国の計画


20世紀80年代に入っていらい、政府は21世紀における国の総合的な科学・技術力を高めるため、科学・技術を発展させる一連の総体的計画を打ち出した。

863計画 1986年3月、数百人の中国の科学者の全面的かつ厳格な科学的論証を経て、その後中国の人々の現代科学観の骨格を形作ることになった「ハイテク研究発展計画」(863計画と略称)が打ち出された。この計画は生物、宇宙、情報、レーザー、自動化、エネルギー、新材料など七つの科学の分野を中国のハイテク研究の
重点とし、1996年には海洋技術分野も組み入れられた。これまで、政府は863計画に約110億元を投入した。

863計画の管理体制によって専門家たちを政府の政策決定の執行者から政策決定過程の参与者に転じさせたが、政府部門をマクロ規制と科学研究へのサービスへと転じさせた。計画の運営過程で、科学研究のトータルな方向は科学者たちが話し合った上で決め、具体的なプロジェクトも専門家委員会の共同討議によって決定される。専門家の職責は、世界の科学研究の動きに追いつき、毎年自分たちの分野の調査研究レポートを提出し、新たな研究方向を決めることである。この計画のいま一つの鮮明な特徴は産業化の急速な実現を目指すものである。15年来、この計画は国内外で2000余件の特許登録をおこない、合計560余億元の生産額を作り出し、2000余億元の間接的経済収益をあげることになった。また、この計画はハイテク産業の成長スポットを育て上げ、中国のハイテク及びその産業の発展を最大限導くだけでなく、在来産業の発展にもハイテクによるサポートを提供している。

2001年から2006年にかけて、863計画は経費総額の55%を重要なプロジェクトに集中して投入することになっている。超大規模集積回路、電気自動車、ソフトウェア、高速リニア・モーターカー、機能ゲノムとバイオチップ、創薬と産業化開発など第一陣としての十大プロジェクトが2001年末に実施され始めた。

火花計画 火花計画は1986年に実施し始めたいま一つの全国的科学技術計画である。科学・技術によって農村経済を振興し、農村で科学技術を普及させ、農民を導いて豊かになることがその趣旨である。15年来、科学技術の火花はすでに農村の至るところで燃え広がっており、全国の農村で合計10万4000の科学技術モデルプロジェクトが実施され、85%以上の県(市)をカバーしている。1996年から2000年までの5年間だけで、火花計画は合計2810余億元の利潤をつくり出し、経済と社会において著しい効果が見られた。火花計画の実施によって、数多くの先進技術が普及し、農業技術が進歩し、農村経済が活性化した。145の国家クラス火花技術集約区と227の国家クラス火花区域的支柱産業建設の認可によって、郷鎮企業の技術進歩と急速な発展が促された。農業科学技術知識の普及によって、6000余万の農民の知識レベルと労働技能が大いに向上した。

タイマツ計画 1988年に国は全国でハイテク産業化発展計画――タイマツ計画の実施を始めることを公布した。この計画は863計画と違い、「インキュベーター」といわれる機構(創業サービスセンターともいう)の多数設立によってハイテクの成果の転化を速めることを重点とするものである。それが実施されて以来、53の国家クラスハイテク技開発区に100近くの創業サービスセンターが設立された。

登攀計画 1992年から実施し始めたこの計画の目的は、基礎研究への国のサポートを強化し、基礎研究の持続的に安定した発展を促すことにある。9年来、登攀計画は顕著な成果をあげた。そのうち、「大規模科学と工学の計算方法と理論」というプロジェクトは世界で著名な学者に高く評価され、世界の関連のある研究を促すことになっている。「早期人類の起源および環境背景の研究」は青海・チベット高原以東地区で200〜400万年前の古代人類の化石と古代人類とかかわりのある遺跡を探しあて、「人類は東アジア地区に起源とする可能性もある」という人類学分野におけるこの数年の憶測の裏付けを見つけることを目的とする。この研究はすでに世界の同じ分野の学者の間で評価され、大きな進展を見せている。



 

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