三峡建設委員会の専門家が、黄河やその支流・渭河の生態環境を保護し、生産・生活用水を確保するため策定した長江から黄河への引水計画案が、関係機関の強い関心を集めている。
計画案は三峡ダムの電気エネルギーを活用し、増水期に長江の水を隧道や暗渠を通じて大巴山、秦嶺山脈から澧河沿いに咸陽を経由して渭河、黄河に誘導するというもの。全国政治協商会議の前副主席で、中国工程院会員である銭正英氏を団長とするグループが先ごろ、重慶や西安などで実地調査を行った。
黄河水利委員会の李国英主任は「黄河流域は水資源が不足している。この数年は経済建設が急速に進み、流域一帯で工業・農業用水が急増しているため、水不足が非常に逼迫した問題となってきた。このため、黄河引水に関する様々な計画案は検討する価値がある。関係部門は黄河と淮河の下流での生態維持に必要な水量計算を重視するとともに、実態調査やシミュレーションを通して引水の実際効果に関する研究を進めており、この計画案の論証作業は2005年末に終える予定だ」と話している。
「チャイナネット」2003/11/25