雲南省の北西部にあり、「シャングリラ」観光コースの奥地にある。大理から雲南チベット道路に沿って、北へ315キロ行くと迪慶チベット族自治州の政府所在地である中甸県に着く。昆明から659キロ離れており、飛行機では50分間かかる。迪慶は、チベット語では「吉祥如意の地」の意味で、青海チベット高原の南東部の果て、横断山脈南部の北側、「三江が合流する」地域の奥に位置する。雪山、峡谷、草原、高山湖、原生林が民族風情と交じり合ったような景観で、多目的の観光景勝地になっている。域内には、雪山が延々と続き、雲南省の最高峰の喀格博峰が聳え立っている。中甸県の域内に、標高4000メートル以上の雪山が470もあり、峡谷が縦横に走り、最もよく知られているのは金沙江の虎跳峡と瀾滄江峡谷である。また、広い高山草原牧草地、果てしなく広がる原生林及び空の星のように散在する高山湖は迪慶の自然の景観にさらに色彩を添えている。
この地にはチベット、リス、漢、ナシ、イ、ぺー、回など13の民族が睦まじく暮らしている。ライフスタイル、服飾、民家及び婚礼、儀礼などの伝統的習俗などそれぞれの特徴を保っており、各民族の独特の風情を目にすることができる。
「シャングリラ」は、アメリカの小説家のジェームズ·ヒルトンが(James Hilton)1933年に書いた「ロースト·ホライゾン」という作品("Lost Horizon")のなかで描いたいつまでも平和で静かな土地である。そこは、両側に雪山が聳える峡谷、こんぺき色に輝く神秘な寺院、森林に囲まれた湖、美しい草原及び牛、羊の群れを目にすることのできる桃源郷である。ジェームズ·ヒルトンの本のなかで描かれている風景はまさに迪慶のようであり、さらに、“シャングリラ”は迪慶の中甸のことでチベット語で、意味は“心の中の太陽と月”、それはチベット族の心の中では理想郷と至高の境地であった。迪慶高原はすなわち人々が半世紀かかって探し求めてきた“シャングリラ”である。
“チベットへ行かなくてもチベット族の風情を味わうことができる”。 迪慶にはチベット高原の雪山峡谷とチベット族風情があるだけでなく、内蒙古の広大な草原の“風が吹き、草地にウシ、ヒツジが現れる”ような壮観そのものの景観もある。
雲南省の迪慶に位置するシャングリラは海抜3280メートル、海抜の低い国から来られた方々でも高山病の心配はなく、ゆったりと大自然の美しい景観と民族の風情を味わうことができる。
「チャイナネット」2003年7月3日