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japanese.china.org.cn | 01. 02. 2016

「一帯一路」、夢が現実になる時⑤「中欧陸海快線」の南のゲート・ピレウス港

タグ: 一帯一路 ギリシャ ピレウス港

今年1月20日、ギリシャの国有資産の私有化(民営化)推進を担う私有化基金は、中国中遠集団のピレウス港への入札を同日受け入れたことを明らかにした。中遠はこれで、ピレウス港務局私有化プロジェクトの投資者の「第一候補」となった。すべてが順調に行けば、ピレウス港の一部の港の運営を引き継いでから5年で、中遠集団は、投資と運営の規模をさらに拡大するチャンスを得ることとなる。ピレウス港は「中欧陸海快線」の南のゲートとなり得る。

中遠集団が運営を引き継ぐ前、ギリシャと欧州の債務危機の打撃を受け、ピレウス港は一時は荒廃した。コンテナ置き場は混乱を極め、港内は船舶でぎゅうぎゅう詰めとなり、港区に出入りする渋滞はトラックが5kmの列を作るほどだった。ほとんどの船主がこの港を捨てて行った。

中遠は港の運営を引き継いだ後、すぐに行動によって現地の注目に応えた。中遠ピレウス港公司は2010年6月に正式に二号・三号埠頭の運営権を受け継いだが、同年の取扱量は68.5万TEUだった。この数は2015年までに約300万TEUに拡大した。昔ながらの海運大国ギリシャの支柱産業は新たな活力を見せた。債務危機が最高潮に達した頃、ギリシャでは失業率が急増していた。だが中遠が受け継いた2年余りで、ピレウスは現地の人々に1000口以上の雇用を生み出した。ギリシャでは近年、あちこちでストライキの波が高まっているが、中遠埠頭の労働者は一日もストライキしていない。

ギリシャ国際海運連盟の前代表(中国語音訳:阿爾万尼蒂斯)は、中国の投資はピレウス港の運輸量を増加させ、ギリシャの海運業とギリシャ経済に大きな助けとなっていると語る。「ギリシャは東地中海地区で特殊な地理的位置にある。我々は、中国の打ち出した『一帯一路』の呼びかけを非常に歓迎している。このビジョンが未来のピレウス港とギリシャ経済全体の価値をさらに高めるものとなることを信じている」

「一帯一路」は今、中国と欧州の地理経済を新たに形成し、中国と欧州の協力モデルを革新しようとしている。EUの3150億ユーロ規模に達する「ユンカー計画」と「一帯一路」は、中国と欧州の発展戦略の連結を模索している。中国と中・東欧国家の「16+1協力」と「一帯一路」の実践も連結しようとしている。中国とロシアは、「シルクロード経済ベルト」とユーラシア経済連盟の建設を連結することを決定した。英国は、インフラのアップグレード改造計画とイングランド北部経済センターと「一帯一路」の連結をはかっている。ドイツは「工業4.0」と「中国製造(メイド・イン・チャイナ)2025」を連結する仕組みを準備している。「渝新欧」(重慶・新疆・欧州)や「漢新欧」(武漢・新疆・欧州)、「鄭新欧」(鄭州・新疆・欧州)、「義新欧」(義烏・新疆・欧州)、「哈欧」(ハルビン・欧州)など中国と欧州とをつなぐ国際列車はユーラシア大陸を行ったり来たりしている。

清華大学国情研究院の胡鞍鋼院長は、経済学の視点から見ると、「一帯一路」は巨大規模の「経済地理革命」と言えると指摘する。また国際関係の視点から見ると、「一帯一路」は、「ウィン・ウィン主義の時代」を切り開き、ともに利益を得ることを重んじる非ゼロサムゲームの新モデルを切り開いたと言える。

今年1月16日、アジアインフラ投資銀行の開業式が北京で行われた。創立メンバーとなった57カ国の代表が見守る中、習近平主席がアジアインフラ投資銀行のシンボル像「点石成金」の除幕を行った。このシンボルは、大小異なる国々がウィンウィンを求めて協力し、夢を実現するという合意を体現したものだった。

「あなたの夢は我々の夢でもある」。ギリシャのサマラス前首相はかつて中国の客人にこう言ったという。「一帯一路」の沿線パートナーの心の声を表したものと言えるかもしれない。

 

 2016年2月1日

 

 

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