1949年の中華人民共和国の建国以後、大衆スポーツが政府によって重視されるようになり、幅広く展開されてきた。発展が最も速い時期はここ10年間であった。1995年6月に、国務院は『全人民健康計画要綱』を公布し、同年8月に、全国人民代表大会常務委員会は『中華人民共和国スポーツ法』を採択した。そのあと、関連部門は次々と一連の法規と規則を公布し、大衆スポーツ及び全人民の健康活動のよりどころとなる法律があるという法制化の道を歩むことになった。
国民の体位と健康レベルを全面的に向上させるための「全人民健康計画」は青少年と児童を重点とし、国民全体が毎日1回以上のスポーツ保健活動に参加し、2つ以上の保健方法を身につけ、毎年1回の体位測定を行うことを提唱している。国民全体の保健活動を推進するため、国家体育総局は多くの措置を講じて、より多くの人々が体を鍛えることを自覚をもった行動、日常の習慣とすることを目指している。
年1回の「全人民健康広報週間」を含む一連の効果的な措置によって、「全人民健康計画」は急速に展開され、大衆のスポーツ保健の意識もだんだん強化され、スポーツ活動の普及の度合いには著しい向上が見られることになった。国家体育総局が2002年末に公布した「中国の大衆スポーツの現状に対する調査」が示しているように、2000年の中国のスポーツ保健に参加する人口は統計可能な7~70歳の人口総数の33.9%を占め、1996年より2.5ポイント上昇し、スポーツ保健に参加する人の中では高齢者の比率がいくらか下がり、中青年の比率がやや上昇し、都市部・農村部の住民の家庭を単位とする年間を通じてのスポーツ保健に用いられる費用は平均397元となった。
15年間にわたるこの計画のおかげで、大衆スポーツ保健の環境と条件は逐次改善されている。都市部の地域社会、公園広場、芝生、道のそば、住民区ではいたるところに大衆にとって便利な保健施設がつくられ、様々なスポーツ保健器具と設備が据え付けられた。現在、全国にはスタジアムと体育館が約61万6000ヵ所もあり、ほとんどの公共スタジアムと体育館は一般にオープンされている。ここ数年来、国家体育総局はスポーツくじによる公益金の中央の金額の60%に当る総額約7億5000万元を国民全体の保健活動に用いると同時に、合わせて1億4600万元のスポーツくじの公益金を経済が発達していない西部地区と長江三峡地区の公共スポーツ施設等の建設に投じたため、36の県、市がそのメリットを享受するようになった。
1994年に、国のスポーツ主管部門が「社会スポーツ指導員等級制度」を実行していらい、2001年までのところ、全国の省クラス以下の各クラスの様々なスポーツ社会団体は53万ヵ所、団体のメンバーが21万3000、個人のメンバーは866万5000、全国の都市部・農村部のスポーツステーションが13万7000ヵ所、つねにスポーツ活動に参加しているものは1180余万人、各クラスの社会スポーツ指導員は20余万人に達し、国民体位監督・測定システムが確立され、逐次充実し、国民体位測定と科学的指導が強化され、大衆スポーツの科学的レベルは目に見えて向上した。
国民全体のスポーツ活動がめざましく展開されるにつれ、人びとの生活意識にも極めて大きな変化が生じた。一部の大中都市では「健康のためにお金を使う」ということが生活の質を高めるための新しい時代の風潮、理念となっている。一部の新興スポーツ、例えば、フリーロッククライミング、草競馬、バンジージャンプ、ボーリング、スケート・ボード、女性ボクシング、テコンドー、ゴルフなどは特に都市部の若者たちの間で人気がある。
全人民健康計画の目標は、2005年までに、全国のつねにスポーツ運動に参加する人びとの数が総人口の37%以上に達する、直轄市及び経済が発達している省都都市の100%の地域社会、そのほかの都市の80%の地域社会、農村部の25%の郷鎮には公益的スポーツ保健施設を建設する、西部地区と経済が発達していない地区の80%の地域社会、そのほかの都市の60%の住民区、農村の15%の郷鎮に公益的スポーツ施設を建設する、全国の社会スポーツ指導員の人数は35万人に達する、全国の70%以上の市・区の住民区、70%以上の県及び50%以上の郷鎮にはスポーツ指導センターあるいはスポーツ指導ステーションを設ける、スポーツくじによる公益助成金で建設された青少年スポーツクラブが約3000ヵ所に達するようにするなどである。2010年には、全国のつねにスポーツ活動に参加する人の数が総人口の40%前後に達し、国民の体位がかなり大きく増強され、広範な大衆スポーツ施設がかなり大きく増えることになる。