アベノミクス、恩恵は地方に波及せず

アベノミクスにより、分譲住宅市場が過去2−3年に渡り「小春日和」を迎えた。家賃が持ち直し、空室率も着実に低下している。しかし業界関係者は、この状況は東京などの大都市のみに限られており、中小都市には恩恵が波及していないと指摘した。香港紙『文匯報』が伝えた。

業界関係者によると、上述した状況は東京などの大都市のみに限られており、その他の中小都市には恩恵が波及していない。大阪・名古屋の2大都市でもこのほど、原動力が失われ始めている。専門家は、東京が分譲住宅市場で一人勝ちすることを懸念している。

2014年7月までの12ヶ月で、東京の商用用地価格は1.9%上昇し、大阪と名古屋も1.5%ずつ上昇し、2年連続の上昇となった。しかし3大都市を除く全国の商用用地価格は2.2%低下し、23年連続で低下した。この格差は、東京の一人勝ちに向かい拡大している。

プライベート・エクイティ会社のPAGの不動産投資部門は、「大型の海外投資家は東京に集中している。現地のオフィスビルの賃料が高騰していることが原因で、東京とその他の都市の格差を広げる」と分析した。

大阪を例とすると、都心の梅田に位置する大阪中央郵政局は2012年の取り壊し後、40階建てのオフィスビルに改築される予定だった。しかし日本郵政はその後、経済環境を理由に着工を先送りにした。付近の2013年にオープンしたショッピングモールは、現在も約3割が空き店舗となっている。

オフィスビルのテナント仲介大手の三鬼商事が発表したデータによると、大阪では同年11月、オフィスビルの空室率が8%に達した。年間では1.85%低下したが、依然として不健全な水準だ。あるデベロッパーは、大阪と名古屋では新たな借り手が不足しており、需要が十分ではない。仮に今後新たなオフィスビルが竣工すれば、空室率が上昇することになる。

 

2015年1月6日

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