2002年の10大科学技術成果

2003年1月26日に、中国科学院と中国工学院の568人のアカデミー会員は2002年の中国の10大科学技術成果を票決した。

一、率先してイネの全遺伝情報(イネゲノム)解読を完成させ、イネの第4染色体の全塩基配列を解読した。中国科学院ゲノム情報学センターなどの機構が完成したイネ遺伝地図はうるち米全塩基配列の97%をカバーするものであり、そのうちの97%の遺伝子が高精度で解読され、国際公認の遺伝子精度基準に達している。中国科学院国家遺伝子研究センターなどの機構は国際イネゲノム塩基配列解析プロジェクト第4染色体の全塩基配列高精度地図を完成させ、人類が最終的にイネの遺伝秘密を解明することに寄与した。

二、「神舟3号」、「神舟4号」宇宙船の打ち上げに成功。3月25日、「神舟3号」宇宙船の打ち上げに成功した。これは無人宇宙船であるが、技術レベルは有人宇宙船と同じである。12月30日、「神舟4号」宇宙船の打ち上げも成功し、有人宇宙飛行応用システムが実験され、宇宙船が自主的に飛行する期間と軌道で飛行する期間にマイクロ波センサで地球観測、総合精密軌道実験、宇宙での生物分子・細胞分離純化実験、微重力流体物理実験などが行われた。

三、初めての世界クラスの天然ガス田を発見。2年余りにわたる探査により、地質的埋蔵量が6025億立方メートルに達し、ガスの品質がよく、産出量が高く、埋蔵量6億トンの大油田に相当する大型天然ガス田が内蒙古伊克昭盟で発見された。それは中国で最大の天然ガス田であるばかりか、中国初の世界クラスの天然ガス田でもある。

四、三峡ダムプロジェクトの導流開水路のせき止めに成功。11月16日、長江三峡ダムプロジェクトの導流開水路のせき止めに成功した。全長3.7キロ、幅350メートルの開水路は、第2期工事期間の通航と水の通過のためにつくられた「人工の長江」である。せき止めは世界の水力発電工事でも難度が一番大きいものであり、せき止め水力学指標は三峡のせき止めと葛州壩せき止めよりも高いものである。

五、第3世代移動通信システムの開発に成功。国の重要な科学研究プロジェクトである「中国第3世代移動通信システムの研究開発プロジェクト」が2月7日に正式に専門家グループの検定にパスした。国際電気通信連合(ITU)に世界基準として認可された新しい基準TD-SCDMAは、世界電気通信史上で初めて中国が開発したものである。

六、CPUのカギとなる製造技術を初歩的に把握。中国科学院計算研究所は高性能通用CPUチップ「竜芯」1号の開発に成功した。このチップをつけたサーバの「竜騰」が誕生し、これによって、中国情報産業にチップがないという歴史に終止符が打たれた。

七、世界で油含有量が最も高いアブラナ科の野菜の新品種を育成。浙江省農業科学院は遺伝子技術を運用して野菜の油含有量を高める技術を開発した。「超油1号」と「超油2号」という2つの新品種の油含有量は世界で最も高いものとなっている。そのうちの「超油2号」の油含有量は52.82%にも達している。

八、「神光2号」大型レーザー・デバイスの開発に成功。中国科学院、中国工学物理研究院が開発し、中国科学院上海光学機械所に据え付けられた「神光2号」大型レーザー・デバイスは、百台に上る光学設備からなり、サッカー場ぐらいの広さの空き地に据え付けられ、レーザー8束が小さい燃料球体に集中されると、10億分の1秒の瞬間内に世界電力ネットワークの電力総和の数倍に当たる強大のパワーを射出し、核融合反応を誘発することができる。これは中国の高能率レーザー研究とレーザー核融合研究が世界の前列に立ったことを示している。

九、人類の細胞老化の原因を解明した。北京大学医学部研究グループは数年にわたる研究により、人類の細胞老化の主導遺伝子P16が人類の細胞老化の遺伝コントロールプロセスの中の主要な一環であることを初歩的に明らかにした。これは中国の学者が人類細胞の老化の原因についての創造的貢献であり、科学界がさらに人類細胞の老化問題を解明するための新たなルートを切り開いた。

十、1兆次スーパーコンピューターを開発。聯想グループが開発したスーパーコンピューターの計算速度が1兆270億次に達している。世界のスーパーコンピューター500台の中で24位にランクされ、その他のコンピューターはいずれも米国製と日本製である。

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