小寒の養生
毎年の1月5日前後は小寒の節気である。民間には、小寒、大寒になると、寒さは氷のごとしということわざがある。小寒は寒さの度合を表し、字面から理解すれば、大寒は小寒より寒いが、気象の記録の中では、大寒よりも小寒のほうが寒く、一年の二十四節気の中で最も寒い節気と言える。常に「寒さは三九(真冬の最も寒い時)にある」という言い方があり、この「三九の日」はまたちょうど小寒の節気にあたる。小寒と言って大寒と言わないのは、節気が黄河流域に始まるからであり、『月令七十二候集解』によると、「月の初めに寒さはまだそれはどこでもなく、……月の半ばになるとひどくなり」、その時の状況は現在まで続いてきた。聞くところによると、昔黄河流域の農家はいつも小寒になると、どの家も「九九消寒図」で寒さをよけるようにし、現在、さまざまな薬膳入りのしゃぶしゃぶは人びとの寒さを追い払うごちそうになっている。そのため、多くの人たちは合理的に補する問題を見落とし、特に若者は体が丈夫だとおごりたかぶって暴飲暴食し、飢えること、腹がいっぱいになること、寒いこと、熱いことに節度がなく、最後には尽きることのない将来の災いのともになるのである。

 唐代の名医である孫思邈は「安らかに生きる本は、食物にあり、……適宜に食をとることを知らないものは、生存することができない。……ゆえに食物は邪気を取り除いて臓腑の必要を満たすことができる」と指摘し、人体に対する食物の役割を明らかにしている。小雪の節気は一年中の最も寒い時にはなっているが、人々は栄養の補給を非難すべきではないが、栄養補給の中で法則にしたがわなくなってはならず、「人によって食を与える」という原則に基づいて、飲食にふさわしい意味を理解することである。元代の『飲食須知』は、「飲食は、養生をもって、物の性にふさわしいものがあるか、ふさわしくないものがあるかを知らず、たとえ何を食べても、軽いものは五臓が不和となり、重いものはすぐに災いとなる」と強調している。そのため、わたしは栄養を補給する時に「五つの味が傷つく」ことがないようみなさんに気づかせ、若者はさらにみずからの状況に基づいて選択的に補給すべきである。

 一般的に言えば、若者の体は新陳代謝が旺盛で、必要な蛋白質とカロリーは高齢者より多く、カロリーは主に炭水化物、脂肪によってもたらされる。炭水化物は主に食糧による。そのため、若者は食事の量を十分に保証し、雑穀と米と小麦粉の割合の組合せに意を配り、適量の脂肪を摂取し、薬膳による栄養補給を選ぶ時にもこの要素を考慮すべきである。しかし、若者には若い人なりの特徴があり、往々にして脂肪が多くて甘くて味の濃い辛い物を食べすぎて招かれざる客である「ニキビ」ができ、それは若者に限りのない悩みをもたらすことになる。

 ここで若い方々ににきびができる原因と予防について簡単にお話ししたい。にきびは毛嚢皮下脂肪腺慢性炎症性のことであり、内分泌の機能障害と関係があり、皮下脂肪腺の動きは内分泌と精神的要素の影響を受けるものである。青少年時代は体内の男性ホルモンが多くなるため、皮下脂肪の分泌が多くなり、皮下脂肪の堆積を招き、毛嚢口角化血栓症を形成し、増えた皮下脂肪は直ちに排除することができず、そこでにきびができるわけである。苦痛を免れるために、まず個人の衛生に意を配り、ぬるま湯で顔を洗い、よく入浴し、脂っこくて辛い、性が寒の食物は少なめにし、果物、野菜をたくさん食べ、便秘を防ぎ、手でウミを絞り出すことはやめること。さもなければにきびはなくなっても傷あとが依然として残ることになる。治療の面で漢方医はそれを、風邪を引いて肺に熱があり、脾臓・胃が湿で熱く、任脈・太衝脈がアンバランスで、熱くて鬱血するという四つのタイプに分けている。調合薬はそれぞれ「琵琶清肺飲」、「竜胆瀉肝湯」、「加味逍遥散」、「四物湯」の加減しながら服用する。要するに、にきびができたら直ちに医師に診療してもらい、決して自分で処理してはならない。

 栄養補給については、昔から「三九に栄養を補給すれば、翌年は病気にかからない」という言い方がある。人びとは春、夏、秋の1年近くの消耗を通して、臓腑の陰陽・血気はある程度どうしても衰えることになり、合理的に栄養を補給すればすぐに血気・唾液を補充でき、厳寒に侵入されることを防ぎ、翌年には病気にあまりかかることがなく、それによって半分の努力で倍の成果をあげる養生の目的を達成する。冬に栄養補給をする時には飲食による栄養補給と薬物による栄養補給を結び付けるべきであり、温を補給するほうがよい。

 よく使われる栄養剤は薬用人参、黄芪、阿膠、冬虫夏草、何首烏、クコ、当帰などがある。飲食による栄養補給は陰陽・血気の盛衰に基づいて、食品の性を結び付けてヒツジの肉、イヌの肉、ブタ肉、トリ肉、アヒルの肉、タウナギ、スッポン、サワラ、エビなどを選び、その他の食品、例えばクルミの実、ナツメ、竜眼の実、ゴマ、ヤマイモ、ハスの実、ユリ、クリなどを選ぶ。薬膳による栄養補給は次のものを選ぶことができる。

ヤマイモとヒツジの肉のスープ

[使う材料] ヒツジの肉500グラム、ヤマイモ150グラム、ショウガ、ネギ、コショウ、紹興酒、塩を適量

[作り方] ヒツジの肉をきれいに洗って角切りにし、お湯の入ったナベに入れて、さっとゆでて薄い血をきっておく。ショウガ、ネギをきれいに洗って庖丁でたたいて必要に備える。淮山の薄切りを熟するまで煮てヒツジの肉と一緒にナベに入れて、適量の水を入れ、その他の材料をいっしょにナベに入れて、強火で煮沸してからとろ火で熟しすぎるようになるまで煮込んで召し上がるとよい。

[効き目] 脾臓、胃を補い、肺、腎臓を益する。

腎臓によいイヌの肉のスープ

[使う材料] イヌの肉500グラム、ネナシカズラ7グラム、附片3グラム、ネギ、ショウガ、塩、化学調味料を適量

[作り方] イヌの肉をきれいに洗って角切りにし、ナベの中に入れて熟するまでゆでて、すくい取って必要に備え、ショウガを薄切りにし、ネギを細かくきざんで必要に備える。ナベを火の上に置いて、イヌの肉、ショウガをナベの中に入れて炒め、紹興酒を入れて煮て、それからいっしょに土ナベの中に入れて、同時にネナシカズラ、附片をガーゼでよく包んで土ナベの中に入れてから、コンソメ、塩、化学調味料、ネギを加えて、強火で煮沸してから、とろ火で2時間ほど煮込んで、イヌの肉が熟しすぎるぐらいになってから、ガーゼの包みを取出して、すぐに召し上がってよい。

[効き目] 脾臓、胃を暖かくし、腎臓の陽を暖かくする。

3種類の千切りの油炒め

[使う材料] シイタケ75グラム、ピーマン2個、ニンジン1本、植物油、白砂糖、醸造酒、化学調味料、塩、といたカタクリ粉、新鮮なスープ、ゴマ油を適量

[作り方] シイタケを水で煮てもどしてからきれいに洗い、水分を絞り出し、拍子切りにし、ニンジン、ピーマンをきれいに洗って千切りにする。ナベの中に油を入れて熱くなってから、3種類の千切りをナベの中に入れて炒めてから、醸造酒、白砂糖を入れて更に炒め、それから新鮮なスープ、塩を加え、スープが煮沸してから化学調味料を入れ、カタクリ粉であんかけをし、ゴマ油をたらして、お皿に盛り付ければよい。

[効き目] 脾臓を丈夫にし、消化不良を治し、のぼせを取り除く。

やめなければならない食べもの イヌの肉とリョクトウ、杏仁、ヒシの実を同時に食べることはやめる。

頑固な皮膚のかゆみで悩んでいるのはマツタケは避けるべきである。

ヘチマとトマトのかゆ

[使う材料] ヘチマ500グラム、トマト3個、うるち米100グラム、ネギ、ショウガの粉、塩、化学調味料を適量

[作り方] ヘチマをきれいに洗って皮をむいて、小さく薄切りにし、トマトをきれいに洗って小さな塊にきざんで必要に備える。うるち米をきれいに洗ってナベの中に入れて、適量の水を入れて火の上に置いて煮沸してから、とろ火で熟するまで煮て、ヘチマ、ネギ、ショウガの粉、塩を入れてかゆが熟すまで煮て、トマト、化学調味料を入れて少し煮込んで出来上がりとなる。

[効き目] 解熱し、痰を取り咳を止め、唾液の分泌を促進し苦しみをなくす。(にきびができたものは長期間召し上がってもよい)

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