農業の発展


中国は人口が多いのに耕地が少ない国であり、耕地が世界の7%しか占めないのに、世界の5分の1を占める人口がある。かつて「誰が中国を養うか」という疑問が出されたのに対し、中国の指導者と農業専門家は「中国人自らで食べさせる」と答えた。

農業の高速度の発展は1978年の農村における改革から始まった。20数年来、農村における改革は集団所有制を堅持する下で、市場をめぐって、在来の体制の束縛を大胆に打ち破り、市場経済における集団経済の新しい実現形態を模索した。改革は農民に実際の利益をもたらし、農村の生産力を解放し発展させ、農業特に食糧生産の急速な伸びと農業構造の改善を促し、中国の農業には著しい成果が見られるようになっている。
主要農産物の生産量増加略表

品 種 単 位 1949年 1978年 2000年 2001年
食 糧 万トン 11318 30477 46218 45262
綿 花 万トン 44.4 216.7 441.8 532.0
搾油原料 万トン 256.4 521.8 2954.8 2872.0
サトウキビ 万トン 264.2 2111.6 6628 7700.0
ビート 万トン 19.1 270.2 807 1090.0
葉たばこ 万トン 4.3 105.2 223.8 204.0
万トン 4.1 26.8 68.3 69.0
果物 万トン 120.0 657.0 6225.1 6536.0
ブタ・ウシ・ヒツジの肉 万トン 220.0 856.3 6124.6 6340.0
水産物 万トン 45 465.4 4278.5 4375.0

20世紀の90年代に入って、中国の農業と農村経済の発展はかつてない多くの困難と挑戦にぶつかったにもかかわらず、依然として大きな発展を遂げた。1996年から2000年にかけて、国内総生産における農業の生産額は合計7兆1291億8000万元で、不変価格で計算して、年平均伸び率は3.5%となり、穏やかな伸びを保っている。食糧など主要な農産物は連年続けてよい収穫をおさめた。食糧生産量は、1995年は4億6662万トン、1998年は5億1230万トンの史上最高レベルに達し、2000年は、ひどい干害に見舞われ、そして農産物の価格の低迷する情況が続く中で、依然として4億6218万トンに達した。現在、中国の食糧、綿花、菜たね、葉タバコ、肉類、タマゴ、水産物、野菜の生産高はいずれも世界のトップにランクされている。

生産の発展にともなって、農産物の1人当たり保有量が著しく向上している。2000年における食糧の1人当たり保有量は366キログラム、肉、タマゴと水産物の1人当たり保有量はそれぞれ17.8キログラム、33.9キログラムと48.5キログラムになり、世界の平均水準を超えた。現在、中国の主要農産物の供給は長期的欠乏の状況であったものから総量のバランス、豊作の年には余剰があるという新しい段階へとシフトしている。

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