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二〇〇二年度国民経済・社会発展計画の執行状況と二〇〇三年度国民経済・社会発展計画案についての報告
国家発展計画委員会主任 曾培炎

(二〇〇三年三月六日、第10期全国人民代表大会第一回会議にて この報告については、今会議で最終的に審議、採択され、新華社から発表されるものが基準となる)

代表のみなさん

ここに国務院の委託を受けて、二〇〇二年度国民経済・社会発展計画の執行状況と二〇〇三年度国民経済・社会発展計画案を大会に報告し、審議を求めるとともに、全国政治協商会議の委員のみなさんからもご意見を求めたいと思う。

一、二〇〇二年度の国民経済・

社会発展計画の執行状況

過去一年間、全国各民族人民は中国共産党の指導の下に、鄧小平理論の偉大な旗じるしを高く掲げ、「三つの代表」の重要な思想を実践し、第九期全国人民代表大会第五回会議で採択された決議に基づいて、改革開放と現代化建設の事業を積極的に推進し、国民経済は持続的でテンポの速い、健全な発展を遂げ、社会諸事業は全面的な進歩を見せ、計画の執行状況も良好であり、マクロ規制の主要な所期の目標は順調に達成された。

内需拡大政策は引き続きその効力を現し、国民経済は持続的で比較的テンポの速い成長を保った。二〇〇二年度国内総生産(GDP)は一〇兆二三九八億元で、八%伸びた。積極的な財政政策と穏健な通貨政策の実施を堅持し、国債投資による牽引の役割を十分に発揮させ、民間投資を積極的に引き出した。全社会の固定資産投資は四兆三二〇二億元を達成し、一六・一%増となった。第九期全国人民代表大会第五回会議の承認を得て、二〇〇二年度長期建設国債を一五〇〇億元発行し、二ポイントの経済成長率をもたらした。国債資金利用プロジェクトは大量の優良資産を形成して、長期的発展の持続力を増強させ、経済構造の最適化、投資環境の改善、財政収入の増加、企業の技術進歩の促進、持続可能な発展能力の増強および人民の生活水準の向上に対し積極的な役割を果たした。各地区、各部門は丹念に施工に取り組み、国債利用プロジェクトに対する会計監査、監察、検査と世論監督を強化して、工事の質と資金の安全性を保証した。引き続き消費の喚起を積極的な財政政策と穏健な通貨政策の実施における重要内容とし、住民の収入増大、消費政策の充実、消費環境の改善などの総合的措置を通して、都市・農村住民の消費拡大のために条件を作り出した。社会消費財の小売総額は四兆九一一億元に達し、八・八%伸びた。住宅、通信、観光、教育、自動車などの消費ホットスポットが次第に形成されつつある。

産業構造の調整は新たな進展を見せ、経済成長の質と効率は一段と向上した。農業と農村経済の構造調整は成果を収め、農業の地域的配置の調整が速められ、食糧、綿花など主要農産物の生産は引き続き優位生産地区へ集中し、牧畜業と水産養殖業は安定した成長を保っている。数多くの高収穫で耐病性と抵抗性の強い優良新品種が育成され、農業の総合的生産能力は絶えず増強している。食糧の総収穫高は四五七一億キログラムに達し、一%増となった。農業の産業化経営は積極的に推し進められ、農民の増収を促した。インフラ整備の効果は著しく、また数多くの水利、交通、通信、エネルギー、環境保護分野などのプロジェクトが完工し、操業に入った。工業構造は引き続き最適化されつつある。独自の知的財産権と競争の優位性をもつハイテク産業が形成されつつあり、ハイテク産業の工業生産額は二三%伸びた。都市の軌道系交通施設、環境保護用設備、大型酸化アルミニウム設備など多くの大型重要装置製造のローカル化プロジェクトが完工し、操業に入った。在来工業の再編・技術改良の度合いを強めた。在来サービス業は安定した成長を保ち、一方現代サービス業も速いテンポで発展し、電信・電話、物流、コンサルタント、観光、コミュニティー・サービスなどのサービス業が勢いよく発展しつつある。企業の経済効率は大幅に向上している。一定の規模以上の工業企業の利潤は五六二〇億元に達し、二〇・六%増となった。

西部大開発は着実に推し進められ、中・西部地区の発展は加速している。インフラ整備は引き続き速められた。「西気東輸」(天然ガスの西部から東部への輸送)、タリム河の総合整備などの重点プロジェクトは相次いで着工し、青海=チベット鉄道、「西電東送」(西部から東部への送電)の建設は順調に進められている。「送配電を郷レベルまで普及するプロジェクト」、「アスファルト道路を県レベルまで普及するプロジェクト」および「ラジオ・テレビを村まで普及するプロジェクト」の実施は加速している。耕地の林地への復元作業、天然林資源の保護、砂漠化防止、天然草原の回復と建設などの生態系整備プロジェクトは計画どおりに推し進められている。二〇〇二年度耕地の林地への復元面積は二五二万ヘクタール、禿山・荒地の植林面積は二八八万ヘクタールを達成した。農村の中小型水利施設、人間・家畜の飲用水および農村の自動車道路の整備は速められ、農民の生産・生活条件は改善された。

経済体制の改革は絶えず深化され、発展を促す新しい生命力と活力が加わった。国有大・中型企業の公司制改革は引き続き推し進められ、さらに規範化された。『中小企業促進法』の制定、公布は、中小企業の発展環境の改善に役立った。個人経営、私営など非公有制経済は発展を速めた。電信・電話、民間航空、電力などの業種における管理体制改革は大きな進展を遂げた。価格改革は引き続き深化され、政府の価格決定に関する公聴会制度を樹立し、充実させ、都市の汚水、生活ゴミ処理の料金制及び農民向けの商品・サービス価格と費用徴収に関する公示制度を実行した。農村の電力供給に関する「二つの改造と料金同一化」(農村電力網の改造と農村電力供給管理体制の改革及び都市・農村共用の電力網の料金同一化)作業は著しい成果をあげ、七〇%の県で都市・農村住民の生活に必要な電気料金の同一化が達成され、これにより毎年農民の負担を四二〇億元軽減することができた。農村における租税・費用徴収改革のモデルテストの範囲は二〇の省(自治区、直轄市)にまで拡大した。食糧、綿花の買付・販売の市場化改革のプロセスが速まった。行政審査・許認可制度の改革は段階的な成果を勝ち取った。市場経済秩序の整頓と規範化は深く掘り下げて展開され、偽物・粗悪な食品、医薬品、医療器械などの製造、販売といった不法行為を厳しく取り締まり、文化市場、観光、建築、定期市・自由市場などへの整頓に大きな力を注いだため、市場環境は改善された。

WTO(世界貿易機関)加盟は幸先の良いスタートを切り、開放型経済はいっそうの発展を遂げた。真剣にWTO加盟の公約を履行し、関連の法律・法規を制定、改正、廃止し、関税の全般的水準を引き下げ、非関税措置を逐次取り消し、外商投資分野を拡大し、さらに反ダンピング、反輸出補助及びセーフガードのメカニズムを構築し始めている。対外貿易の輸出入総額は六二〇八億ドルで、二一・八%増となった。貿易構造は引き続き改善され、機械・電子製品とハイテク製品の輸出は大幅に伸び、国内で至急に必要とされ、カギとなる設備や先端技術、資源などの商品の輸入は増えた。外商直接投資の実質導入額は五二七億ドルに達し、一二・五%増となった。外商投資構造は一段と最適化され、資本や技術集約型の大型プロジェクトは増えた。「海外への進出」戦略の実施は新しい一歩を踏み出した。地域間、両国間及び多国間の経済協力はさらに深化している。

財政収入は引き続き増加し、金融は安定した運行を保っている。全国の歳入は一兆八九一四億元で、一五・四%伸び、歳出は二兆二〇一二億元で、一六・四%伸びた。財政収支を差し引くと、歳出は歳入を三〇九八億元上回った。金融リスクを防備し、解消するとともに、経済成長と構造調整に対する金融の支持力を強めた。広義のマネー・サプライ(M2)と狭義のマネー・サプライ(M1)はいずれも一六・八%伸び、通年の現金通貨発行量は一五八九億元であった。二〇〇二年末までに、金融機構全体の貸付残高は一五・四%伸び、金融機構の不良債権の比率は四・五ポイント下がり、国家外貨準備高は二八六四億ドルに達した。

科学技術の進歩と創造・革新のテンポは速まり、教育発展の先導的役割は増強された。基礎研究とハイテク研究には重要な進展が見られ、自主的創造・革新能力は絶えず向上した。神舟三号、四号宇宙船の打ち上げは成功し、超大規模集積回路(VLSI)とソフトウエア、機能ゲノムなど重要な科学技術の特別プロジェクトはスムーズに推し進められた。国家創造・革新システムの建設と科学研究機構の改革は著しくはかどり、国家重点実験室や国家の重要な科学プロジェクトなど科学技術のインフラ整備は強化され、科学技術成果の産業化のプロセスは加速している。知的財産権に対する保護と管理は強化された。基礎教育は絶えず強化され、農村の義務教育管理における「県を主とする」新体制は確立されつつあり、貧困地区の義務教育は新たな進展を見せた。一般大学、一般高校の学生募集規模を拡大するためのインフラ整備と小・中学校の老朽化した校舎の改築は著しい成果をあげた。一般高校と中等職業技術教育の発展のテンポは著しく速まった。高等教育は絶えず発展し、一般大学の学生は三二一万人、大学院生は二〇万三〇〇〇人それぞれ募集した。

諸般の社会事業は全面的に発展し、人民の生活は絶えず改善された。文化、医療・衛生、スポーツ、ラジオ・映画・テレビ、報道・出版などの事業は健全な発展を遂げ、精神文明の建設は絶えず強化されている。一群の重点文化施設、農村部における医療・衛生施設項目と漢方医病院・専門病院の建設はスムーズに繰り広げられている。全国民の健康増進活動は勢いよく展開され、競技スポーツは国内外の重大な試合で優れた成績を勝ち取った。人民生活に直接関連する都市インフラ整備は著しい成果を収めた。農村部の貧困人口はさらに減少した。都市住民の一人当りの可処分所得及び農村住民の一人当りの純収入はそれぞれ実質一三・四%と四・八%伸びた。「二つの確保」(国有企業一時帰休者の生活費と定年引退・退職者年金を期日通りに全額支給することを確保する)は引き続き打ち固められ、都市部の「最低生活保障」作業は著しく強化された。都市部における社会保障体系整備のテスト作業は積極的な進捗を示した。昨年末時点における都市部の登録失業率は四%である。

環境保護と資源の合理的な開発・利用は効果をあげ、持続可能な発展の能力が増強された。重点地域への環境対策に大きな力を入れ、一部の重大な汚染をもたらした企業を閉鎖し、「三本の河」(淮河、海河、遼河)、「三つの湖」(太湖、巣湖、滇池)の汚染対策は段階的成果をあげ、一部の都市と工業区・鉱区の二酸化硫黄の排出量が減少し、酸性雨悪化の傾向は抑制された。都市汚水・ゴミ処理など環境保護のためのインフラ整備が強化され、都市汚水の集中処理率は四〇・三%に達した。生態環境整備と資源保護のテンポが加速された。「南水北調」(南部から北部への導水)プロジェクトが着工した。人口の自然増加率は六・四五‰であった。

代表のみなさん、昨年の成績は、改革開放とりわけ一九九八年以来の諸活動をふまえて勝ち取られたものである。五年来、わが国の国民経済は持続的でテンポの速い成長を保ち、諸般の社会事業は勢いよく発展し、総合的国力はさらに新たな階段に引き上げられた。社会主義の市場経済体制は初歩的に確立され、全方位の対外開放の枠組は基本的に形成され、国際的影響力が著しく拡大した。民族の結束力がきわめて強くなり、社会は安定、団結を保ち、国はよく治められ、人民はむつまじく暮している。この五年間はわが国の史上において最もめざましい発展を遂げた一時期であり、今後の長期的発展をつづける上で確固たる基礎を打ち固めた。この五年間たどってきた並々ならぬ道のりを振り返り、われわれは次のことを痛切に感じ取っている。国際経済の環境には数多くのマイナスの要因があり、国内経済の運営にも少なからぬ困難が存在している状況下において、国民経済の持続的でテンポの速い、健全な発展を実現したことは、党中央が科学的に政策決定をおこない、正しく指導したたまものであり、全国人民代表大会及びその常務委員会が適時に指導をあたえ、監督を強化したたまものであり、各地区、各部門がともに努力し、仕事を着実に進めたたまものであり、さらには全国各民族人民が心を一つにして、刻苦奮闘したたまものである。

われわれは、経済・社会生活の中になお少なからぬ矛盾と問題が存在しており、そのうち一部のものはまだかなり際立った問題であることも認識している。一つは、有効需要の不足と供給構造の不合理という二つの問題が共に存在していること。農民の収入増加に悪影響をもたらしている一部の主な要因はいまだに取り除かれておらず、農民の収入増加が鈍化し、都市部における一部住民の収入は比較的低く、一部大衆の生活は依然としてかなり困難であり、これらはいずれも消費市場の拡大を制約している。集団所有と個人経営、私営の投資の潜在力はまだ十分に発揮されていない。二つは、就業と再就業が厳しい情勢を呈していること。都市部において就職と再就職を望む人口はかなり多く、農村にも移動すべき余剰労働力が大量に存在しているが、新しく創出された就業機会によってもこの就業ニーズを満たすことはできない。三つは、国有企業改革の任務はかなり重く、深層的矛盾のさらなる解決が待たれていること。各種所有制経済の発展のため公正な競争の条件を作り出すには、まだまだ多くの仕事に取り組まなければならない。四つは、市場経済の秩序はまだ比較的混乱した状態にあり、社会信用体系の整備は由々しく立ち遅れており、重大な生産安全事故が時おり発生していること。これらの問題について、国務院は高度に重視し、積極的に対策を講じて、真剣にその解決をはかっている。

二、二〇〇三年度の経済・社会発展の規制目標と主要任務

二〇〇三年は中国共産党第十六回全国代表大会の精神を貫徹、実行し、「小康社会」(いくらかゆとりのある社会)の全面的建設に向けて新たな一歩を踏み出す重要な年である。国内外の経済環境を総合し分析してみると、われわれは発展を速めるための有利な条件を有する一方、新しい挑戦にも直面している。国内経済の運営にはいくつかの新しい情況と新しい矛盾の現れる可能性があるばかりでなく、世界経済にも数多くの不確実な要素が存在している。憂患の意識を強め、安きに居ても危うきを忘れず、困難と問題を十分に計算に入れ、対策と措置を十分に考慮してこそはじめて、備えあれば憂いなしの体制の下で主導権を掌握することが可能となるのである。われわれは、鄧小平理論と「三つの代表」の重要な思想を導きとし、党中央の定めた経済活動の全般的要求に照らして、内需拡大の方針を堅持し、積極的な財政政策と穏健な通貨政策を引き続き実施し、マクロ経済政策の継続性と安定性を保ち、国民経済の持続的でテンポの速い、健全な発展と社会事業の全面的な進歩を促進しなければならない。

二〇〇三年度マクロ規制の主要な所期目標を次の通りに定める。

――経済成長率は七%前後とする。

――都市部において延べ八〇〇万人以上の就業機会を創出し、都市部の登録失業率を四・五%に抑える。

――住民の消費者物価の総体的水準の上昇率を一%とする。

――対外貿易輸出入総額を七%増とする。

今年度のマクロ規制の所期目標を達成するには、次のような活動に力を注がなければならない。

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