白塔山公園は蘭州市の黄河北岸に市する白塔山にあり、山頂に元代の白塔があるので、こう名づけられた。白塔山は高くて起伏しており、蘭州市の郊外から蘭州市を抱きかかえるように連なっている。この白塔はもともとチンギスハンを謁見するため蒙古に赴く途中、蘭州で病没したチベットのサガ派のラマ僧を記念して建てられた塔である。現存の白塔は明の景泰の頃（1450－1456年）に甘粛を鎮守していた内監職の劉永成が再建したものである。清の康熙54年（1715年）、巡撫（一省の民政・軍政長官）の綽奇が白塔を拡充し、慈恩寺と名づけた。白塔は７層からなり、八つの側面がある。高さ約17メートルで、塔の底部は丸い土台に支えられ、てっぺんに緑の飾り物がついている。それぞれの側面には仏像が彫刻されており、ひさしの先に鉄馬の鈴がぶらさがっている。塔の外部にはしっくいが塗られ、白玉で築いたように見える。1958年に、白塔山は公園に変わった。建築面積は延べ8000平方㍍で、建物は三つの部分に分かれ、山の地勢に沿って建てられ、そりかえった軒先、赤い柱の配置が合理的で、それぞれの建物があずまや、回廊によって連なり、四方八方に通じている。山の上にはゾウの皮の太鼓、青銅の鐘、ハナズオウがあり、昔からこれらのものは「山を守る３つの宝物」といわれてきた。ハナズオウはすでに枯れてしまった。長年間緑化に努めた結果、木々が高く伸び、樹木が生い茂っている。公園の三つの大殿には独特な「黄河奇石舘」があり、数多くの奇石が収蔵されている。山の下に中山橋があり、白塔山と繋がって一体となっており、蘭州を訪ねたら、ここは必ず訪ねるべきところである。

白塔山の東約１㌔のところに元代の王保保城の遺跡がある。話によると、明の初めに、大将の徐達、馮勝が元軍の王保保城を攻めおとせると命じられたが、なかなか城が陥落しない。たまたま元宵節の頃だったので、徐達は兵士たちに太くて長い太鼓を作らせ、民間の娯楽演芸チームを装って、城内に紛れ込めと命じた。そして、旗を信号として、内外から一斉に進攻して、とうとう王保保城を陥落させた。この勝利を記念して、この太鼓は「太平鼓」と命名され、のちに蘭州の民間娯楽演芸でよく使われることになった。王保保城と太平鼓はこれでさらに有名になった。

「チャイナネット」２００３年７月１８日