「中国製造2025」は、中国版「インダストリー4.0」計画が30年の間に10年ずつの3段階を経て目指す中国製造強国建設の成長戦略のうち、最初の10年に関する行動綱領だ。
上海市にある四つ葉のクローバー形をした国家会展センターで3日、多くの人が集まるなか、大小さまざまなロボットがそれぞれのリズムで、訪問客に自身の技能を示していた。1年に1度の中国国際工業博覧会が上海市で開かれ、工業ロボットが大きな見どころとなるなか、今回はロボット展示ブースの面積が3万平方メートルに拡大した。
取材を行った記者によると、出展企業のなかでも特に外資企業が、中国の「インダストリー4.0」や「中国製造2025」などの計画による中国国内市場の巨大な成長力に期待を示した。「私は米国、欧州、イタリア、タイなど多くの地域で生活を送りながら仕事をしてきましたが、中国が最も魅力的です。中国はすでに世界最大のロボット市場となった上に、巨大な潜在能力があると思います」とComau社のチーフ・オペレーティング・オフィサー(COO)を務めるマティアス・ウィクルンド氏は、中国の『国際金融報』の記者に答えている。
Comau社は今年、中国国際工業博覧会に初めて出展したが、米国のRethink Robotics社は今回の出展が中国市場で初の顔見世となった。
Rethink Robotics社は3日、中国のオートメーション設備サプライヤーの上海電気自動化設計研究所有限公司(SEARI)と代理販売契約を締結したと発表。Rethink Robotics社のチーフ・オブ・レベニュー(COR)を務めるジェンソン・バトン氏は、記者に対し、グローバルに事業開拓を進めるなか、中国市場がその土台として、向こう1年以内に自社にとって最大の市場になるとの見通しを示した。
中国のロボット市場はまだ生まれたばかりだが、すでに世界最大となった上、引き続き需要が急速に拡大している。高工産研ロボット研究所のまとめによると、ABBグループ、ファナック、安川電機、KUKA社による2015年の中国市場での出荷量は、増加率が25%前後を保つ。
今後の見通しについてジェンソン・バトン氏は、「中国製造2025」の壮大な計画が実行され、中国が製造業の質向上と工業の成長に全力で取り組むと予想。ハイテクのオートメーション化が徐々に進み、ロボット応用で新たな工業オートメーションの段階に入る企業が増えていくとの見方を示した。
2015年11月9日