福建省は海洋環境の質について実地調査を行い、その結果、沿岸部海域では水質はほぼ清浄、近海や遠海部は汚染されていないなど、環境が総体的に改善されつつあることが明らかになった。
福建省海洋・漁業局によると、沿岸部の海域では水質が「クリーン」と「ややクリーン」が56%を占め、汚染の程度が「軽い」は29%、「中位」と「深刻」は15%。近海と沿海部の環境は良好だった。
海岸線が3000キロ以上続く福建省では、急成長する海洋経済や工業化による汚染物質の排出で海洋環境が悪化の一途をたどっていた。同省は環境の質的向上を図るため、数年前から汚染対策を強化。水深10メートルの浅海部で行われていた養殖事業を30メートルある深海域で実施するよう奨励するとともに、東部に位置する三部湾や福州の閩江河口、アモイの沿岸部海域など約2200平方キロにおよぶ範囲に赤潮観測地点を設置し、高密度な定時・定点監視を行ってきたことで養殖業の経済的損失は減少した。
養殖地域の水質では、栄養塩が指標を超過していたのを除き、その他の各指標はいずれも基準値を満たし、貝類の衛生状態についても沿海部のほとんどの一帯で良好であることを確認。一方、沿岸部海域では汚染がまだ完全に食い止められていないことから、マングローブやサンゴ礁、浜辺に広がる湿地や干潟の面積が減少するなど、海洋生物の多様性に影響が出ていることも判明した。
「チャイナネット」2003年7月8日