日本の万年筆は、アルファベットの筆記を主とする顧客がメインの欧米ブランドと異なり、漢字をかいた時にも綺麗にかけるようなペンづくりをしています。おそらく、中国万年筆のメーカーもドメスティックな顧客のニーズを考えれば、漢字を書くのに適した万年筆を開発しているのだと思います。
ですからそもそも、日本人には中国万年筆の向かっている顧客ニーズの方向性はそれほど遠くないはずなんです。中国製品(メード・イン・チャイナ)の質が本格的に向上し、今後この中国万年筆の「チープ」さというものが、ある種の「ノスタルジー」に変わった時、なにか、とても良い時代の歴史をアーカイブした万年筆のように時代に残っていくようなものである気がします。
中国万年筆もしばらく後には、欧米や日本ブランドと同じように「隙のない」製品になっていってしまうと思います、それはそれで良いことなのですが、遊び心がなくなってしまう悲しさも伴っているような気がします。
ぜひ、いまアンバランスでじゃじゃ馬のような中国万年筆(低級品は単に粗悪品なので、高級品です!)を入手しておくと、十年ちょっと先には、最高のノスタルジー的製品になっているのではないかと思いました。オススメであります!
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年10月15日