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japanese.china.org.cn | 08. 03. 2017

2017年度政府活動報告

タグ: 両会 政府活動報告 

代表のみなさん

ここにわたくしは国務院を代表して、大会に政府活動報告を行い、審議を求めるとともに、全国政治協商会議の委員のみなさんからも意見を求めたいと思う。

Ⅰ. 2016年の活動の回顧

昨年、わが国の発展は、国内外において多くの矛盾が重なり合いリスク要因が交じり合う厳しい試練に直面した。こうしたなか、習近平同志を核心とする党中央の力強い指導の下、全国各民族人民は困難に立ち向かって練磨前進し、経済・社会の持続的で健全な発展を推し進めた。中国共産党第18期中央委員会第6回全体会議は、習近平総書記の核心としての地位を正式に明確化した。これは、党と人民の根本的利益を反映したものであり、党と国の繁栄・発展と長期的安定を保証する上できわめて重要で深遠な意義をもつ。各地区・各部門は、政治意識・大局意識・核心意識・一致意識(「四つの意識」)を絶えず強化し、力を注いで小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的完成に向け新たな重要な進展をもたらし、改革の全面的深化を大きく一歩前進させ、全面的な法に基づく国家統治を踏み込んで実施し、全面的な厳しい党内統治を突っ込んで推し進め、経済・社会発展の年間主要目標・主要任務をしっかりと達成し、第13次5ヵ年計画の幸先のよいスタートを切った。

――経済が緩やかな成長の中で安定へ、安定の中で良化へと推移した。国内総生産(GDP)が74兆4000億元に達し、世界でも上位の6.7%増となり、世界経済の成長への寄与率が30%を超えた。消費者物価が2%上昇した。工業部門企業利益が前年の2.3%減から8.5%増に転じ、GDP1単位当たりのエネルギー消費量が5%減少し、経済発展の質と効率が著しく向上した。

――雇用の伸びが所期目標を上回った。都市部の新規就業者数が年間で1314万人となった。大学新卒者の就職・起業者数が再び史上最高を記録した。年末時点での都市部登録失業率がここ数年で最も低い水準の4.02%となった。13億以上の人口を有する発展途上の大国で、比較的十分な雇用が確保されているのは、並大抵のことではない。

――改革開放が深く推し進められた。重要な分野とカギとなる部分の改革が大きく進展し、供給側構造改革の効果が現れ始めた。対外開放の新たな措置が打ち出され、「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀・海のシルクロード)」建設が迅速に進み、重要建設プロジェクトと生産能力をめぐる国際協力プロジェクトが数多く実施された。

――経済構造調整のペースが上がった。消費が経済成長において主要な牽引作用を発揮した。サービス業の付加価値の対GDP比が51.6%に上昇した。ハイテク産業と設備製造業が比較的速い成長を見せた。農業が安定の中で調整・最適化され、食糧作物が再び豊作となった。

――発展の新たな原動力が不断に増強された。革新駆動型発展戦略が踏み込んで実施された。科学技術分野において世界の最先端を行く重要な成果が数多くあげられた。新興産業がどんどん生まれ、在来産業の業態転換と高度化が加速した。大衆による起業・革新が多方面で活発になり、新規登記企業が年間で24.5%、一日平均で1万5000社増えた。これに自営業者などを加えると、各種市場主体が一日平均で4万5000社増えたことになる。新たな原動力は、発展の新天地を担いつつある。

――生産や生活を支えるインフラの力が持続的に向上した。高速鉄道の新規営業距離が1900キロを超え、高速道路が6700キロ以上、農村道路が29万キロ新規建設または改修された。都市の軌道系交通や共同溝の整備が加速した。21の重要水利プロジェクトが新たに開始された。第4世代移動通信(4G)の利用者が新たに3億4000万人増え、光ファイバーケーブルが新たに550万キロ強敷設された。

――人々の生活が引き続き改善された。全国住民の1人当たり可処分所得が実質で6.3%伸びた。農村の貧困人口が1240万人減り、移住・転居による貧困救済を受けた人々が240万人を超えた。バラック区の住宅改築が600万戸以上、農村の老朽危険家屋の改築が380万戸以上完了した。国内旅行が急速に伸び、海外旅行者数が延べ1億2000万人を超え、都市・農村住民の生活水準がさらに向上した。

わが国は杭州での20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)を成功裏に主催し、サミットが開拓的・牽引的・制度的性質をもつ一連の重要な成果を収めるのを主導し、グローバル経済ガバナンスにおいて中国のプレゼンスを深く印象付けた。

この一年を振り返って見ると、われわれが歩んできた道は尋常一様なものではなかった。われわれの前に立ちはだかったのは、世界経済・世界貿易の7年来最低の成長率への落ち込み、国際金融市場の大きな変動、地域的・グローバルな問題の突発・多発といった外部環境であり、国内における構造的問題の突出、リスク要因の顕在化、経済の下押し圧力の強まりといった多重の困難であり、改革の難関突破期の到来、利益関係の根本的な調整、社会の安定を揺るがす要素の増加といった複雑な局面であった。こうした状況下で、経済を安定させることができたのは並々ならぬことであり、多くの上向きの変化をもたらしたのはなおさらすごいことである。これは、中国の人民にいかなる困難や試練にも打ち勝つ勇気・知恵・能力があること、わが国の経済に潜在力・強靭性・優位性があること、中国の発展の未来が必ずよりよいものとなることを再度示したのである。

 

この一年、われわれは主に以下のことに取り組んだ。

(1)引き続きマクロコントロールを刷新・強化し、経済の動きを合理的な範囲内に保った。昨年はマクロコントロールが難しい選択を迫られ、われわれは一貫して「ばらまき」型の強い景気刺激策をとらず、改革・イノベーションによって安定成長・構造調整・リスク防止に取り組み、区間コントロール(経済の動きを合理的な範囲内に保つための調整)を基礎にターゲット・コントロールと臨機応変なコントロールを強化した。積極的な財政政策にいっそう力を入れ、財政赤字の増額分を主に減税や料金などの引き下げに充てた。「営業税から付加価値税への切り替え」の試行を全面化し、通年で企業の税負担を5700億元余り減らし、あらゆる業種の税負担を確実に軽減した。中央と地方の付加価値税収配分についての暫定策を策定・実施し、地方の従来の財政力が確実に保たれるようにした。地方政府の既存債務の借り換え枠を拡大し、利息負担を約4000億元減らした。穏健な金融政策を柔軟で適度なものにし、広義マネーサプライ(M2)の増加率が11.3%となり、所期目標としていた13%前後を下回った。さまざまな金融政策手段を総合的に用いて、実体経済の発展をサポートした。消費の高度化を促進する措置を実施した。民間投資奨励策などの政策を実施した結果、投資に安定化の動きが生じた。都市ごとの状況の分類に基づいて不動産市場をコントロールした。金融リスクの防止・抑制を強化し、人民元為替レート形成メカニズムをより完全なものにし、合理的な均衡水準での基本的安定を保ち、国の経済・金融の安全を守った。

(2)「三つの解消、一つの低減、一つの補強」にしっかりと取り組み、供給構造をある程度改善した。鉄鋼業・石炭業を重点に過剰生産能力の解消を進め、年間で鉄鋼生産能力を6500万トン以上、石炭生産能力を2億9000万トン以上削減し、年度目標を超過達成し、従業員の再配置・再就職にもかなりしっかりと取り組んだ。農民工の都市部での住宅購入を支援し、バラック区の開発における住み替え金給付型の対応の割合を高め、不動産在庫の解消において積極的な成果を収めた。企業の合併・再編を推し進め、直接金融を発展させ、市場化・法治化の原則に基づく債務の株式化を実施し、工業部門企業の負債構成比率をいくらか低下させた。企業のコスト低減を促進すべく、租税や料金などの引き下げ、「五険一金(養老・医療・失業・労災・出産保険と住宅積立金)」の保険料負担割合の引き下げ、電気料金の引き下げなどの措置を実施した。脆弱部分の補強にいっそう力を入れ、今すぐに必要で長期的にも有益な一連の重要な取り組みを行った。

(3)改革開放を大いに深化させ、発展の活力をさらに強めた。改革を全面的に深化させるべく、柱となり支えとなる多くの改革措置を打ち出した。政府と市場の関係を適切に処理するという経済体制改革の中核的課題を念頭に置いて、「行政簡素化と権限委譲」、「緩和と管理の結合」、「サービスの最適化」改革を持続的に推し進めた。行政審査・認可事項を3分の1削減するという今期政府の目標を予定より早く達成した上で、昨年は、国務院各部門の行政審査・認可事項および国務院の指定で地方が実施していた行政審査・認可事項を新たに165項目撤廃したほか、192の審査・認可仲介サービス事項と220の職業資格許認可事項を整理・規範化した。商事制度(商事登記制度など)の改革を深めた。「双無作為、一公開(検査対象を無作為抽出し、法執行・検査員を無作為選任して派遣し、検査および処置の結果を速やかに公開すること)」を全面的に推し広め、事中・事後の監督管理の有効性を高め、「インターネット+政務サービス」を推進した。国有企業の構造調整・再編と混合所有制の改革を推し進めた。公平競争審査制度を確立した。資源税改革を深化させた。農村の土地の所有権・請負権・経営権の分離に関する細則をより完全なものにし、貧困脱却の仕組みを確立した。科学技術管理体制の改革を推し進め、大学と科学研究機関の自主権を拡大し、知識価値の増大を方向性とする分配政策を実施した。養老サービス市場を開放した。公立病院総合改革の試行範囲を拡大し、医薬品・医療機器の審査・許認可制度の改革を深めた。自然資源に関する権利を統一的に確定し登録するための細則を制定し、省級環境保護機関の直接指導の下で省級以下の環境保護機関がモニタリング・監察・法執行を行う垂直的管理や耕地輪作休耕改革などの試行を展開し、河長制(各級党組織・政府の指導者が管轄地区内の河川・湖沼などの水環境保全の責任を担う制度)を全面的に押し広め、生態保護補償の仕組みをより完全なものにした。改革によって経済・社会の発展に新たな原動力を増やした。

対外開放を積極的に拡大した。「一帯一路」建設を推進し、沿線諸国と戦略的一致、実務協力を強化した。人民元が正式に国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)通貨バスケット入りした。「深港通(深圳(しんせん)証券取引所と香港取引所の株式相互取引)」がスタートした。対外貿易の発展を促進する措置を十全化し、12の越境Eコマース総合試験区を新設し、輸出入の安定を徐々に回復させた。上海などの自由貿易試験区が生んだ改革・イノベーションの成果を押し広め、自由貿易試験区を新たに7ヵ所設立した。参入に対して特別管理措置を実施している少数の分野を除き、外資企業の設立およびその諸変更の管理を審査・認可によるものから届出制に基づくものへと一律に改めた。外資の実質利用額が1300億ドル強となり、引き続き発展途上国の中で首位をキープした。

 

(4)イノベーションによる牽引を強化し、新たな原動力の急速な成長をもたらした。「インターネット+」行動と国家ビッグデータ戦略を深く推し進め、「中国製造(メード・イン・チャイナ)2025(中国製造業10ヵ年計画)」を全面的に実施し、大衆による起業・革新関連の政策措置の徹底と充実化をはかった。2030年に向けた科学技術イノベーション重要プロジェクトを配置してスタートさせ、北京と上海が世界的影響力をもつ科学技術イノベーションセンターを創設するのをサポートし、国家自主イノベーションモデル区を新たに6ヵ所設立した。国内の有効特許件数が100万を突破し、技術市場の取引高が1兆元を上回った。経済成長に対する科学技術進歩の寄与率が56.2%に上昇し、発展を支えるイノベーションの力が著しく増強された。

(5)地域間・都市農村間の調和発展を促進し、新たな成長極・成長帯の形成を加速させた。「一帯一路」建設、京津冀(北京市・天津市・河北省)地区協同発展、長江経済ベルト発展の「三大戦略」を踏み込んで実施し、多くの重点建設プロジェクトをスタートさせた。13次5ヵ年期の西部大開発計画を策定し、新たな東北振興戦略を実施し、中部地区の興隆を推し進め、東部地区の先行発展をサポートした。新型都市化の推進を加速させ、戸籍制度改革を深め、居住証制度を全面的に押し広めた結果、新たに1600万人が都市部に転籍・定住した。発展の相乗効果が現れ続けている。

(6)生態文明建設を強化し、グリーン発展に新たな進展をもたらした。生態文明建設の目標達成状況の評価・査定に関する細則を制定・実施し、国家生態文明試験区を設立した。大気汚染対策を強化して、二酸化硫黄と窒素酸化物(NOX)の排出量をそれぞれ5.6%、4%減らし、微小粒子状物質(PM2.5)については74の重点都市で濃度を年平均9.1%低下させた。エネルギー構造を最適化し、クリーンエネルギー消費の割合を1.7ポイント高め、石炭消費の割合を2ポイント低下させた。水質汚濁対策を推進し、土壌汚染対策行動計画を打ち出した。中央環境保護監察を行い、環境関連の多くの法律違反案件を厳しく調査・処理し、環境保護のよりいっそうの展開を促した。

(7)民生の保障と改善を重視し、人民大衆の獲得感を高めた。財政収支の圧力が増す状況下にもかかわらず、民生分野への投入を引き続き増やした。新たな雇用・起業政策を打ち出し、重点層・重点地区の雇用対策にしっかりと取り組んだ。貧困脱却堅塁攻略を全面的に推進し、全国(中央と地方)財政の貧困特別対策資金から1000億元以上を投入した。最低生活保障金、優遇扶助対象者給付金、定年退職者基本養老金などの基準額を引き上げ、1700万人以上の生活困難障害者・重度障害者に生活補助金や介護補助金を給付した。財政による教育経費支出の対GDP比が引き続き4%を超えた。貧困地区の農村からの重点大学入学者が21.3%増えた。普通高校で学ぶ農村の貧困世帯の生徒の学費・雑費を免除した。各種学校で学ぶ貧困世帯の生徒・学生を補助金給付により通年で延べ8400万人以上援助した。都市と農村の住民基本医療保険制度を整理・統合し、財政補助基準を引き上げた。基本公衆衛生サービス経費を増やした。重大疾患保険の全国カバーを達成し、規定を満たす限り居住省内のどこでも治療費・入院費などに医療保険を即時適用できるようにした。末端の公共文化サービスを強化した。全国民健康増進計画を実施し、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックで中国代表選手たちがまたも好成績を収めた。昨年は一部の地域とりわけ長江流域が深刻な洪水・冠水などに見舞われたが、強力な対応措置・救助措置をいち早く講じて、延べ900万人以上を避難所に緊急避難させ、被害を最小限に抑え、復旧・復興作業を秩序立てて進めた。

(8)政府づくりとガバナンス刷新を推し進め、社会の調和と安定を維持した。国務院は、全国人民代表大会常務委員会に法案を13本提出して審議を求めたほか、行政法規を8本制定または改正した。公共的意思決定に民意を取り入れる仕組みをより完全なものにし、人民代表大会代表や政治協商会議委員の提案に真摯に対応した。政務公開を推し進め、省級政府各部門の権限リストと責任リストを全面的に公表した。監督・査察および問責にさらに力を入れ、第3回国務院監督・査察キャンペーンを準備・実施し、過剰生産能力の解消や民間投資などの関連政策の実施状況について特別監督・査察と第三者評価を行い、一部の地区における規定に違反した鋼鉄関連プロジェクトの新規着工や「地条鋼(規定の品質を満たさない違法鋼材)」の生産・販売などの行為を厳しく取り締まった。労働安全分野の取り組みを強化し、事故総数と重大・特別重大事故の件数を引き続き減少させた。社会治安総合対策を強化し、違法行為・犯罪を法に基づいて取り締まり、国の安全と公共の安全をしっかりと守った。「両学一做(党規約・党規則と習近平総書記の一連の重要講話を学び、適格な党員となる)」学習教育を着実に繰り広げ、党中央の「八項目規定(大衆路線の徹底、仕事における無駄の抑制など)」の精神を真剣に貫徹し、「四つの悪風(形式主義・官僚主義・享楽主義・贅沢浪費の風潮)」を断固として正し、国務院の「法三章(①庁舎などの新築・改築・拡張、②政府機関などの定員数、③海外出張・公務接待・公用車の経費という三点の抑制に関する約束事)」を厳格に履行した。法に則って多くの腐敗分子を処罰し、反腐敗闘争の形勢を圧倒的なものとしている。

この一年、中国の特色ある大国外交は著しい成果をあげた。習近平主席をはじめとする指導部の面々は多くの国々を歴訪し、アジア太平洋経済協力(APEC)非公式首脳会議、上海協力機構(SCO)首脳会議、ブリックス(BRICS)首脳会議、核セキュリティ・サミット、国連総会の一連のハイレベル会合、アジア欧州会議(ASEM)首脳会合、東アジアサミット(EAS)・関連会議(ASEAN+1、ASEAN+3等)など重要な催しに出席した。瀾滄江・メコン川協力初の首脳会合を成功裏に主催した。主要大国との協調・協力が強化され、周辺諸国との全面的協力が持続的に進められ、発展途上国との友好協力が絶えず深まり、国連などの国際機関との関係がさらに密接なものになった。グローバル・ガバナンス体系の改革・改善を積極的に促進した。「パリ協定」の発効を促した。経済外交、人的・文化的交流が多くの成果をあげた。国の領土主権と海洋権益を断固として守った。中国は責任を果たす大国として、国際的・地域的な取り組みにおいて建設的役割を果たし、世界の平和と発展に重要な貢献をした。

中国共産党創立95周年を盛大に祝い、中国労農赤軍長征勝利80周年を盛大に記念し、「初心を忘れずに前進し続け、あらゆる困難に打ち勝つ」というわれわれの強い意志と、「新たな長征の道をしっかりと歩み、新たな勝利を絶えず勝ち取っていく」という全国人民の固い決意をはっきりと示した。

代表のみなさん

以上、この一年に収めた成果は、習近平同志を核心とする党中央が正しい指導を行った結果であり、全党・全軍・全国各民族人民が団結奮闘した結果である。わたくしは国務院を代表して、全国各民族人民、民主諸党派、各人民団体ならびに各界の方々に対して、心から感謝の意を表すものである。また、香港特別行政区の同胞、澳門(マカオ)特別行政区の同胞、台湾の同胞ならびに海外の華僑同胞に対して、心から感謝の意を表すものである。そして、中国の現代化建設事業に関心を寄せ、お力添えいただいた各国の政府、国際機関ならびに各国の友人のみなさんに対して、心から感謝の意を表すものである。

一方でわれわれは、経済・社会発展に依然として多くの困難や問題が存在していることもはっきりと認識している。経済成長の内生的原動力の強化がなおも必要で、一部の産業の生産能力過剰が深刻で、一部の企業が生産・経営面で多くの困難に直面し、地域によって経済の情勢がばらつき、財政収支の矛盾が拡大し、経済・金融分野のリスク要因が無視できない。環境汚染が依然として厳しい情勢にあり、とくに一部の地域で深刻なスモッグが頻繁に発生しているため、対策措置をいっそう強化する必要がある。住宅、教育、医療、養老、食品・医薬品安全、所得分配などの面でも、人民大衆が不満を感じている点は依然として少なくない。採炭・建築・交通などの分野でいくつかの重大事故が発生したことは、悲痛に耐えない。政府活動には不十分な点があり、一部の改革措置・政策が徹底されておらず、企業からの各種料金などの徴収が多い問題や大衆への対応がないがしろにされがちな問題などがなおも際立っており、行政の法執行において規範・公正・理性に欠けるケースがあり、一部の幹部に職務怠慢や責任のなすり合いがみられ、一部の分野で腐敗問題がたびたび起きている。われわれは試練に立ち向かい、果敢に取り組み、政府活動の完遂に全力を尽くし、歴史的使命に背かず、人民の切なる負託に応えなければならない。

Ⅱ. 2017年の活動の全般的計画

今年は、中国共産党第19回全国代表大会の開催を控えており、党と国の事業の発展において重要な意義をもつ年である。政府活動を完遂すべく、習近平同志を核心とする党中央の指導の下、中国の特色ある社会主義の偉大な旗印を高く掲げ、中国共産党第18回全国代表大会と第18期中央委員会第3回、第4回、第5回、第6回全体会議の精神を全面的に貫徹し、鄧小平理論、「三つの代表」重要思想、科学的発展観を導きとし、習近平総書記の一連の重要講話の精神と国政運営の新理念・新思想・新戦略を深く貫徹し、「五位一体(経済建設・政治建設・文化建設・社会建設・生態文明建設)」の総体的配置の統一的推進と「四つの全面(小康社会の全面的完成、改革の全面的深化、全面的な法に基づく国家統治、全面的な厳しい党内統治)」の戦略的配置の調和的推進とをはかり、「安定を保ちつつ前進を求める」という活動全体の基調を堅持し、新たな発展理念をしっかりと確立・貫徹・実践し、経済発展の新常態(ニューノーマル)に適応し、新常態を把握し、新常態をリードし、発展の質と効率の向上を中心とすることを堅持し、マクロ政策による経済の安定化、産業政策による的確な方向付け、ミクロ政策による市場の活性化、改革政策による改革の徹底、社会政策による民生最低ラインの保障という政策理念を堅持し、供給側構造改革の推進を主軸とすることを堅持し、総需要を適度に拡大し、市場期待のリードを強化し、イノベーションによる発展促進を深化させ、安定成長・改革促進・構造調整・民生改善・リスク防止に向けた諸般の活動に全面的に取り組み、経済の安定した健全な発展と社会の調和・安定を維持しなければならない。優れた成果をあげて、中国共産党第19回全国代表大会の開催を勝利のうちに迎えようではないか。

国内外の情勢を総合的に分析してみると、より複雑で厳しい局面に対処すべく万全の準備をしなければならないことがわかる。世界経済の伸び悩みがなおも続いており、「脱グローバリズム」や保護主義の傾向が強まり、主要経済国・経済圏の政策動向およびスピルオーバー効果に大きな不確実性が存在し、不安定・不確定要素が明らかに増している。わが国の発展は「坂を登り峠を越える」べき重要な段階にあり、経済の動きに際立った矛盾や問題が少なからず存在している。困難を軽視してはならないし、自信の揺らぎも許されない。わが国は、物的基盤が厚く、人的資源が豊かで、市場規模が大きく、産業チェーンが整い、科学技術の進歩が速く、インフラがかなり充実しているなど、経済発展を支える諸要素が良好で、マクロコントロールの面でもイノベーションの手段と政策の備蓄が多い。党の力強い指導の下で、党の基本路線を堅持し、揺るぐことなく中国の特色ある社会主義の道を歩み、人民大衆の無尽の創造力に頼り、心を一つにして粘り強く奮闘していけば、わが国の発展は必ずや新たな輝かしい成果をあげることができる、とわれわれは確信している。

今年の主要所期目標は次のとおりとする。GDP成長率は6.5%前後とし、実際の取り組みにおいてよりよい結果を得るよう努める。消費者物価の上昇率は3%前後とする。都市部新規就業者数は1100万人以上とし、都市部登録失業率は4.5%以内に抑える。輸出入を安定・好転させ、国際収支を基本的に均衡させる。住民所得の伸び率を経済成長率とほぼ同じにする。GDP1単位当たりのエネルギー消費量を3.4%以上削減し、主要汚染物質の排出量を引き続き減少させる。

今年の経済成長率の所期目標は、経済法則と客観的実情に即しており、市場期待のリードと安定化にも、構造調整にも有利であり、小康社会の全面的完成の要請にも適(かな)う。安定成長の重要な目的は雇用の確保と民生の改善にある。今年は雇用情勢の厳しさが増すため、雇用優先戦略を堅持し、より積極的な雇用政策を実施する必要がある。都市部新規就業者数の所期目標を前年比100万人増としたのは、雇用の更なる重視という方向性を際立たせたからである。この目標は、経済のファンダメンタルズと雇用吸収力からみて、努力すれば達成可能なものである。

今年は、引き続き積極的な財政政策と穏健な金融政策を実施し、区間コントロールを基礎にターゲット・コントロールと臨機応変なコントロールを強化し、先見性・的確性・有効性を向上させ、消費政策・投資政策・地域政策・産業政策・環境保護政策などのバランス・整合性を重視し、経済の動きを合理的な範囲内に保つこととする。

財政政策はさらに積極的で効果的なものにする。今年の財政赤字の対GDP比は3%とし、財政赤字は前年比2000億元増の2兆3800億元とする。内訳は、中央財政赤字1兆5500億元、地方財政赤字8300億元。地方特別債は8000億元とし、地方政府の借換債を引き続き発行する。今年の財政赤字の対GDP比を据え置くのは、主としていっそうの減税や料金などの引き下げを行うためであり、年間で企業の税負担をさらに3500億元前後、企業からの各種料金などの徴収を約2000億元減らして、市場主体にその効果を実感してもらう必要がある。財政予算の配分は、重点を際立たせてメリハリを付け、脆弱部分の補強と民生の改善に力を入れることとする。中央から地方への一般的移転支出は9.5%増とし、地方財政力均衡化のための移転支出と困難地区への財政補助を重点的に増やす。非重点支出を削減し、業績がふるわないプロジェクトへの予算配分を減らす。各級政府は節約を励行して、中央各部門は率先して、一律に一般的支出を5%以上削減し、「三公経費(海外出張費・公務接待費・公用車経費)」を決して増やさず、より多くの資金を捻出して企業の租税・費用負担の低減に充て、「用を節し民を裕(ゆたか)にす(財政を節約して人々の生活にゆとりを与える)」正しい道をしっかりと歩み続けていかなければならない。

金融政策は穏健・中立を維持する。今年のM2と社会融資総量残高の増加率の所期目標はともに12%前後とする。金融政策手段を総合的に運用し、流動性の基本的安定を保ち、市場金利水準を合理的に導き、金融政策の波及メカニズムを円滑化し、より多くの金融資源が実体経済に向かうよう――とくに「三農(農業・農村・農民)」と小企業・零細企業を支援するよう――促す必要がある。為替レート市場化改革の方向を堅持し、国際通貨システムにおける人民元の安定的な地位を保つ。

今年の政府活動を首尾よく進めるには、以下の五つの点をしっかりと押さえなければならない。①「安定を保ちつつ前進を求める」という活動全体の基調を貫徹し、戦略的不動心を保つ。安定は大局であり、安定成長・雇用確保・リスク防止に力を入れ、金融安全・民生保障・環境保護などの面における最低ラインを守り、経済・社会の大局の安定を確保する必要がある。安定を前提に進取に励み、改革を深く推し進め、構造調整を加速させ、硬い骨のような難題に果敢にかじりつき、カギとなる分野で新たな進展が得られるよう努力することとする。②供給側構造改革の推進を主軸とすることを堅持する。供給側の構造の改善を重点とし、行政簡素化・減税、参入条件の緩和、イノベーションの奨励を通して、ミクロ経済主体の活力を持続的に引き出し、無効供給を減少させ有効供給を拡大し、需要をよりよく満たしかつリードする必要がある。これは、蛹(さなぎ)から蝶(ちょう)になるようなパターン転換・高度化のプロセスであり、希望に満ちていながら陣痛も伴い、非常に緊迫しているばかりか困難で複雑でもある。勇往邁進して、断固としてこの関門を突破しなければならない。③総需要を適度に拡大するとともに、有効性を向上させる。わが国の内需の潜在力は非常に大きく、内需拡大は必須であり、可能でもある。肝心なのは潜在力のあるところを的確に探し当てることである。民生の改善を軸に消費を拡大し、脆弱部分の補強と持続力の強化を念頭に投資を増やし、内需拡大をより有効で持続可能なものにし、供給側の改革と需要側の管理が互いに補完しあい、相乗作用を生むようにする必要がある。④イノベーションの力で新旧原動力の転換と構造の最適化・高度化を推進する。現在のこの段階にまで発展したわが国には、改革とイノベーションに頼る以外に活路はない。われわれの有する世界で最も多く質的にもすぐれた労働力と最大規模の科学技術・専門技術人材陣は、イノベーションの巨大な潜在力を秘めている。改革開放を原動力とすること、人的資源・人材資源を支えとすることを堅持し、イノベーション発展を加速し、新原動力の成長・拡大と旧原動力の改良・進化をはかり、経済の中高速成長の維持と産業の中高次元化を推し進める必要がある。⑤人民大衆がこぞって関心を寄せている際立った問題の解決に力を入れる。政府のすべての活動は人民のためにあり、人民を中心とする発展思想を実践し、わが国が社会主義の初級段階にあるという基本的国情をしっかりと押さえる必要がある。大衆が激しい不満を示している問題や切実に待ち望んでいることについては、条件が整っていれば解決を急ぎ、大衆のためになる取り組みをしっかりと行うこととし、当面解決が難しければ、力を尽くして条件を整え徐々に解決することとする。われわれは、「青山(せいざん)に咬定(こうてい)して放松(ほうまつ)せず(しっかりと根を張った竹のように決してぶれたり手を抜いたりせず)」、根気強く大衆のために実のある仕事と難題の解決に取り組み、社会の公平と正義を促し、発展という絶対的な道理が人民の福祉の増進にいっそう具現化されるようにする必要がある。

Ⅲ. 2017年の重点活動任務

今年の困難で重い改革・発展・安定の任務に立ち向かうべく、われわれは全局を見渡して統一的に計画し、重点を際立たせてポイントを押さえ、各方面の関係を正しく処理し、以下の九つの方面の活動に重点的に取り組まなければならない。

(一)改革によって「三つの解消、一つの低減、一つの補強」を深く推し進める。成果を固めることを基本にして、新たな状況や問題に合わせて政策措置を改善し、効果の増大に努める必要がある。

しっかりと効果的に過剰生産能力を解消する。今年は鉄鋼生産能力をさらに5000万トン前後削減し、石炭生産能力をさらに1億5000万トン以上廃棄することとする。同時に、石炭火力発電の生産能力5000万キロワット以上について廃棄したり建設を停止・延期したりすることとする。これは、石炭火力発電の生産能力過剰リスクを防止・解消し、石炭火力発電産業の効率を向上させ、クリーンエネルギーの発展の場を広げるためである。環境保護、エネルギー消費、質、安全などの面の関連法律法規・基準を厳格に執行し、市場化・法治化の手段をよりいっそう活用し、「ゾンビ企業」を効果的に整理し、企業の合併・再編や破産清算を促し、基準を満たしていない旧式生産能力を断固として廃棄し、生産能力過剰産業における新規生産能力の追加を厳格に規制する必要がある。過剰生産能力の解消に当たっては、対象企業の従業員の再配置をしっかりと行い、中央財政は特別奨励・補助資金を即時交付し、地方と対象企業は関連資金を確保して関連措置を着実に実施し、従業員の再就職と生活を確実に保障しなければならない。

各都市の実情に即した対策をとって不動産の過剰在庫を解消する。三・四線都市(中小都市) では今もなお不動産在庫がかなり多く、住民の自己居住需要と都市部に移転する人々の住宅購入需要とを支援する必要がある。住むためのものという住宅本来の性質を堅持し、地方政府に主体責任を果たさせ、不動産市場の安定した健全な発展の促進に向けた長期的に有効な仕組みの確立・十全化を急ぎ、市場を中心にして多様な需要を満たし、政府が中心になって基本的保障を提供する。都市ごとの状況に応じた不動産市場のコントロールを強化し、住宅価格が高騰しがちな都市では住宅用地を合理的に増やし、開発・販売・仲介などの行為を規範化する。都市部では今もなお数千万人が条件の貧弱なバラック区に居住しているため、改築を不断に推し進めていかなければならない。今年もバラック区の住宅改築を600万戸完了させ、引き続き公共賃貸住宅を発展させ、都市ごとの実情に合わせて住み替え金給付型の対応の割合を高め、関連施設の整備と公共サービスを強化し、住宅難に苦しむ世帯のより多くがバラック区を離れられるようにし、広範な人民大衆が安心して暮らせる住まいを得て新しい生活を築けるようにする。

積極的かつ着実に過剰債務を解消する。わが国では非金融企業のレバレッジ比率がかなり高いが、これは貯蓄率の高さや銀行貸出中心の融資構造と関係している。全体のレバレッジ比率の抑制を前提に、企業のレバレッジ比率の引き下げを最重要課題とすることとする。企業の保有資産の活用を促し、資産の証券化を進め、市場化・法治化の原則に基づく債務の株式化をサポートし、エクイティファイナンスにさらに力を入れ、企業とりわけ国有企業の財務レバレッジ制限を強化し、企業の負債を徐々に合理的な水準に引き下げる。

 

さまざまな措置を講じて企業のコストを低減する。小企業・零細企業に対する企業所得税半減徴収優遇の適用枠を拡大し、年度課税所得額の上限を30万元から50万元に引き上げる。科学技術型中小企業の研究開発費の加算控除の割合を50%から75%に引き上げ、あらゆる措置を講じて構造的減税の度合・効果がいっそう現れるようにする。多くの企業がさまざまな名目の費用徴収に耐え切れなくなっているため、税外負担を大幅に低減する必要がある。①政府系基金を全面的に整理・規範化し、都市公共事業付加などの基金を廃止し、地方政府に自主的に一部の基金を減免する権限を授ける。②費用徴収項目をさらに半分以上減らすよう、中央レベルの企業関連行政事業性費用徴収を35項目撤廃または停止し、残りの項目については徴収基準をできる限り引き下げることとする。各地方政府も企業関連行政事業性費用徴収を減らすべきである。③政府が価格を定める営利目的の企業関連サービスの費用徴収を減らし、行政審査・認可仲介サービスにおける規定に違反した費用徴収を整理・撤廃し、金融・鉄道貨物輸送などの分野における営利目的の企業関連サービスの費用・料金の引き下げを推進し、市場調節類の経営サービス費用・料金徴収に対する監督管理を強化する。④引き続き「五険一金」関連の保険料負担割合を適度に引き下げる。⑤改革の深化と政策の充実化によって、制度に起因する企業の取引コストを減らし、エネルギー消費・物流などのコストを引き下げる。各関連部門・事業体は、小利を捨てて大義を重んじ、企業が身軽になってどんどん成長できるようにし、条件を整えてわが国の競争の新たな優位性を形成する必要がある。

的確に力を入れて脆弱部分を補強する。経済・社会発展と民生改善の大きな制約となっている際立った問題を正確にねらい、第13次5ヵ年計画で定められた重要プロジェクトの実施と結びつけて、脆弱部分の補強にさらに力を入れ、公共サービス、インフラ、イノベーション発展、資源・環境など基盤の力の向上を急ぐこととする。

貧困地区と貧困人口は小康社会を全面的に完成させる上で最も脆弱な部分である。的確な貧困救済・貧困脱却措置を踏み込んで実施することにより、今年は農村貧困人口をさらに1000万人以上減少させ、そのうちの340万人については移住・転居による貧困救済を完了させることとする。このため、中央財政の貧困対策特別資金を30%以上増額する。「集中連片(広域にわたって集中的に存在する)特別困難地区」、旧革命根拠地の開発を強化し、インフラと公共サービスを改善し、特色ある産業の振興、労働需要地への労働力移転、教育支援、医療関連支援による貧困救済を推し進め、貧困村全体底上げプロジェクトを実施し、貧困地区と貧困層の自己発展能力を増強する。貧困県の農村経済・社会発展特別資金の整理・統合を推し進め、資金とプロジェクトの監督管理を強化する。貧困救済協力の仕組みを刷新し、貧困救済への民間の力の参加を後押しする。貧困脱却堅塁攻略責任制を着実に実施し、最も厳格な評価・考課を行い、成果の虚偽報告や水増しなどを厳しく取り締まり、貧困脱却の実績が大衆から認められ歴史の検証に耐えうるようにする。(二)重要な分野とカギとなる部分の改革を深化させる。各分野の改革を全面的に深め、ベースとなりポイントとなる改革の推進を加速し、発展の内生的原動力を強めることとする。

政府の機能転換を不断に推進する。資源配分において市場に決定的な役割を果たさせつつ政府の機能をよりよく発揮するために、「行政簡素化と権限委譲」、「緩和と管理の結合」、「サービスの最適化」改革を深化させなければならない。これは政府自体の徹底的な革命であり、引き続き「壮士が腕を断つ」勇気をもって、茨(いばら)の道を断固突き進んでいく必要がある。リスト方式管理制度を全面的に実施し、国務院各部門の権限・責任リストを策定し、市場参入ネガティブリスト制度の試行範囲を拡大し、政府の自由裁量権を縮小し、市場の自主選択権を拡大する。一部の生産・サービス許可証を整理・撤廃する。商事制度の改革を深め、さまざまな許可証を一本化し、「証」と「照」の分離(審査・認可と商業登記の強制的順序をなくし、どちらからでも手続きができるようにすること)改革の試行範囲を広げる。事中・事後監督管理制度を充実させ、「双無作為、一公開」式監督管理の全面化を実現し、総合的な行政の法執行を推し進める。国務院各部門と地方政府の情報システムの相互接続を加速し、全国統一の政務サービスプラットフォームを形成する。われわれは、「行政簡素化と権限委譲」、「緩和と管理の結合」、「サービスの最適化」改革の効果を企業と大衆により多く実感してもらい、力を尽くして「ラストワンマイル」を貫通させ、煩苛(はんか)の弊を取り除き、公平の策を施し、利便の門を開かなければならない。

財政・租税体制改革を引き続き推進する。「営業税から付加価値税への切り替え」の試行の全面化政策を実行しつつ充実させる。付加価値税の税率構造を簡素化すべく、今年は、税率の4段階を3段階に簡略化し、簡潔・透明で、より公平な租税環境を整え、企業の税負担をさらに軽減する。中央と地方の財政権限と支出責任の区分改革を推し進め、税収配分についてのマスタープランの策定を急ぎ、地方税体系をより完全なものにし、地方政府の起債行為を規範化する。政府予算・決算の公開を踏み込んで推し進め、遊休資金の活性化を迫り、資金の使用効率を高め、一元一元がオープンかつ有効に使われるようにする。

金融体制改革にしっかりと取り組む。金融機関が本来の中心業務を際立たせて重心を実体経済に置くよう促して、実体経済を支える機能を強化し、資産経済への重心のシフトを防ぐ。大中型商業銀行による金融包摂事業部の設置を奨励し、国有の大型銀行にその先陣を切らせることとし、差別化した審査評価細則・支援政策を実行し、中小企業・零細企業の抱える「資金繰り難、資金調達コスト高」問題を効果的に緩和する。政策金融・開発金融の役割をしっかりと発揮させ、農村信用社(信用協同組合)の「三農」向けサービス機能を強化する。多層資本市場の改革を深め、主板(メインボード)市場の基礎的制度を十全化し、創業板(ベンチャーボード)、新三板(店頭市場)を積極的に発展させ、地域性株権取引(エクイティ)市場(特定地域内の企業に株権[持分]および債券の譲渡と資金調達の場を提供する私募市場)の規範化と発展に取り組む。保険会社の資金による実体経済支援のルートを広げる。グリーン金融の発展に力を入れる。今のところ、系統性(システミック)リスクは総じてコントロール可能であるが、不良資産やデフォルト、シャドーバンキング、インターネット金融などの蓄積しているリスクを厳重に警戒する必要がある。金融監督管理体制の改革を着実に推進し、個々の際立ったリスクを秩序正しく解消・処理し、金融秩序を整理・規範化し、金融リスクに対する「ファイアウォール」をしっかりと築く。わが国経済のファンダメンタルズは良好であり、商業銀行の自己資本比率と不良債権引当カバー率が比較的高く、利用可能なツールや手段が多い。われわれには、金融の系統性(システミック)リスクを生じさせないという最低ラインを守る自信と気迫も、能力と方法もある。

国有企業・国有資産改革の推進を加速する。コアコンピタンスと資源配置の効率の向上を目指して、チェックアンドバランス機能が有効に働くコーポレートガバナンス構造と柔軟で高効率の市場化経営の仕組みを築き上げる必要がある。今年は国有企業の株式会社化・有限会社化を基本的に完了させることとする。混合所有制改革を深め、電力・石油・天然ガス・鉄道・民間航空・電気通信・軍需産業などの分野で実りある一歩を踏み出す。電力体制と石油・天然ガス体制の改革にしっかりと取り組み、競争性のある業務を開放する。国有企業の体質改善と質・効率向上を持続的に推し進め、国有企業の分担してきた公共サービス機能の切捨てを急ぎ、積年の課題を解決する。国有資本投資会社・運営会社の改革の試行を進める。国有資産の監督管理を改善・強化し、資産の価値の維持・増大を確保し、人民の共有財産をしっかりと守り、発展させる。

非公有制経済の活力をよりよく引き出す。非公有制経済の発展を支援する政策措置をしっかりと実行する。新しいタイプの政府と民間企業の関係の構築を急ぐ。非公有制企業が国有企業の改革に参加するのを奨励する。権利の平等、機会の平等、規則の平等を堅持し、非公有制経済の市場参入条件をさらに緩和する。法律法規により明確に参入が禁じられていない業種・分野はすべて各種市場主体に平等に参入を認めることとし、外国資本に開放されている業種・分野はすべて民間資本にも開放することとし、市場の公平な競争に差し支える不合理な行為はすべて断固制止することとする。

財産権保護制度の整備を強化する。財産権を守ることは、労働を守り、発明・創造を守り、生産力を守り、発展させることにほかならない。財産権保護制度の充実化を急ぎ、各種所有制経済の組織と公民の財産権を法に基づいて保障し、人々が起業やイノベーションによって富を築くよう励まし、企業家精神を喚起・保護し、企業家が安心して経営・投資に励むことができるようにする必要がある。企業の財産権を侵害する行為は、厳しく取り締まり、見つけ次第必ず正さなければならない。

社会体制改革を大いに推進する。所得分配制度の包括的改革を深める。養老保険制度の改革を着実に推し進め、一部の国有資本の繰り入れによって社会保障基金を充実させる。医療・医療保険・医薬連動改革を深める。公立病院総合改革を全面的に広げ、医薬品の上乗せ価格をすべて廃止し、医療価格、人事報酬、医薬品流通、医療保険給付方式などの改革をバランスよく推し進める。教育、文化、事業体などの改革を踏み込んで推進し、社会分野の巨大な発展の潜在力を十分に引き出す。

生態文明体制改革を深化させる。主体機能区制度と生態補償(エココンペンセーション)の仕組みをより完全なものにし、資源・環境のモニタリング・早期警報システムを確立し、国家自然資源資産管理体制の整備を試験的に進め、国立公園制のマスタープランを打ち出し、生態文明建設を制度の面から力強く保障する。

(三)内需の潜在力を一段と引き出す。供給の構造と需要の構造が相互に適応しあい、消費の高度化と有効な投資が相互に促進しあい、地域間・都市農村間の発展が相互に調和しあうよう促し、経済成長に対する内需の持続的な牽引作用を増強する。

消費の安定した伸びを促す。消費需要の変化に応じて、政策措置を充実させ、消費を取り巻く環境を改善する。①サービス消費の発展を速める。新たなサービス業総合改革の試行作業を繰り広げ、民間の力が教育・養老・医療などのサービスを提供するのを後押しする。サービス業のビジネスモデルの刷新や他産業との融合を推し進め、医療と介護の連携、文化クリエイティブなどの新興の消費を発展させる。観光のインフラ・サービスを整備し、グリーンツーリズム、レジャー観光、全域観光(他分野・他産業と融合した包括的な観光)の発展に力を入れる。ホームネットワーク・システム(デジタルホーム)やオンライン教育などの情報関連消費を拡大する。コミュニティーや農村へのEコマースと宅配便の普及を促し、実店舗での販売とインターネットショッピングとの融合発展を後押しする。②高品質製品の消費を増やす。製品の多様化、品質の向上、ブランドづくりに取り組むよう企業を導き、国内販売製品と国外販売製品の「同一ライン・同一基準・同一品質」生産の実施範囲を拡大し、高度化する消費需要をよりよく満たす。③市場秩序の整理・規範化に取り組む。ニセモノ・粗悪品の製造・販売、虚偽の広告、価格詐欺などの行為を厳しく取り締まり、消費者の権利・利益の保護を強化し、人々が心配せず気軽に消費できるようにする。

有効投資を積極的に拡大する。より多くの資金が脆弱部分の補強、構造の調整、イノベーションの促進、民生の改善の分野へ投下されるよう導く。今年は、鉄道建設へ8000億元、自動車道路・水運へ1兆8000億元の投資を達成し、新たに15の重要水利プロジェクトに着工し、引き続き軌道系交通や民間航空、通信関連のインフラなどの重要プロジェクトの建設を強化することとする。中央予算枠内の投資を5076億元計上する。民間投資を促進する政策措置を実行しつつ充実させる。政府(パブリック)・(・)民間(プライベート)資本連携(・パートナーシップ)(PPP)を深化させ、それに関連する価格、租税・費用などの優遇策を充実させる。政府は率先して信義・誠実を重んじなければならず、約束を勝手に変更してはならず、一度した公約は責任者が交代しても決して反故にしてはならない。

地域間発展の枠組みの最適化をはかる。「三大戦略」と「四大重点地区(東部、中部、西部、東北地区)」発展とを統一的に進め、関連計画をしっかりと実施し、新たな措置を策定する。国家レベルの新区・開発区・産業パークなどのイノベーション発展を推し進める。資源の枯渇、生態系の深刻な悪化などに直面している地域の経済のパターン転換・発展を支援する。空域資源の配置を適正化する。海洋経済モデル区の整備を推し進め、海洋強国の建設を速め、国の海洋権益を断固守る。

新型都市化を着実に推し進める。戸籍制度改革を深化させ、今年は、1300万人以上の都市部への転籍・定住を実現させ、居住証制度の全面的な普及を速める。中小都市と特色ある小城鎮(町)の発展をサポートし、条件の備わった一群の県や特大鎮が秩序正しく市へと変更されるよう促し、都市群の波及・先導効果を発揮させる。建築業の改革・発展を推進し、設計の水準と工事の質を向上させる。都市の地上・地下整備に統一的に取り組み、新たに2000キロ以上の都市共同溝の建設に着工し、市街区の冠水しやすい重点区域をなくす3ヵ年キャンペーンを始動し、海綿都市(スポンジシティ)の建設を推し進め、都市の「外面」を整えるだけでなく「内部」も充実させる。

(四)イノベーションによって実体経済のパターン転換・高度化をリードする。実体経済はかねてよりわが国の発展の基礎であり、当面の急務はパターン転換・高度化の加速である。革新駆動型発展戦略を踏み込んで実施し、実体経済の構造の最適化を推し進め、質・効率・競争力を不断に高めていく必要がある。

科学技術イノベーション能力を向上させる。基礎研究とオリジナル研究を長期的かつ安定的に支援する仕組みを整え、国家重要科学技術インフラと国家重要技術革新センターを建設し、科学技術資源の開放・共有プラットフォームをつくる。全面的なイノベーションに向けた改革の試行を推し進める。大学と科学研究機関の自主権をしっかりと機能させ、株券・オプション・配当金などによる報奨政策をしっかりと実施し、科学研究経費・プロジェクトの管理制度の改革をしっかりと進めて、科学研究者が本業に専念できるようにする。知的財産権総合管理改革の試行作業を進め、知的財産権の創出・保護・運用体系を整える。人材発展体制の改革を深化させ、より効果的な人材導入政策を実施し、世界中の優れた人材を広く集め、科学研究者の積極性を十分に引き出し、イノベーションの大業が必ず成し遂げられるようにする。

新興産業の育成・発展を速める。戦略的新興産業発展計画を全面的に実施し、新素材、人工知能、集積回路、バイオ医薬品、第5世代移動通信(5G)などの技術研究開発と実用化を加速させ、産業クラスターを大いに発展させる。シェアリングエコノミーの発展をサポート・リードし、社会資源の利用効率を高め、人民大衆の生活を便利にする。「イノベーションの奨励」、「包摂・慎重」の原則に基づいて、新興産業の監督管理規則を定める。統計管理体制の改革を深化させ、新興産業の統計をより完全なものにする。このインターネットの時代においては、各分野の発展に、速度がより速く、コストがより低い情報ネットワークが不可欠である。今年は、インターネットの通信速度の引き上げと料金の引き下げをさらに大きく進め、携帯電話の国内長距離通話料・ローミング料金を年内にすべて廃止し、中小企業向けのインターネット専用回線接続料金を大幅に引き下げ、国際電話通話料を引き下げ、「インターネット+」の更なる発展、デジタル経済の急速な発展を促し、企業と大衆に広く利益をもたらすこととする。

在来産業の改革・高度化に大いに力を入れる。「中国製造2025」を踏み込んで実施し、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、モノのインターネット(IoT)の応用を速め、新技術・新業態・新モデルによって在来産業の生産・管理・マーケティングモデルの変革を促す。インテリジェント製造の発展に重点を置いて、国家インテリジェント製造モデル区や製造業イノベーションセンターの整備を推進し、工業基盤強化プロジェクトや重要設備特別プロジェクトを踏み込んで実施し、先進的製造業の発展に力を入れ、中国製造をミドル・ハイエンドへと突き進ませる。製造強国づくりに向けた政策体系を充実させ、さまざまな方法で技術改良を支援し、在来産業に新たな活気がみなぎるようにする。

大衆による起業・革新を持続的に推進する。大衆による起業・革新は、起業と革新によって雇用を創出する有効な方法であり、発展の新旧原動力の転換と経済構造の高度化を推し進める重要な力であり、機会の公平と社会の縦方向の流動を促進する現実的な道であり、不断に深化させる必要がある。大衆による起業・革新のモデル拠点を新たにたくさんつくり、大企業、科学研究機関、大学による専門的「メイカーズスペース」の設立を奨励し、革新型中小企業・零細企業への支援を強化し、大衆による起業・革新向けにその全過程をサポートするサービス体系を整備し、各種の主体がそれぞれの長所を発揮し、オンラインとオフラインが相互に促進しあい、小企業が盛んに発展し大手企業がじっとりと安定し、市場の活力と社会の創造力がどんどんわき出るようにする。

品質水準を全面的に向上させる。品質向上キャンペーンを幅広く展開し、全面的な品質管理を強化し、優勝劣敗型の品質競争の仕組みを整える。品質に魂を吹き込むのは職人の心である。匠の精神を大いに発揚し、匠の文化を厚く育み、プロとして誠実さやよりよい技術・製品の追求が尊ばれるようにし、「中国の匠」を数多く育成し、世界に名をはせるより多くの「中国ブランド」を生み出し、わが国の経済発展を品質の時代へと突入させなければならない。

(五)農業の安定的な発展と農民の持続的な収入増を促す。農業の供給側構造改革を踏み込んで推進し、「強農・恵農」政策を充実させ、農民の就業・収入増のルートを広げ、国の食糧の安全を保障し、農業現代化と新型都市化が相互に促進しあってともに進むようにし、農業・農村の発展の新たな原動力の育成を急ぐ。

農業の構造調整を推し進める。農民が市場のニーズに合わせて生産を発展させるよう導き、優れた品質のグリーン農産物の供給を増やし、優れた品質の米・小麦の生産を拡大し、トウモロコシの作付け面積を適度に調整・縮小し、食糧作物から飼料作物への転作の試行面積を66万ヘクタール以上に拡大する。さまざまな方途によるトウモロコシの在庫の消化を奨励する。主産区における農産物の高付加価値加工の発展を支援し、産業チェーン・バリューチェーンを広げ、農村における第一次、二次、三次産業融合発展の新たな枠組みを築く。

現代農業の建設を強化する。農産物の標準化生産とブランドづくりの推進を加速し、食糧生産機能区、重要農産物生産保護区、特色ある農産物の特化区、現代農業産業パークをつくる。土地整理を推し進め、中・低収農地の改良に力を入れ、高効率節水灌漑面積を新たに約133万ヘクタール増やす。多様な形態の適正規模経営の発展は、中国の特色ある農業現代化が必ず通らなければならない道であり、農業保険の強力な保障なしには実現できない。今年は、13の食糧主産省において一部の県・県級市を選び、適正規模経営農家を対象に大災害保険を実施し、財政の災害救済資金の一部を調整して支援し、保険の賠償基準を引き上げ、農業再保険システムを十全化し、持続的で穏健な農業保険によって現代農業の発展をサポートする。

農村改革を深化させる。農村集団財産権制度の改革を着実に推し進め、農村土地制度改革の試行作業を深化させ、農民により多くの財産権を与える。食糧などの農産物の価格形成メカニズムと買付・備蓄制度を十全化し、農業用水価格の総合改革を推し進める。集団林権、国有営林区・営林場、農地開墾、供銷合作社(農業生産財・消費財の販売と農産物・副業生産物の買い上げを行う商業機構)などの改革を深化させる。農村での起業・イノベーションを促す仕組みを充実させ、農民工が地元に戻って起業するのを支援し、大学新卒者、除隊・退役軍人、科学技術者が農村に行って才能を発揮するのを奨励する。

農村の公共施設の整備を強化する。農村自動車道路を20万キロ新規建設または改築する。農村全域にわたる安定的で確実な電力供給サービスと平原地区におけるすべての「灌漑用ポンプ井戸」への送電を実現する。3万の行政村への光ファイバーの敷設を完了させる。農村の安全な飲用水の給水保証率を高める。農村の老朽危険家屋の改築を強化する。農村居住環境の整備を深く推し進め、現代的な文化も田園風景もある美しい農村をつくる。

(六)対外開放を積極的・主導的に拡大する。国際環境の新たな変化と国内の発展の新たな要求に対処すべく、対外開放の戦略的配置をよりいっそう完全なものにし、開放型経済の新体制の構築を速め、より深い次元、より高いレベルの対外開放を推進する必要がある。

「一帯一路」建設を着実に推し進める。ともに討議し、ともに建設し、ともに享受することを堅持し、陸上経済回廊と海上協力拠点の建設を急ぎ、沿線諸国間の「大通関(現代的管理・技術などの導入による通関業務の最適化・効率化)」協力の仕組みを構築する。生産能力をめぐる国際協力を深化させ、わが国の設備・技術・規格・サービスの海外進出を導き、互いの優位性による相互補完を実現する。教育・文化・観光などの分野での交流・協力を強化する。「一帯一路」国際協力サミットフォーラムを万全の態勢で開催し、参加諸国とともに協力・ウィンウィンの新たなハーモニーを生み出す。

対外貿易の継続的な安定・好転を促す。輸出入政策の徹底と充実をはかり、「優進優出(品質・効率志向の選択的輸出入)」を推し進める。輸出信用保険の適用枠を拡大し、プラント輸出向けの融資に必ず保険をかける。サービス貿易イノベーション発展誘導基金を創設する。市場仕入貿易(認定された卸売り市場で業者が商品を仕入れて市場から直接輸出する方式の貿易)と対外貿易総合サービス企業の発展を支援する。対外貿易のパターン転換・高度化のモデル拠点の整備を加速する。加工貿易の産業チェーンのミドル・ハイエンドへの伸長と中・西部地区への漸進的移転を促す。国際貿易の窓口の一本化を普及させ、通関の全国一元化を実現する。先端技術・設備および重要部品の輸入を増やし、貿易のバランスの取れた発展と国内産業の高度化加速を促す。

外商投資環境の最適化に力を入れる。「外商投資産業指導目録」を改訂し、サービス業・製造業・採鉱業の外国資本に対する参入条件をさらに緩和する。外商投資企業が国内で上場・債券発行するのを支援し、国の科学技術計画プロジェクトに参加するのを許可する。資格許可、規格制定、政府調達、「中国製造2025」政策適用などの面で国内企業と外資企業への待遇を平等にする。地方政府は法定の権限内で外資誘致優遇政策を策定して実施してもよい。ハイスタンダードでハイレベルの自由貿易試験区を11ヵ所建設し、十分に深まった経験を全面的に広める。対外投資の健全で規範のある発展を導き、リスク防止能力を高める。開放の扉がますます大きく開かれる中国は、必ずや外国資本にとって最も魅力的な投資先であり続けるであろう。

国際貿易と国際投資の自由化・円滑化を推進する。経済のグローバル化は世界各国の根本的利益に合致する。中国は揺るぐことなくグローバル経済協力を推し進め、多国間貿易体制の主導的地位を守り、多国間貿易交渉に積極的に参加していく。われわれは関係国とともに、中国・ASEAN自由貿易地域(ACFTA)のアップグレードに関する議定書の全面的な発効・実施を推進し、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉をいち早く妥結し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)建設を推進していきたいと考えている。引き続き関係国・地域と投資貿易協定交渉を進めていく。中国は責任を担う国であり、約束したことは一貫して真摯に実行しており、当然の権益は断固守っていく。

(七)生態環境保護・対策にさらに力を入れる。生態環境とりわけ空気の質の改善を急ぐことは、人民大衆の切実な願いであり、持続可能な発展の内在的要請でもある。科学的に政策を実施し、末梢と根本の問題をともに解決し、強い姿勢で対策に取り組み、人民大衆に合格をもらえる結果を出さなければならない。

青い空を守る戦いに断固として勝利する。今年は、二酸化硫黄とNOXの排出量をそれぞれ3%減らし、重点地区のPM2.5については濃度をはっきりと低下させることとする。①石炭燃焼による汚染問題の解決を急ぐ。生活用石炭の総合対策を全面的に実施し、冬の北方地区でのクリーン暖房を推進し、電気・ガスによる石炭代替を300万世帯以上で完了させ、地区級以上の都市の市街地の小型石炭ボイラーをすべて廃棄する。石炭火力発電所の超低排出・省エネ化目的の改良を強化し、東部・中部地区はそれぞれ今年と来年の2年で、西部地区は2020年までに改良を完了させることとする。仕組みと技術の問題の解決を急ぎ、再生可能エネルギーで発電した電力を優先的に買い取り、水力・風力・太陽光発電施設の低効率運転状況を効果的に改善する。ワラの資源化利用を急ぐ。②汚染源対策を全面的に推進する。重点業種汚染対策特別キャンペーンを繰り広げる。すべての重点工業汚染源に対して24時間オンライン監視を行う。排出基準を達成していない企業の最終的な達成期限を明確にし、期限内に達成できなかった場合には法に基づいて断固操業停止処分にする。③自動車排ガス対策を強化する。黄標車(排ガス基準をクリアしていないことを示す黄色いラベルが貼られている車)を基本的に廃車処分にし、旧型車の廃車処分を急ぎ、高排出ガス車特別取締りキャンペーンを行い、クリーンエネルギー車の利用を奨励する。重点地域で国家第6段階基準のガソリンの使用普及を加速させる。④重度汚染天気に効果的に対処する。スモッグ発生メカニズムの研究を強化し、対策の科学性と的確性を高める。重点地域間共同対策の範囲を拡大し、緊急措置を強化する。⑤環境面での法執行と監督・検査・問責を厳格化する。汚染物質を陰で違法に排出したりそのデータを偽造したりしているのに対しては、厳しく取り締まらなければならない。法執行に力を入れず、こうした違法行為を野放しにしているのに対しては、厳しく追及しなければならない。空気の質が悪化しているのに対策に力を入れていないのに対しては、厳しく責任を問わなければならない。スモッグ対策は、一人ひとりに責任があり、実際の行動が重要であり、行動を続けることが成功につながる。社会全体が粘り強く努力を続けていけば、青い空が現れる日は必ずや年々増えていくであろう。

水質・土壌汚染対策を強化する。今年は化学的酸素要求量(COD)とアンモニア性窒素排出量をそれぞれ2%減らすこととする。重点流域・区域の水質汚濁対策と農業ノンポイント汚染対策にしっかりと取り組む。土壌汚染状況を詳しく調査し、類別に対策措置を決めて実施する。都市・農村の環境総合対策を強化し、ゴミの分別処理制度を普及させる。省エネ・環境保護産業を大きく成長させ、環境改善と経済発展のウィンウィンを実現させる。

生態系の保護と整備を推し進める。生態系保護のためのレッドラインの画定を急ぎ、それを厳守する。森林質的向上プロジェクト、長江経済ベルト重要生態系修復プロジェクト、第2次山・川・林・田・湖生態系保護プロジェクトの試行を開始し、耕地の森林・草地への復元を80万ヘクタール以上完了させ、生態系という財産をより多く積み上げて、持続可能な発展を守る緑の長城を築く。

(八)民生の保障と改善を重点とする社会建設を推し進める。民生は政府活動の要であり、常に心に留め、しっかりと担わなければならない。現在の国内外の厳しく複雑な情勢の下では、民生の保障と改善により優先的に取り組み、やるべきこと・できることをしっかりと全力でやり、基本的民生の最低ラインを断固として守る必要がある。

就業・起業を大いに促進する。雇用政策を充実させ、職業訓練にさらに力を入れ、フレキシブル就業、新たな就業形態への支援を強化する。今年の大学新卒者は795万人の過去最高を更新する見込みであり、就業促進計画、起業誘導計画、末端成長計画などを確実に実施し、さまざまな方途での就業・起業を促進する必要がある。除隊・退役軍人の再配置にしっかりと取り組む。就業支援をいっそう強化し、都市部の就業困難者、障害者の就業をサポートし、「ゼロ就業世帯」において最低一人の安定就業を確保する。われわれは就業という民生の本をしっかりとつかみ、人々が労働の中で富を築き、奮闘の中で人生の価値を実現できるようにしなければならない。

公平で良質な教育を提供する。義務教育段階の児童・生徒を対象とした「二つの免除と一つの補助(教科書代と雑費を免除し、貧困世帯出身の寄宿生に生活費補助金を提供する) 」政策を都市・農村を問わず統一的に実施し、都市部の義務教育公共サービスの常住人口フルカバーの実現を急ぎ、基盤が手薄な学校の運営条件を持続的に改善し、良質な教育資源をより広く行き渡らせ、都市農村間・地域間・学校間の教育運営格差を不断に縮小する。貧困地区の農村生徒向けの重点大学の募集枠を引き続き拡大する。博士課程の大学院生向けの国家学資補助金の給付基準を引き上げる。世界一流の大学・学科づくりを推進する。大学入試総合改革の試行を深化させる。現代的職業教育の発展を加速させる。民族教育を強化し、特別支援教育、継続教育、就学前教育、高齢者教育にしっかりと取り組む。教師陣づくりを強化する。「中国教育現代化2030」を策定・実施する。われわれは、人民に満足してもらえる教育を発展させ、教育の現代化で国の現代化を支え、より多くの子供たちが夢をかなえ、より多くの家庭が希望を実現できるようにしなければならない。

「健康中国」の建設を推進する。都市・農村住民基本医療保険の財政補助基準を年間1人当たり420元から450元に引き上げ、個人納付基準も相応に引き上げ、基本医療保険が適用される医薬品の種類を増やす。全国で医療保険関連情報のネットワーク化を進め、指定地以外でも治療費・入院費などに医療保険が即時適用されるようにする。重大疾患保険制度を充実させ、保障水準を高める。多形態の医療連合体づくりの試行作業を全面的にスタートさせる。これには、すべての三級公立病院を参加させて牽引作用を発揮させることとし、良質な医療資源の共有化を促す考課とインセンティブの仕組みを確立し、末端でのサービス能力を向上させ、大衆が自宅の近くで簡単に診療を受けられるようにする。級別診療(重いものは上級、軽いものは下級医療機関で治療する制度)の試行と家庭医登録制医療サービスの範囲を85%以上の地級市(県の上、省の下の行政区画単位)に広げる。基本公衆衛生サービス経費の補助基準を引き続き引き上げる。公衆衛生事件への対応を迅速・オープン・透明・効果的なものにする。医療関係者の積極性を保ちかつ引き出す。医者と患者の調和のとれた関係を構築する。全面的な「二人っ子」政策の実施に合わせて、母子医療保健サービスを強化する。中国医学・薬学と民族医学・薬学の事業の発展を支援する。食品・医薬品の安全は人民の健康に関わるため、最も厳格な管理を行わなければならない。監督管理の体制と仕組みを整え、末端の監督管理能力を充実させ、各方面にしっかりと責任を担わせ、根源でのコントロール、生産と管理の両立、厳法による処罰を堅持し、飲食や医薬品の使用における人民大衆の安全を各段階でしっかりと守る必要がある。

 

民生の保障網(セーフティーネット)をしっかりと張り巡らせる。定年退職者基本養老金を引き続き引き上げ、期日どおりの全額給付を確保する。優遇扶助と社会救済の基準を着実に引き上げ、臨時救済制度をしっかりと実施する。自然災害時の生活補助の仕組みを調整して十全化し、昨年の洪水・冠水災害で損傷・倒壊した家屋の復旧・再建作業をすべて完了させる。農村の「留守児童」のサポート・保護や、都市・農村の「困窮児童」の生活保障を強化する。ひとり暮らしの高齢者をいたわり、サポートする。生活困難障害者向け生活補助金制度、重度障害者向け介護補助金制度を全面的に実施する。県級政府は基本的生活を保障するバランスのとれた仕組みを確立し、民生最低ラインの保障にしっかりと取り組み、生活に困っている人々の心と暮らしにぬくもりと希望を届けなければならない。粘り強く取り組んで農民工の賃金遅配・未払い問題をきちんと解決し、彼らの勤勉な労働が必ず正当に報われるようにしなければならない。

文化事業と文化産業を発展させる。社会主義精神文明建設を強化し、中国の夢と社会主義の核心的価値観で共通認識と力を結集させる。哲学・社会科学や文学・芸術作品の創造を盛んにし、報道・出版、放送・映像、資料・公文書保存などの事業を発展させる。中国の特色ある新しいタイプのシンクタンクをつくる。有形文化財・無形文化財の保護と利用を強化する。全国民読書キャンペーンを大いに推し進め、科学の普及にさらに力を入れる。基本的公共文化サービスをよりいっそう均等化させる。文化産業の育成を急ぎ、文化市場の監督管理を強化する。中国文化の海外への発信を促す。冬季オリンピック・パラリンピックの準備作業をしっかりと行い、大衆スポーツ、競技スポーツ、スポーツ産業の発展を統一的にはかり、全国民健康増進運動を広く展開し、スポーツを楽しむ人々、健康でたくましい人々がますます増えるようにする。人民が心身ともに健康であり、楽観的で前向きであれば、国は必ずや生気と活力に満ち溢れるであろう。

社会統治(ソーシャル・ガバナンス)の刷新を促す。末端の大衆自治制度を健全化し、都市・農村におけるコミュニティー・ガバナンスを強化する。労働組合・共産主義青年団・婦女連合会などの社会団体・組織の役割を十分に発揮させる。社会組織の管理制度を改革・十全化し、公益・慈善事業の健全な発展を法に基づいて推進し、ソーシャルワークやボランティアの発展を促す。女性・児童・高齢者の合法的な権利と利益を確実に保障する。社会信用体系の整備を急ぐ。法治に関する宣伝・教育と法律サービスを強化する。投書・陳情取り扱い業務の責任制を徹底し、大衆の合理的な訴えを法に基づいてその場で直ちに解決する。「平安中国」の建設をさらに進め、立体的で情報化された社会治安対策体系を整え、暴力テロ活動を厳しく取り締まり、反社会的勢力による犯罪のほか、窃盗、強盗、特殊詐欺・インターネット詐欺など多発する犯罪を法に基づいて処罰し、国の安全と社会の安定を守る。厳格で規範化され公正かつ理性的な法執行を展開し、際立った社会治安問題の解消に力を入れ、あらゆる面から人民大衆の安心感を高める。

人命は何よりも尊く、安全はこの上もなく重要である。労働安全にたゆまずしっかりと取り組まなければならない。安全管理面のインフラ整備を強化し、地震・気象・測量マッピング・地質などの関連業務をしっかりと行う。労働安全の責任制を厳格に実施し、企業の主体責任、所属地区の管理責任、関係部門の監督管理責任が全面的に果たされるようにし、重大・特別重大事故の発生を断固として食い止め、人民大衆の生命と財産の安全を確実に守る。

(九)政府自体の建設を全面的に強化する。党の指導を堅持し、「四つの意識」をしっかりと確立し、習近平同志を核心とする党中央の権威を断固として守り、自覚をもって思想的・政治的・行動的に党中央と高度の一致を保ち、政府の機能転換の加速と行政の効果・効率の向上をはかり、よりよく人民に奉仕しなければならない。

法に基づく全面的な職責の履行を堅持する。各級政府とその公務員は、全面的な法に基づく国家統治の要求を深く貫徹し、法治への崇敬の念と法律への畏敬の念をもって法に基づいて事を運ばなければならない。政務公開にさらに力を入れる。科学的政策決定、民主的政策決定、法に基づく政策決定を堅持し、批判的な意見も含め各方面の意見に広く耳を傾ける。各級政府は、法に基づいて同級の人民代表大会とその常務委員会の監督を受け、自覚的に人民政治協商会議の民主監督を受け、すすんで社会・世論の監督を受け、人民代表大会代表・政治協商会議委員・民主諸党派・工商業連合会・無党派人士・各人民団体の意見に真摯に耳を傾けなければならない。人民政府である以上、すべての活動は人民の意思を反映し、人民の利益を擁護し、人民の監督を受けるものでなければならない。

本来の清廉潔白を終始保つ。全面的な厳しい党内統治の要求を真摯に貫徹し、党風・廉潔政治建設と反腐敗活動を不断に深めていかなければならない。党中央の「八項目規定」の精神を断固として貫徹・実践し、「四つの悪風」を一貫して是正する。行政監察と会計監査を強化する。腐敗取締りの強い姿勢を保ち続け、重要分野を中心に、大衆の利益を侵害している悪弊や腐敗問題を厳しく調査・処罰する。広範な公務員は、廉潔と公正を保ち、人民のためにクリーンに仕事をしなければならない。

勤勉に職責を担い、創造的に仕事に取り組む。中国の改革・発展の大きな成果は広範な幹部と大衆が実行に励んだ結果にほかならず、これから新たな成果をあげていくのにもやはり実行がポイントとなる。各級政府とその公務員は、何よりも実行を心がけ、着実に、全力で実行し、実情に合わせて創造的に実行しなければならず、手を抜いて会議のための会議、書類のための書類に終始することや、机上の空論にふけり、口ばかりで何もしないことは許されない。中央と地方両方の積極性を十分に発揮させ、地方が現地の実情に即して大胆に模索し、競い合いながら科学的発展を推し進めるよう励ます必要がある。活動責任制を厳しく実施し、とくに重点任務については、各方面の責任の所在を明確にし、上から下までに緊張感をもたせて、完全に、確実に実施されるようにしなければならない。監督・査察・問責を強化し、無能・怠慢・消極的な仕事ぶりを厳しく正す。インセンティブメカニズムと失敗許容・是正メカニズムをより完全なものにし、実行に励む者を励まし、すすんで責任を担う者をもり立てる。広範な幹部は、積極的に動いて果敢に難題に挑み、人民大衆と心を合わせ、実行に励んで発展を推し進め、実行に励んで未来を勝ち取らなければならない。

代表のみなさん

わが国は多民族からなる統一国家である。民族区域自治制度を堅持し充実させ、党の民族政策を真剣に貫徹し、民族の団結と進歩の創造活動を踏み込んで展開し、内蒙古自治区成立70周年の祝賀行事をつつがなく執り行うこととする。民族地区の発展をいっそう支援し、辺境地区の振興と富裕化に向けた活動を踏み込んで実施し、少数民族の優れた伝統文化を保護し発展させ、人口の比較的少ない民族の発展を支援し、各民族人民が全面的な小康社会の完成への過程においてともに発展・繁栄していくよう促す。各民族がむつまじく付き合い、心を合わせて協力し、調和を保って発展していけば、中華民族の大家族は必ずや更なる幸福・安寧を実現できるであろう。

われわれは党の宗教関連業務の基本方針を全面的に貫徹し、法に基づいて宗教関連業務を管理し、宗教関係の調和を促進し、宗教界の人々と信者たちに経済・社会発展の促進において積極的な役割を発揮してもらう。

われわれは華僑関連政策を真剣に実行し、海外の華僑同胞と国内の帰国華僑・華僑家族の合法的な権利と利益を保障し、彼らの独特の優位性と重要な役割を十分に発揮させる。国内外の中華民族の人々の結束力と求心力は必ずや不断に強まっていくであろう。

代表のみなさん

昨年は、国防・軍隊改革が大きく前進し、軍隊の革命化・現代化・正規化建設に新たな進展・成果があった。われわれは今年も引き続き、新たな情勢下における党の軍隊強化目標を指針として堅持し、政治主導の軍隊建設、改革による軍隊強化、法に基づく軍隊統治を推進し、訓練・戦備を強化し、国の主権・安全・発展の利益を断固として効果的に守らなければならない。軍隊に対する党の絶対的指導を堅持し、中央軍事委員会主席責任制を守り、貫徹する。国防・軍隊改革を不断に深化させる。領海・領空・国境防衛の管理・コントロールを強化し、テロ取締り・治安維持、国際平和の維持、遠海での船舶護衛などの重要活動を厳密な計画に基づいて行う。国防科学技術の自主イノベーション能力を高め、現代的後方支援の建設と現代的装備の発展を急ぐ。国防動員と民兵・予備役部隊の建設を強化する。経済建設と国防建設の調和発展・均衡発展・融合発展を促し、国防科学技術産業体制の改革を深化させ、軍民融合の高度化を推し進める。各級政府は、より着実で強力な措置を講じて国防・軍隊の改革・建設をサポートし、軍隊と政府、軍隊と人民の団結を大きく成長させなければならない。

代表のみなさん

われわれは「一国二制度」、「香港住民による香港管理」、「澳門住民による澳門管理」、高度の自治という方針を引き続き全面的かつ正確に貫徹し、憲法と基本法(香港特別行政区基本法、澳門特別行政区基本法)に厳格に則って事を運び、「一国二制度」が香港・澳門で揺らぐことも形を変えることもなく実施されていくよう保証しなければならない。香港特別行政区と澳門特別行政区の行政長官と政府が、法に基づく施政、経済の発展、民生の改善、民主の推進、調和の促進に取り組むのを全力で後押しする。「香港独立」に前途はない。大陸部と香港・澳門が協力を深めるのを後押しし、広東・香港・澳門大湾区都市群発展計画を策定し、香港・澳門の独特の優位性を発揮させ、国の経済発展と対外開放における香港・澳門の地位と機能を高める必要がある。われわれは、香港・澳門が長期的な繁栄と安定を保つことを、常に固く信じている。

われわれは台湾関連業務の重要政策・方針をしっかりと貫徹し、一つの中国の原則を堅持し、「92年コンセンサス」という共通の政治的基礎を守り、国の主権・領土保全を守り、両岸関係の平和的発展と台湾海峡の平和・安定を守ることとする。「台湾独立」分裂活動に断固反対し、それらを食い止める。いかなる方式やいかなる名義によってであれ、台湾を祖国から切り離そうとする者は決して許さない。両岸の経済・社会の融合発展を持続的に推進し、台湾の同胞とくに青年のために大陸部での就学・就業・起業・生活の便宜をいっそうはかることとする。両岸同胞はともに民族の大義を担い、揺るぐことなく祖国の平和的統一のプロセスを推し進め、すべての中国人の幸せな生活と明るい明日を築かなければならない。

代表のみなさん

世界の政治・経済の枠組みの大きな変化を前にしても、中国は終始一貫して平和・安定を守り、公正・正義を貫き、世界平和の建設者、世界発展の貢献者、国際秩序の擁護者であり続ける。われわれは揺るぐことなく平和的発展の道を歩み、断固として多国間協力体制の権威性と有効性を擁護し、各種の保護主義に反対し、グローバル・ガバナンスのプロセスに深く参与し、経済のグローバル化がより包摂的・互恵的、より公正で合理的な方向に発展するよう導いていく。全体の安定、バランスのよい発展に資する大国間関係の枠組みの構築を推し進め、近隣諸国との友好・相互信頼、共同発展に資する周辺環境づくりに力を入れ、発展途上国との協力のレベルを全面的に向上させ、地球規模の課題や地域的な緊張・紛争などの解決に向けた建設的な提案を積極的に行う。海外権益保護の仕組みの充実化と海外権益保護能力の向上を急ぐ。われわれは国際社会とともに、協力・ウィンウィンを核心とする新しいタイプの国際関係の構築に尽力し、人類運命共同体づくりに新たな貢献をしたいと考えている。

代表のみなさん

使命は担うことが大切であり、実行は輝きをもたらしてくれる。われわれは習近平同志を核心とする党中央を中心にいっそう緊密に団結し、心を一つにして進んで新しいことに挑戦し、今年の経済・社会発展の目標と任務の完遂に努め、「二つの百周年」の壮大な目標の達成、富強・民主・文明・調和の社会主義現代化国家の完成、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しようではないか。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月8日

 

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