前書
中国における立法は特定の主体が一定の職権と手続きに基づき、一定の技術を運用して、制定、認可、改正する法律をめぐっての特定の社会規範活動のことを指す。中国の現行の立法システムは中央が統一的に指導し、ある程度の分権があり、各クラスの立法が共存し、さまざまな種類の立法が結合する立法権限の区分システムである。 中国の立法には全国人民代表大会と常務委員会による立法、国務院と関連部門による立法、一般地方の立法、民族自治地方の立法、経済特区の立法および特別行政区の立法などが含まれる。

地方立法の基本的原則

地方立法は疑いもなく、自らの特性をもっている。国家立法の全体としての基本原則を堅持すると同時に、堅持しなければならない自らの基本原則もある。地方立法にとって、地方立法に地方の特色を具現させるのが非常に重要である。

地方の特色を具現するには、地方立法が地元の特殊性を反映するものでなければならない。具体的には、すなわち第一、地方立法は地元の経済、政治、法制、文化、風俗、民情などの立法調整に対する需要を充分反映し、地元の実情に適合するものであること。第二、地方立法にはかなりはっきりした、具体的な目的性をもたなければならず、地元における目立った問題、しかも中央立法が解決していない、あるいは中央立法による解決になじまない問題を解決することに意をくばり、しかもそれを解決することができる。そして地方の規範的法律文書の制定と地元の実際的な問題の解決が結び付ける。

地方立法はその他の立法と同じように、法制の統一の原則を堅持しなければならない。この原則を堅持するのは、憲法や法律、行政法規と食い違わないことを前提にして、地方的法規を制定するためである。

中国の地方立法は正しい軌道に乗り、完ぺき化をめざす段階へと向っている。1986年に地方組織法に対してさらに修正・補足をおこなってからは、中国における地方立法は発展の足取りを速めている。これは主として次のことに現われている。(1)地方立法の重要な地位に対して、だんだんと、それをはっきりと理解する人が多くなっている。地方立法に対する研究もだんだん人々の注目を浴びるようになり、それに対する理性的で、かなり深い認識もすでに見られるようになった。これはすべての立法が正式的、完全的に向かううえで必要な思想・理論の目印である。(2)立法主体の構築、特に立法機構の構築が強められている。(3)立法制度、特に立法の段取りは一歩一歩と法定化へと向かっている。立法主体の議事規則、立法の段取りを専門的に規定する地方的法規あるいはその他の規範的文書が各地で相次いで制定されている。(4)全人代およびその常務委員会の授権によって、地方の授権立法もさらに発展をとげている。(5)数多くの地方的法規とその他の規範的法律文書が結び付き、より広い領域に法律的なよりどころを提供している。立法の経験の蓄積、経済体制の改革と民主・法制の整備の発展につれて、これまでより整った、よりよい地方的法規とその他の規範的法律文書が絶えず生まれてきている。

 
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