北京の羊肉レストランはそれほど多いとは言えないが、羊肉のしゃぶしゃぶは最高だと言える。というのは、北京っ子はさまざまな地方の味を賞味できるので下が肥え、しゃぶしゃぶの改良を促している。北京の冬はとても寒く、しゃぶしゃぶは体を暖めることができ、仲間と湯気の立つなべを囲み、北京なまりで語り合うひとときを心ゆくまで楽しむことができる。
しゃぶしゃぶは毎年の秋から登場し始める。材料は羊肉の薄切り、ゴマだれ、ハナニラ、滷蝦油(小エビをすりつぶして塩で味付けしたものからとった油状のうわずみ)、凍り豆腐、はるさめ、白菜などがある。なべの中の水が沸くと、それを囲んでいるものはハシで羊肉の薄切りをなべの中に入れ、さっさとくぐらせてたれをつけて食べる。もちろん、しゃぶしゃぶにはこだわりがあり、肉の薄切りは薄ければ薄いほどよく、水が沸騰すればするほどよい。
北京風のしゃぶしゃぶには二つの特徴がある。一つは材料が上品なもので、肉の薄切りが薄くスライスされていること。もう一つはたれの調合である。
北京の胡同の散策
北京の立派な皇室の建物を見慣れていれば、人力車を借りて北京の胡同(北京の伝統的な路地)を歩き回るのもよい。
北京の胡同の名はまちまちで、禄米倉、府学胡同などは昔の役所の名称で名づけられたものであり、永康侯胡同、三保老爹胡同などは昔の高官の官職名で、騾馬市、缸瓦市などは市場の名が名づけられたもの。また、人名、その地の特徴か形、似た音で名づけられた胡同もたくさんある。
北京の最も長い胡同は東郊民巷、西郊民巷である。この胡同は長安街と平行して、東西に走っており、東は崇文門内大街から、西は北新華門に至る。最も短い胡同はもと瑠璃厰東街東口南東にある一尺大街で、長さ10メートルぐらいしかない。最も狭い胡同は天橋西永安路の北側にある小喇叭胡同で、北口西向けの折り曲がったところはわずか55センチである。前門外大柵欄一帯にある銭市胡同は東口の幅が80センチであるが、胡同の真中の最も狭いところは40センチしかない。折り曲がりの最も多いのは20カ所の折り曲がりのある東城区北新橋の「九道彎」胡同である。
「チャイナネット」2002年12月26日