主な都市


2001年末現在、中国の都市総数は667である。そのうち、市内人口が200万以上のものは13、100万ないし200万のものは24、50万ないし100万のものは49、20万ないし50万のものは216、20万以下のものは365である。中国の都市の中には、国の重点プロジェクトの建設にともなって現れた工業都市もあるし、対外開放の条件がよく整った港湾都市もあり、歴史文化都市もある。

13の人口200万人以上の大都市(単位:万人)


都市づくりの中で、中国は「厳格に大都市の規模を制限し、合理的に中程度の都市を発展させ、積極的に小都市を発展させる」方針を実行している。人口50万人以下の中程度の都市と20万人以下の小都市は20世紀80年代以後、急速な発展を見せ、100万人以上の大都市に対しては、その周りに計画的に衛星都市を発展させることを重点にしている。


北京市
中央の直轄市、中華人民共和国の首都であり、都市部人口は761万人である。全国の政治の中心であり、文化・科学・教育の中心、交通の中枢でもある。北京は華北平原の北部のはずれにあり、西部、北部、東部は延々と連なる山々で、南東部は平原である。北京は温帯大陸性気候に属しており、四季の違いがはっきりしており、春は短く、夏は雨が多く、空気が湿り、冬は長くて寒いが、秋は最もよい季節である。

早くも西周の時代に、ここに町が現れ、「薊」と呼ばれた。戦国時代には、燕の国の都になった。その後の千余年間に、薊城はずっと中国北部における軍事の要衝と通商の中心地であった。紀元10世紀の初めには、遼の第2の首都となり、燕京と称された。紀元1115年から1911年にかけては、金、元、明、清の封建王朝が北京に都を定めたため、中国の文化がここで積み重ねられ、多くの「世界でトップ」といわれる歴史的遺産が残っている。例えば、北京のシンボルであり、中国のシンボルでもある天安門城門、世界最大の都市広場である天安門広場、世界最大で最も完璧な古代建築物群からなる故宮(以前は紫禁城と言われていた)、世界七大奇跡の一つと見なされる八達嶺長城、などがそれである。そのうち、故宮、万里の長城、周口店北京原人遺跡、頤和園、天壇はユネスコによって世界文化遺産と指定されている。

1949年、北京は中華人民共和国の首都と定められた後、特に20世紀80年代以来、北京の都市建設はハイスピードで進められ、その姿は大きく変っている。今日の北京は、道路が碁盤の目のように交差し、高層ビルがあちこちに現れ、古都の姿を保つと同時に、近代的な様相も示し、名実ともに国際大都市となっている。

上海市 中央の直轄市、全国最大の都市で、都市部人口は986万である。上海は中国大陸の北から南への海岸線の真中あたりに位置し、長江が海に注ぎ込む河口付近にあり、地理的優位性をもっている。中国の重要な総合的工業基地、港湾都市としての上海は全国経済の発展の中で決定的な役割を果たしている。主要な工業部門としては冶金、機械製造、造船、化学工業、エレクトロニクス、計測器、軽工業、紡績などの業種があり、商業、金融業、遠洋運輸業も発達している。現在、上海の旧市街区と黄浦江を隔てて向かい合う浦東新区の開発が急ピッチで進められ、浦東新区の開発と開放のトータルな目標は、数十年間の努力によって、世界で一流の水準を備えた輸出志向型の、多機能をもつ、現代化された新区を築き上げ、上海を国際的な経済、金融、貿易のセンターと現代化された国際都市に築き上げるための基礎を打ち固めることである。

天津市 中央の直轄市、中国の北部における主要な商工業都市で、都市部人口は533万である。天津は北京から120キロ離れたところにあり、中国の遠洋輸送、近海輸送と対外貿易の重要な港である。在来の工業としては鉄鋼業、機械製造、化学工業、電力、紡績、建築材料、製紙、食品などの業種があり、新興工業としては、造船、自動車、石油精製、トラクター、化学肥料、農薬、腕時計、テレビ、カメラなどの業種がある。

重慶市 中央の直轄市、中国南西地区最大の商工業の中心、長江上流の水陸交通の中枢であり、都市部人口は661万である。重慶は総合的な工業都市であり、鉄鋼、化学、電力、自動車、機械、造船、建築材料、紡績、食品、医薬などの業種が非常に発達している。


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