「穀物の流通企業は農業や農村、農民の発展にとって非常に重要だ」。劉憲魯氏は吉林省の代表として第10期全人代第1回会議に出席した。
劉憲魯代表は吉林糧食グループ公司の会長。1996年の設立以来、成長を続け、全額出資の子会社25社、持ち株会社は10社、総資産85億6000万元と、国内取引と貿易、加工、先物取引を4本柱とする大規模な国有穀物流通企業だ。貿易・流通システムを通じて取り扱う穀物は年間200万トン余り、穀物主要生産地の販売にとって無くてはならない存在となっている。また先物取引で価値を保持することで、リスクを回避してきた。
「三農」(農業・農村・農民の問題)について、劉代表の理解は深い。「政府は農民の収入増の問題を考慮することを重視すべきであり、農民を都市に“追い立てる”ことをしてはならない。農民は大地にしっかりと足を据えるべきで、政府はいかに豊かになるのを手助けするかを考えて、収入増の方法などを解決していくべきだ。また農民が市場経済意識をもてるよう教育し、農村で商品経済のわかる人材を育成していかなければならない。その一方で、農民が豊かになるには媒体が必要であり、それがまさしく企業だ」と指摘した。
劉代表は「政府が穀物を引き受けるのでは、ただ状況を益々深刻にさせるだけで、農民は政府に依存するようになってしまう。企業と農家についても、単に純粋な利益関係だけではなく、企業は価格手段を使って農民に商品意識を植えつけさせるようにする」と指摘したうえで、政府の関係機関に対して農業条件の整備、例えば、農民がその土地で養殖業を営む、出稼ぎに行くなどの面で支援していくよう訴えた。
さらに劉代表は「現在国が実施している穀物保護価格の確定に当たっての根拠には、非合理的なところが多い。穀物価格を決定する権限は市場に委譲すべきである。国の農業補助金の約40%は穀物流通企業に交付されているが、農民に直接交付すること、種子や農機具など農業生産の各段階で補助を与えて、生産コストを低減することも国は模索していくべきだ」と指摘した。
劉代表が農業発展の期待を託しているのが、集約化経営だ。吉林糧食グループ公司は昨年、同省扶余県の徐家店郷で大規模経営の試験的実施に乗り出した。同公司は82世帯の農家と、約0.667ヘクタールにつき2500元の現金を与え、農業税と費用も負担する賃貸契約を結んだ。同郷の労働力は合わせて101人。同公司が10人雇用したほか、養殖業の発展を支援することで約30人の就業問題が解決され、その他の職業に就いたのは20人余り、また出稼ぎに出た農民もおり、余剰労働力は全郷で数人まで減少した。
劉憲魯代表は「農村に足を据える、農業の総合開発を進める、農民の収入を増やすこと。農民と農村、農産品の加工企業の三者が勝利する鍵はまさにそこにある」と強調した。
「チャイナネット」2003年3月10日
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