中国ネット通販最大手のアリババは、11月11日(中国の「独身の日」、中国のネット通販の激安セールが展開される日)に取引額の目標を設定しなかったが、11日の24時に再び奇跡を創造した。11月11日の取引額は912億1700万元(約1兆7000億円)に達し、前年同日比で6割弱の伸び率を示した。アリババが2009年の11月11日に初めてセールを実施した際の売上は5200万元。アリババの張勇CEOは、「これは単なる一つの数字ではなく、11月11日が人々の間で深く浸透していることを示し、消費者の力、インターネットの力を反映している。当社は今年の11月11日セール関連で、ギネス世界記録申請を試みる。まずナッツ、自動車など8項目について申請を行う」と話した。
アリババが11月11日にセールを実施するのは今年で7年目。2009年の取引額は5200万元、2010年は9億3600万元、2011年は52億元、2012年は191億元、2013年は362億元、2014年は571億元。
多くの店舗は11月11日前の数ヶ月に渡り、セールに備えていた。林氏木業は、アリババのB2C「天猫(Tmall)」の11月11日激安セールの家具類で、3年連続首位をキープしている。同社は今年、5億1100万元の取引額を達成した。
同社の責任者である馬燦興氏は、今年強調したO2O戦略について、「天猫のネットショップのマーケティングは、オフラインの実店舗の業績をもけん引した。当社の実店舗も、11月11日に向け準備を整えていた。当社の11月11日の1店舗当たり売上は1500万元を超えた」と話した。
アパレル類で首位をキープしている、中国衣料品ネット通販大手「CAMEL」の責任者である万金剛氏は、「売り手としてはアリババの天猫という場に非常に感謝している。当社の取引額は最終的に4億1200万元に達した。しかし売上の他に知名度を高める必要があり、利益を犠牲にすることはできない。これは健全で持続可能な11月11日のセールだ」と述べた。
アリババは今年の11月11日、グローバル化を重大戦略の一つにした。時差の関係により、同社の海外向け通販サイト「全球速売通」(アリエクスプレス)などのデータの統計が終わっていない。北京市で2015年の11月11日の盛況を見守ったスペイン紙の中国駐在記者は、912億元という取引額に驚かされた。同氏は、「スペインにはこのような記念日がない。スペイン人は以前、米国のブラック・フライデーを祝っていたが、今や中国の11月11日も多くの人に知られるようになった。中国で、自分の目でこの数字を目にしても、不思議な感じがする」と話した。
アリババの張CEOは、今年の11月11日のナッツ、牛乳、蜂蜜、自動車、腕時計、携帯電話など8種の製品の販売高について、ギネス世界記録に申請すると述べた。
張CEOは、「11月11日を中国人消費者の祝日から、世界の消費者の祝日にしていくことが当社の夢だ」と語った。
2015年11月12日