これまでの長い期間に教育資源が少なく、就職競争も激しいなどの原因によって、「教師は試験のために教え、学生は試験のために勉強する」傾向が強まっていた。1990年代なかば頃から、資質教育の考え方が確立されるようになった。21世紀に入ってからは、教育部門は一連の措置をとって、学生の創意と実践能力の養成を重視し、学生が自発的に参与し、積極的に探求し、よく手を動かすことを提唱することを旨とする資質教育を全面的に推進し始めた。また、時代の要請に合致した教学と教育の方法の研究も行われており、新たなカリキュラムシステムの設置、教材の改革が始まった。そのほか、資質教育の評価システムも確立されることになる。
教育部の制定した義務教育段階の18科目の新たな基準がすでに試行され始め、新たな高校課程の研究と実験も全面的に始まった。2001年秋には、新しい教科書が26省・自治区・直轄市の実験区内で使用されるようになり、重複したもの、旧いもの、むずかしすぎる内容が削減され、科学技術の最新知識が書き入れられ、現実や生活からかけ離れた状況が変わった。また、小学校の段階で外国語、情報技術の課程が開設され、農村で「グリーン証明書」教育が普及した。2005年までに全国の各段階の一年生はいずれも新しい教科書を使えるようになるという。また、学生の心身の健康と全面的な成長のために、小中学校の試験評価制度と大学入学試験評価制度の改革が進んでいる。改革には、ネット上での試験問題採点と学生採用、受験生の能力・資質の検定、大学入試の年2回制などが含まれている。