速な発展をとげ、2001年の水産物の水揚げ量は4381万トンに達し、1989年比2.8倍増、年平均11.8%増となった。

農産物生産量の絶え間ない増加は社会に豊かな生産・生活資源を提供することになり、国民の物質生活のレベルを大幅に向上させ、その生活の質を改善した。2001年に、肉、タマゴ、ミルク、水産物の一人当たりの占有量はそれぞれ49.8キロ、18.3キロ、8.1キロと34.4キロに達し、1989年比それぞれ1.12倍増、1.86倍増、1.38倍増と2.44倍増となった。

2.新しいラウンドの農業生産の構造調整が農業に活力と後続力を添えた

20世紀80年代において、中国の農村の経済構造は根本的な調整を一度行い、それはつまり穀物をカナメとしたやり方を改め、決して穀物の生産をおろそかにせず、積極的に多角経営を発展させる方針を貫き、農業、林業、牧畜業、副業、漁業の全面的な発展を目指したことであった。今回の構造調整により、農村経済には大きな変化が生じ、栽培業、郷鎮企業は軒並みに大きな発展をとげた。近年来、中国の農業と農村経済の発展は資源と市場による二重の制約を受けるという新しい段階に入り、それは農産物の価格が持続的に低迷し、農業生産の収益が低く、農民の収入の増加が緩慢になったことに際立った形で表れている。新しい段階の変化に対応するため、農業生産は市場を導きとし、科学・技術の進歩に頼って農産物の品種、品質を調整、改善し、高収穫で、品質の優れた、高収益の農業を発展させ、農業の市場に対する対応力と総合的な経済収益を高め、農業の成長パターンの転換を実現することに力を入れた。数年間の努力を経て、農業の生産構造の調整による作用がだんだんと顕在化してきた。農業、林業、牧畜業、漁業の農業生産総額に占める比率から見て、農業の占める比率はたえず縮小し、牧畜業、漁業の占める比率はたえず上昇した。2001年に、農業、林業、牧畜業、漁業の農業生産総額に占める比率はそれぞれ55.2%、3.6%、30.4%、10.8%となり、1989年と比べて、農業が占める比率は7.6ポイント減となり、牧畜業と漁業はそれぞれ2.8ポイント増、5.5ポイント増となった。各業種の内部から見ると、栽培業の大面積栽培農作物に対する調整の度合はかなり大きく、良質農産物の発展は速やかで、2001年の良質専用小麦の作付け面積はすでに小麦の作付け総面積の25%を占めるに至った。良質水稲の面積は水稲総面積の50%以上を占め、良質アブラナの作付け面積はアブラナ総面積の57%以上を占めるに至った。良質専用トウモロコシ、果物の「接ぎ木による品種の転換」、無公害野菜などの良質農産物の開発が加速された。栽培業の生産は専門化した分業、区域化した生産という方向へ逐次発展している。全国では、東北地域の大豆、トウモロコシ生産ベルト、黄海・淮海地域の落花生、小麦生産ベルト、長江流域のアブラナ生産ベルト、新彊の綿花生産ベルトが一応形成されるに至った。統計データによると、2001年における黄海・淮海地域に位置する河北、安徽、山東、河南の4省の小麦作付け面積は全国の52%を占め、小麦の生産量は全国の62%を占めた。

牧畜業の生産は都市と農村住民の消費構造の変化の要請を満たすため、数量の増加を比較的に重視することから数量と品質をともに重視する方向へ転換し、畜産品の構成は逐次最適化へと向かっている。豚肉の肉類製品に占める比率は1989年の80.8%から2001年の66.1%に低下し、牛肉、ヒツジの肉が占める比率はそれぞれ1989年の4.1%と3.7%から2000年の8.7%と4.6%に上昇し、草食家禽、家畜が占める比率はたえず増えている。優良品種の普及率が向上し、特種養殖の規模が拡大されている。関係部門の統計データによると、「第九次五ヵ年計画」期に、ブタ、牛、ヒツジの良種の比率はそれぞれ90%、30%と55%に達した。

漁業の生産構造の調整はブランド品、優良品、特産品、新産品という水産物の養殖面積と水揚げ量の増加に重点を置いており、資源を保護、利用する角度から出発して、ここ数年間に漁労を減らし、夏季に漁労をストップする措置を講じている。1989年と比べて、2001年の水産物の水揚げ総量に占める養殖水産物の水揚げ量の比率は12.3ポイント向上した。

生態環境を保全し、農業の持続可能な発展を保つため、国は天然林資源保護プロジェクトを始動させ、中西部地域の耕地をもとの樹林(草地)に戻す戦略的構造調整を実施し始めた。2001年に造林面積495万ヘクタールを達成し、そのうち、重点的生態プロジェクトの造林は331万4000ヘクタールであった。

3.農村の非農業産業が急速に発展をとげ、工業化、小都市化の足取りが速まった

農村で改革を実施して以来、郷鎮企業を主体とする農村の非農業産業が突如として現れ、1987年の郷鎮企業の生産総額は初めて農業の生産総額を上回り、農村経済の重要な支柱となった。1989年から1991年までの国民経済調整期において、郷鎮企業の発展のスピードに徘徊が現れたが、1992年にケ小平氏が中国南部視察の中で談話を発表してから国が郷鎮企業の発展を奨励する一連の政策と措置を公布したため、郷鎮企業は再び急速に成長をとげるようになった。1997年にアジア金融危機が起こってから、郷鎮企業の発展が直面するマクロ環境は日ましに厳しいものとなったが、体制的革新の加速、科学・技術の開発を通じて、郷鎮企業は粗放型の成長から集約型の成長へと転換し、持続的かつ安定した発展の勢いを保ちつづけた。中国農業部郷鎮企業局の統計データによると、2001年の郷鎮企業の増加額は2兆9356億に達し、改革初期の1978年比約140倍増となり、1989年よりも13.1倍増となった。1989年から2001年にかけて、年平均24.7%増で、国内総生産(GDP)の純増加部分の34.5%を占めることになった。農村の非農業産業の発展は、一方では農村の就業構造を最適化させ、農民の収入を増やし、他方では国の工業化、都市化の過程を推し進めた。2001年の農村労働力の就業構造の中で、農業(林業、牧畜業、漁業を含む)は67.3%を占め、非農業産業は32.7%を占め、非農業産業が占める比率は1989年比11.9ポイント増となった。農民が非農業産業から得た純収入は1989年の一人当たり142.4元から2001年の1066.4元に向上し、6.4倍増となった。農民の一人当たり非農業産業の純収入が一人当たりの純収入総額に占める比率は1989年の23.7%から2001年の44.7%に上昇した。

農村の非農業産業、特に郷鎮工業の発展は中国の工業の配置を変えることになった。郷鎮企業局の統計データによると、2001年の郷鎮企業工業の増加額は2兆315億元、1989年比12倍増、年平均23.8%増となり、全国工業総増加額に占める比率は47.8%となった。長江デルタ、珠江デルタなどの発達した地域では、都市の工業と農村の工業がそれぞれの長所を取り入れ、産業がバランスを保ちながら発展する枠組みが形成されるようになり、中国の特色を持つ工業化の道を歩み出した。農村の工業化は農村の小都市化の発展を促した。さまざまな郷鎮工業団地の建設と整備は農村の第三次産業の発展を促し、農村における基盤施設の条件を改善した。郷鎮企業と小都市は互いに相手を拠点とし、促進し合い、ともに発展をとげ、中国の特色を持つ小都市化の道を切り開いた。中国の小都市化のレベルは1989年の26.2%から2001年の37.7%に高められた。

4.資金投下が増加し、農業の生産条件と農村の基盤施設が改善された

農業の基盤施設と生産条件を改善し、農業の総合的生産力を高めるため、国は農業への資金投下の度合を年ごとに増やしている。1999年における農業に対する国の財政からの支出は1085億8000万元に達し、1978年比6.2倍増、1989年比3.1倍増となった。農業に対する国の財政からの支出の増加に努めると同時に、社会資金の調達、資本市場からの融資、外資の導入などの形を通じて、さまざまなルートから農業への資金投下を増やした。1999年に中央は新規増加した1000億元の財政国債から375億元を出して、農業の生産条件と水利施設の改善、天然林の保護、生態環境の整備、節水灌漑プロジェクトなどに充てた。農業の生産条件は目に見えて改善され、農地の排水・灌漑能力は大幅に向上し、2001年における農地有効灌漑面積は5425万ヘクタールに達し、そのうち、電力機械による灌漑面積は3621万ヘクタールとなった。これと同時に、農業の総合的開発と中低収穫農地の改造に大いに力を入れ、計画的に段取りを追って重要な商品農産物生産基地を建設し、すでに約1000の商品穀物生産基地としての県、200以上の良質綿花生産基地としての県、および優良品種のナタネ、製糖原料と「買物かご」に入れる日常生活用農産物の生産基地を建設し、全国で安定した商品農産物供給体系を形成した。種子プロジェクト、動植物保護体系、農業の災害予防・軽減体系の整備も目に見える進展をとげ、重点地区の天然林保護プロジェクト、十大保安林体系プロジェクトの建設が全面的に展開された。これらはすべて農業の自然災害に対する抵抗力を大きく増強し、農業の生産条件と生態環境を大きく改善し、農業生産の安定した成長を大きく促した。

内需を始動させるため、政府は農村の基盤施設建設への取り組みを強化し、集団と個人の投資を奨励している。2001年に農村における集団と農民個人の固定資産投資は7212億3000万元に達し、1989年比4.7倍増、年平均15.5%増となった。農村の基盤施設が極めて大きく改善された。2001年に全国の行政村の中では、水道によるメリットを享受している村が占める比率は47%に達し、95%以上の行政村に自動車道路が通じ、87%の行政村に電話が通じ、農村の電話利用者は6843万1000戸に達し、95%以上の行政村に電気が通じるようになった。農村の交通、通信、水道・電気などの公共事業の発展は農村の生産、生活の条件を改善し、都市と農村の経済、文化の交流に便宜を提供し、農村経済の持続的で安定した発展のために確固とした基礎を打ち固めた。

5.農民の収入が持続的に増加し、生活の質がたえず改善された

改革・開放政策の実施以来、農民の収入は全般的に持続的に増加する勢いを呈し、これによって農村住民のトータルな生活レベルが基本的な生存のためのタイプから衣食にこと欠くことのないタイプへ、衣食にこと欠くことのないタイプからまずまずのレベルへの飛躍をとげた。

2001年における農村住民の一人当たりの純収入は2366.4元で、1989年比2.9倍増となり、価格の要素を除くと、年平均4.3%増となった。農村の就業構造の変化につれて、収入の増加は多元化を呈するようになっている。一、家庭経営による収入が占める比率は安定を保ちながら低下へと向かっており、2001年における農村住民の一人当たりの純収入の中で、家庭経営による純収入が占める比率は61.7%であり、1989年比10.5ポイント減となった。二、農村住民の賃金的報酬としての収入が収入増加の重要な要素となり、2001年における農村住民の一人当たりの賃金的収入が年間純収入に占める比率は32.6%で、1989年比9.9ポイント増となった。三、農村住民の市場意識が強化され、農産物の商品としての比率が向上し、現金収入がかなり急速に増えた。2001年における農村住民の一人当たりの現金純収入は1989年の426元から1748元に上昇し、3.1倍増となった。

収入の絶えまない増加は農村住民の生活の改善のための確固たる基礎を打ち固めることになった。

1989年から2001年にかけて、農村住民の一人当たりの生活費支出は535.4元から1741.1元に上昇し、2.3倍増となり、価格要素を差し引くと年平均4.1%増となった。農村住民のトータルな生活レベルが衣食にこと欠くことのないタイプからまずまずのレベルへ移行するにつれて、農村住民の消費構造もたえずグレードアップしている。2001年における農村住民の食品、服装類、住居用品、家庭設備に対する支出レベルはそれぞれ830.7元、98.7元、279.1元と77元で、1989年比それぞれ1.8倍増、1.2倍増、1.7倍増と1.4倍増となった。医療・保健、交通・通信、文化・教育・レジャー娯楽面の消費レベルにはより速い向上が見られ、それぞれ96.6元、110元、192.6元に達し、1989年比それぞれ4.9倍増、11.9倍増と5.3倍増となった。基本的な生活財の需要と収入との弾力性(収入に占める生活財の比率)が次第に縮小し、享受と発展のための支出の需要と収入との弾力性(収入に占める享受と発展のための支出の比率)が次第に増大している。これは主に次の三つの面に現れている。一、エンゲル係数(生活費に占める食品消費の比率)は1989年の54.8%から2010年の47.7%に低下し、7.1ポイント減となり、これは農村住民のトータルな生活費が衣食の満ち足りるという段階からまずまずのレベルの入口に入ったことを示す重要なメルクマールとなった。二、享受と発展的消費の比率はあまねく向上した。農村住民の生活費支出に占める医療・保健支出の比率は12年間に2.4ポイント増となり、交通・通信への支出は4.7ポイント増となり、文化・教育・レジャー娯楽への支出は5.4ポイント増となった。三、現金消費の比率がかなり速く増えた。全国の農村住民の生活費の現金支出額は1989年の378.5元から2001年の1364.1元に上昇し、2.6倍増となり、消費総額に占める現金消費の比率は1989年の70.7%から2001年の78.4%に上昇し、7.7ポイント増となった。

農村住民の消費構造のグレードアップにつれて、農村住民の消費のグレードも向上し、消費の質は目に見えて改善された。食品消費の中で、肉類、タマゴ、ミルク、魚、果物などの消費量が増え、食の構造は栄養、科学タイプへと発展している。1989年における農民の日間カロリー摂取量の中で、穀物食品からのカロリーは82.6%を占めているが、2001年には、この比率は69.1%に低下し、13.5ポイント減となった。農民の日間脂肪・蛋白質摂取量は大幅に増加し、2001年に農民の一人当たりの日間脂肪・蛋白質摂取量は49.5グラムと70.1グラムであり、1989年比それぞれ17.8%増と3.6%増となった。主要栄養素に対する需要はすでに基本的に満たされている。服装はさらに既製服化へと向かっている。2001年における農村住民の一人当たりの服装類への支出は98.7元であり、1989年比1.2倍増となり、そのうち、服装への支出は一人当たり55.6元であった。居住の質と条件が著しく改善された。1989年から2001年にかけて、農村住民の一人当たりの住居面積は17.21平方メートルから25.73平方メートルに増え、8.52平方メートル増の48.4%増となった。そのうち、レンガ・木構造の住居は13.8平方メートルで、1989年比4.5平方メートル増の48.4%増となった。二階建て以上の住宅の面積は6.9平方メートルで、1989年比6平方メートル増の6.5倍増となった。テレビ、冷蔵庫、オートバイなどの需要弾力性係数がかなり大きな耐久消費財の保有台数は倍増した。2001年末における農民の100世帯当たりのカラーテレビ保有台数は54.4台で、1989年比14倍増となった。冷蔵庫は13.6台で、14倍増となった。オートバイは24.7台で、25倍増となった。洗濯機は29.9台で、2.7倍増となった。近年、電話、移動電話、エアコン、コンピューターなども農民の家庭に入っている。2001年には、農民100世帯当りの電話機保有量は34.1、移動電話は8.1、エアコンは1.7、コンポは8.7台となった。(国家統計局のデータに基づく)

 

「チャイナネット」 2002年10月24日

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