新疆ウイグル紀行
  新疆ウイグル自治区。東西4大文明が合流する地、メルヘンの古里でもある。新疆は歌舞の里、瓜・果物の里、宝石の里、絨毯の里とも呼ばれ、内外から観光の地として渇望されている秘境でもある。ユーラシア大陸の中心に位置する新疆には東西文化の粋が集約されており、文化財や古跡が各所に点在している。ウイグル族、カザフ族、ウズベク族、シボ族、蒙古族など多様な民族の文化や習俗も有名。オアシスにゴビ、草原、雪峰、湖沼、氷河、河川など秀麗な姿を見せる自然はまさに新疆独特のものだ。

  新疆ウイグル自治区は西北部の辺境地区、ユーラシア大陸の中心部に位置している。面積は 166 万平方キロメートルで、国土総面積の6分の1。国内で面積最大の省クラスの行政区で、ロシアやカザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、パキスタン、モンゴル、インド、アフガニスタンなど8カ国と隣接し、国境線は 5600 キロメートルにおよぶ。面積は全国最大、国境線は全国最長、隣接する国の数で全国最多を誇る自治区だ。新疆は歴史上、東西の交流を促した著名な「シルクロード」の要衝の地としての役割を果たしてきたが、現在は「ユーラシア横断鉄道」の経由地でもある。

  新疆は現在、 14 の地区・州・市と 85 の県(市)を管轄している。 2003 年の人口変動状況調査によると、同年末時点の全区の総人口は 1933 万 9500 人。世界でも長寿の地区で、第3次国勢調査では百歳のお年寄りは全国で 3765 人にのぼったが、うち新疆が 865 人を占めた。

  山脈の間に盆地が並び、盆地が高山に囲まれ、2盆地が3山に挟まれているのが地形的な特徴。北は阿 爾泰( アルタイ)山、南は昆侖(コンルン)山、中部に横たわる天山が新疆を南北に分割しており、南部にはタリム盆地、北部にはジュンガル盆地が広がっている。習慣的に天山以南を南疆、天山以北を北疆と呼ぶ。タリム盆地は国内最大の盆地で、天山とコンルン山の中間に位置し、タリム盆地の中部にあるタクラマカン砂漠は国内最大、世界第2の流動砂漠。タリム河は総延長約 2100 キロの国内最長の内陸河川。東部にはトルファン盆地があり、最低点が- 154 メートルと、国内で海抜最低のところだ。

  新疆は典型的な温帯大陸性干ばつ気候に属し、日照時間が長く、昼夜の温度差が大きい。霜降期はなく、年間太陽エネルギー輻射量はチベットに次いで国内第2位を誇り、農作物の生長に非常に有利な地。地表水の年間径流量は約 884 億立方メートル、地下水汲み上げ可能量は 252 億立方メートル、氷河面積は2万 4000 平方キロ、貯水量は約2兆 5800 億立方メートル。日照時間は平均 2600 - 3400 時間。 2003 年末現在、農林牧畜業に利用可能な土地は 6800 万ヘクタール余りで、総面積の約 41.19 %を占める。開墾可能な土地は 933 万ヘクタール、耕地は 407 万 8700 ヘクタール。利用可能な天然草原は 4800 万ヘクタール、人工草原は 66 万 6700 ヘクタールに達し、国内5大牧畜地の1つである。林業用地は 483 万 9300 ヘクタール(林地は約 153 万 3300 ヘクタール)、林木蓄積量は2億 5000 万立方メートル。大気の質は1・2級の日数が 63.4 %を占め、以前より 5.3 ポイント上昇した。3級は 17.8 %で、同 3.9 ポイント下降。4・5級は 18.8 %で同 1.4 ポイント下降した。

  現在、各種自然保護区は 26 カ所を数える。うち国家クラスの自然保護区は阿尓金(アルキン)山自然保護区、巴音布魯克(バインブルク)白鳥自然保護区、喀納斯(カナス)自然保護区、西天山自然保護区、甘家(ガンジャ)湖梭梭(灌木の1種)林自然保護区、託木爾(トゥオムア)峰自然保護区、羅布泊(ロブボ)野生ラクダ自然保護区の7カ所を数え、保護区総面積は 20 万 4200 平方キロ。国家クラスの生態モデル区は8カ所、生態モデル試験建設区と事業体は8件。煙・塵埃制御区は 58 カ所に達しており、面積は以前より 0.2 %増えて 351.9 平方キロ。環境騒音指標達成区は 39 カ所、面積は同 5.0 %増えて 315.2 平方キロに達した。

  鉱物資源の種類は多岐にわたり、埋蔵量は豊富で、開発の将来性は大きい。確認された資源は 138 種にのぼり、5種類で全国トップ、 24 種類で全国ベスト5、 41 種類が全国ベスト 10 、 23 種類で西北地区のトップ。石油や天然ガス、石炭、金、クロム、銅、ニッケル、希有金属、非金属などの埋蔵量は豊富である。石油埋蔵量は 208 億 6000 万トンで、全国の陸上資源量の 30 %、天然ガスは 10 兆3 000 億立方メートルで、同 34 %を占める。石油・天然ガスの潜在開発量は巨大で、長期的に見てかなりの量を誇る。石炭の予測埋蔵量は2兆 1900 億トンで、全国の 40 %。金や宝石類、玉石などの種類も豊富で、内外にその名を馳せている。

  観光資源も豊かで独特である。『中国観光資源調査規範』の資源分類によれば、 68 種類の基本タイプのうち新疆は 56 種類を有して全国のトップにある。その自然景観は非常に希少だ。氷河と砂漠が共存し、ゴビとオアシスが隣接し、自然の風貌は荒々しく、独特の景観を呈している。景勝地としては天池、カナス湖、博斯騰(ボストゥン)湖、賽里木(サイリム)湖、バインブルク草原などが有名。名所旧跡も多い。「シルクロード」は世界にその名を知られ、古城池や古墓、千仏洞、古屯田遺跡などが南北、中部の幹線道路上に大量に残っている。なかでも交河故城や高昌故城、楼蘭遺跡、克孜爾千仏洞、香妃墓などが内外に有名だ。新疆ウイグル自治区は多民族居住区であり、各民族の文化や芸術、習俗が民族色濃厚な景観を形成している。これが内外の観光客にとって最大の魅力だ。

「チャイナネット」2004年8月

 

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