IMFのラガルド専務理事は理事会終了後の記者会見で、「人民元の『SDR採用』は中国経済が世界の金融システムに仲間入りする重要な節目になる」とし、「中国は数年にわたって通貨・金融制度の改革に取組み、進展が見られた」と評価した。また、「これらの取り組みを持続し深化させることで国際通貨と金融システムはより強靭なものとなり、中国経済と世界経済の成長と安定にも寄与する」としている。
SDRはIMFが1969年に創設した国際準備資産で、加盟国の準備資産の補完的役割を果たす。
IMFは2010年に、人民元「SDR採用」の実行可能性について評価を実施。それ以来、中国は人民元の国際化加速に向け一連の措置を採ってきた。今年に入ってからは、「人民元の市場化」加速に向け、◇外貨準備の通貨構成の開示、◇海外の中央銀行などへの銀行間債券市場と外国為替市場の開放、◇人民元基準値決定メカニズムの改善◇IMFの「特別データ公表基準(SDDS)」採用など、一連の措置を実施。これらの措置は人民元の「SDR採用」に向けた技術的障害を取り除いただけでなく、国際社会に向けた中国の金融改革、資本市場開放へのポジティブなシグナルともなり、その取り組みは国際機関と投資家から高く評価された。
2015年12月1日