3月9日午前に開かれた全国政治協商会議の農業界35・36グループの討議で一部委員から期せずして、農業・農村専門委員会の設置について動議が提出された。
グループの討議では、いかに政協の農村活動に力をいれるか、いかに農業の研究を強化するか、多くの委員が農業・農村・農民の問題について提言する上でいかにより良い条件を整えるか、が中心議題となった。そして各委員の認識が一致したのち、一部委員から同じ内容の動議が出された。政協に農業・農村専門委員会を設置することを議事に付すというものだ。動議の主な理由は以下のとおり。
(1)第16回党大会はいくらかゆとりのある社会を全面的に建設する壮大な目標を打ち出したが、これは「3つの代表」という重要な思想を具現化したものである。中国は9億人余りの農民を抱えており、かなりの農民はまだ貧困から完全には脱却しておらず、極めて少ない農民はまだ衣食の問題が解決されない。今期の政府は「三農」(農民・農業・農村の問題)を経済活動の最優先にすることで、人心を深くとらえた。現在、政協での農業関連の事務は下部組織の経済委員会が受け持っているが、「三農」は経済問題ばかりでなく、農民の物質的な生活レベルを高めるほか、農村の基層組織の整備や農業科学技術の普及、農村での教育や文化的生活など多岐にわたっており、調査や研究、視察、考慮しなければならない問題が多い。
(2)現代的かつ大規模な農業は、農業はもちろん林業や牧畜業、水産業が主体となっているが、生態や環境保護、貧困撲滅、教育などとも緊密に関係している。こうした関係をいかに協調の取れたものにするかなど、政策提言しなければならない問題が多い。
(3)すでに全国人民代表大会に農業・農村専門委員会が設置されているが、委員は、現在の農村問題の重要性と幅の広さを考慮して、政協にも同様の委員会を設けることが必要だと考えた。全人代と較べるというのでは決してなく、仕事を合理的に分担するという客観的な必要からである。全人代は農業と関連する立法の問題を考慮することを主体とし、一方、政協委員には農業専門家や農業管理の人材のほか、農村の基層部出身者が多くいるため、農業に関する具体的な問題を深く調査・研究し、対応策を講じる面である程度の強みがある。農業・農村委員会を設置することで、「三農」の解決に向けた調査や研究、政策提言をこれまで以上に円滑に行えるようになる。
委員はこのほかにも設置理由について意見を交わした。同様の動議は過去2期の政協会議でも提出されているが、「現在の状況を考えると、委員会設置の必要性はより切迫している」というのが多くの委員の認識だ。
「チャイナネット」2003年3月12日
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