厳雋琪氏は上海市の副市長で新任の委員。会議を前に、厳委員は情報化事業について何人かの専門家に意見を求め、それを提案にまとめて出席した。
国家科学技術委員会「863」研究プロジェクトで10件の案件を担う責任者、優れた貢献を表彰された中国を代表する中青年専門家、上海市の労働模範、全国「五一」賞の受賞者、「ゴールドメダル教授」の称号……。数々の栄誉に輝く上海副市長に新たな肩書き――政協委員が加わった。
厳委員は「1つ肩書きが多くなったことで、責任も増した。私は新任の委員だが、国に報いる新たな舞台が増え、しかも、この舞台は日常の仕事と相互補完性があるので非常に嬉しく思っている」と笑顔を見せた。科学研究と情報化の仕事を担当する副市長として、厳委員は専門家に上海の情報化事業について意見を求めたことがある。情報内容(コンテンツ)産業に有意義な提言で、この問題が全国的なものであることを感じ取った厳委員は、専門家の意見を提案にまとめて会議に臨んだ。
厳委員は「コンテンツは情報産業のなかでも重要で、文化産業とも緊密に関係している。しかし、情報産業と文化産業はそれぞれ異なる業界に属し、政策や管理方法も異なり、コンテンツの提供や付加価値のあるサービスなど細かな点で、産業を連結するには利益分配といった不均衡が深刻となっている。これがコンテンツ産業を強大にするうえで障害だ」と指摘する。
コンテンツ産業は今、急成長を遂げている新興産業。インターネットゲーム、携帯電話による情報取得やダウンロードは商業利益を計上できる業種だ。だが同産業は外国からの攻撃に今、直面している。韓国ネットゲームの相次ぐ参入が、そのいい例だ。
厳委員は「管理によって制約され、政策が未整備だからといって、海外企業が我々の文化市場を占領することに虎視眈々とし、わが国のコンテンツ産業が発展のチャンスを逸するのを座視することはできない」と強調した。
厳雋琪委員は中央政府に対し(1)ネットワーク、通信媒体を越えた管理の協調性を図る総合的な機関を設立して、情報産業と関係する文化産業との融合を推進する(2)産業の連結から着手して、縦方向に一貫性があり、横方向に整合性の取れた政策を検討・制定・支持することで、利益の分配を合理的に調整する(3)政府の公共情報に基づく購入を拡充するとともに、市民にデジタル図書館や博物館などを無料提供して、コンテンツ産業の規模拡大を加速する―――を提言する考えだ。
「チャイナネット」2003年3月10日
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