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評論・日本政府による釣魚島灯台「接収管理」
発信時間: 2009-02-03 | チャイナネット

23日付の人民日報は、日本政府が釣魚島(日本名・尖閣諸島魚釣島)の灯台をいわゆる「接収管理」したことを論じた中国社会科学院日本研究所の孫伶伶博士の論文を掲載した。孫氏の論文の主な内容は次のとおり。

中国が釣魚島(本文中、釣魚島とその周辺の島々を「釣魚島」と略称する)に国際法上、争う余地のない主権を有していることは、国内外の大量の史料が実証している。中国は14世紀に最も早くこの島々を発見し、最も早く命名したことで、いち早くその主権を得て実効支配した。明代の1562年に作られた「籌海図編」の沿岸防衛範囲の中に「釣魚嶼」「黄尾山」「赤嶼」が入っている。1863年の「皇清中外一統輿図」は「釣魚嶼諸島」を大清国の領土であると示し、台湾に付属する島として管轄していた。日本は1895年1月、甲午戦争(日清戦争)に乗じた閣議決定によって釣魚島を占領した。同年4月の馬関条約(下関条約)によって釣魚島は「台湾と付属の島々」の一部として日本に割譲させられた。第二次世界大戦後、日本はポツダム宣言によって、占領していた釣魚島を中国へ返還しなければならなくなった。しかし、米国は琉球諸島を信託統治する際、釣魚島を密かに同諸島の一部としてしまった。1971年に沖縄が日本へ「返還」され、釣魚島は今なお日本の統治下に置かれている。

日本は1970年代以降、釣魚島の主権を主張するための法的根拠を求め始めた。日本の外務省は1971年3月に「尖閣諸島の領有権についての基本見解」を発表した。同見解は(1)日本が1895年に釣魚島を占領した時「主のいない土地」だった(2)釣魚島は歴史上、日本の南西諸島に属しており、馬関条約(下関条約)で割譲された範囲に含まれていない(3)日本が戦後放棄するべき領土に属していない――などと主張している。だが、これらの主張は根拠があいまいだ。なぜなら1895年に釣魚島は中国の実効支配化にあり、島が「無人島」であることが必ずしも「主のいない土地」とは限らない。そのため日本の「主のいない土地は先に支配した者のもの」という論法は成り立たない。

日本はここ数年来「実効支配」によって主権を得ようと企図している。一つは、釣魚島は「私有地」であると主張し、右翼団体が島に上陸して建てた灯台を容認するなど主権行為を示している。二つ目に、海上防衛を強化し、中国漁船や釣魚島に接近しようとする「保釣」(釣魚島防衛)団体の船を追い払っている。三つ目に、日本政府は2002年4月に釣魚島を民間から「借り上げ」て、先日また灯台の「接収管理」を宣言した。その目的は言うまでもなく「実効支配」を強化して「時効取得」を達成しようとするものだ。

近代的な国際法において、征服によって強制的に領土を占領することは不法なものであり、「実効支配」がどれほど続こうとも初めから無効だ。「時効取得」は必ず平和で争うことがなく、長期的に持続した「実効支配」が前提でなければならない。中国政府は釣魚島に対する主権的立場を一貫して堅持し、日本に何度も外交ルートを通じた抗議を行い、釣魚島の主権を争う姿勢を一貫して表明してきた。このため、日本政府が灯台を「接収管理」する行為は徒労に終わるだろう。

1982年の国連海洋法条約の規定で、島(岩礁を除く)は大陸棚と200カイリの排他的経済水域を持つようになった。そこで日本は島の領有権を争うことによって海洋領土を広げる国家戦略を確立した。中国と釣魚島の領有権を争うことから始まり、韓国とは独島(日本名・竹島)を争い、ロシアとは北方四島(ロシア名・南クリル諸島)をめぐって綱引きしている。日本の海洋産業研究会の調査レポートによると、これら領有権を争っている島々は日本に200万平方キロメートルの排他的経済水域をもたらすという。

今回、日本政府が灯台をいわゆる「接収管理」した行動は、中国の東中国海における海底油田開発への報復姿勢を暗にほのめかしている。これは両国関係の悪化をいとわず、釣魚島を基点として東中国海の大陸棚と排他的経済水域を奪い取ろうとするものだ。日本の学者によると、釣魚島は日本に20万平方キロメートル以上の海域をもたらすとともに、東中国海大陸棚の石油・天然ガス資源の半分を獲得できるという。ここ数年来、日本はコストをいとわず海底地質探査を行い、2009年の国連大陸棚委員会に大陸棚の調査データを提出する考えだ。

このほか、日本はさらに「釣魚島をめぐる中日武力衝突論」をでっち上げ、「南西諸島有事対応方針」を打ち出し、釣魚島の軍事戦略上の地位を強化した。日本が今回灯台をいわゆる「接収管理」して緊迫した情勢を造り上げた意図は、「中国脅威論」を再び蒸し返し、その軍備拡張のため南西海域の防衛強化にもっともらしい理由を提供したのだ。同時に日本は釣魚島を利用して軍事基地を築こうと考えている。中国を押さえ込み、台湾海峡情勢に介入する伏線を埋めるためである。

これまで述べたように、日本政府による釣魚島灯台のいわゆる「接収管理」は国際法に矛盾する。釣魚島の主権は国際法によって判定されるべきである。領有権を争っている領土に一方的に主権を行使しても法的効果は生まない。釣魚島の主権帰属およびこれと密接にかかわる東中国海大陸棚と排他的経済水域の境界線確定問題について、中日両国は国際法に基づいて交渉で平和的に解決するか、あるいは国際司法裁判所か国際仲裁機関に訴えて解決すべきである。

「人民網日本語版」2005年2月23日

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