怒江大峡谷に足を踏み入れたみなさんは世界で最も長い、最も神秘な、最も美しくて、最も原始的な東方の大峡谷に入ったことになる。
雲南省怒江州の怒江、瀾滄江、独竜江の三大峡谷のなかでも、怒江大峡谷がもっとも壮観である。谷が南北方向に走り、アメリカのコロラド大峡谷よりも長い。コロラド大峡谷は支流のバリア河口からメド湖までの全長は440キロしかない。怒江大峡谷は南区間の竜陵の老卡から貢山の丙中洛までだけでも600キロもあり、チベット域内のものはどれぐらいあるか精密に測定することはできない。地図からみれば、少なくとも4、5百キロはある。この二つの区間の距離を加えると千キロを超え、コロラド大峡谷の二倍ぐらいに当たる。コロラド大峡谷の一番深いところは1830㍍であるのに対して、怒江大峡谷は2000㍍以上である。ほとんどの区間は3000㍍を超えている。怒江大峡谷は山が高く、谷が深く、流れが急で、両岸には花々が咲き乱れ、山腹には原生林が生い茂り、冬、春に降り積った雪に覆われ、景色はまるで絵のようである。
「石の月」は谷の中の奇観である。道路からそれを眺めると、山峰の上の月のようなものがはっきり見える。実際、これは高黎貢山の山峰あたりにある高さ約100㍍、直径45㍍の楕円形の洞窟であり、この洞窟を通して山の後ろ側の空が見え、まるで月のような形になっている。
「チャイナネット」2003年1月13日