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中日友好の使者――パンダとトキ

パンダは中国の国宝ともいわれている。1972年、中日国交正常化が実現されると、中国は日本にこの貴重なパンダを贈った。1972年10月28日、当時の内閣官房長官、二階堂進氏は自ら羽田空港に赴き、「ランラン(蘭蘭)」と「カンカン(康康)」を載せた専用機を出迎えている。日本では第一次パンダ・ブームが巻き起こり、上野動物園には平均で毎日1万5千人の人々が参観に訪れた。

1980年、中国はメスのパンダ「ホワンホワン(歓歓)」を日本に送り、中日友好10周年に当る1982年、日本の鈴木善幸総理大臣が訪中し、中国はオスのパンダ「フェイフェイ(飛飛)」を再び日本に贈った。1986年6月1日、人工授精でこの2頭の間に待望の赤ちゃんが誕生する。この赤ちゃんの命名に当って、上野動物園は日本全国の子供たちから名前を募集し、27万人がこの活動に参加した。その結果、初めて日本で生まれた赤ちゃんは「トントン(童童)」と名づけられた。生後半年を迎えた「トントン」が初めて公開された日には、午前中だけで6000人が参観に押しかけている。この月の上野動物園の入場者数は36万人に昇り、日本に第二次パンダ・ブームが起こった。

1987年6月1日、トントンの1歳の誕生日には、6万7千人を超える人々が上野動物園を訪れ、トントンの成長を祝った。贈られたバースデー・ケーキの中で最大のものは、長さ1.25m、重さ42.7kgもあった。これはトントンの身長、体重に合わせて特別に作られたものである。

1998年末、日本を訪問した江沢民主席は、日本国民にいま一つの中国の国宝と言われるトキを贈った。トキは世界的にも極めて貴重な鳥類で、「アジアの宝石」とも呼ばれ、世界鳥類協会から「国際保護鳥」に指定されている。トキの日本での繁殖を成功させるため、2000年10月、日本を訪問した中国の朱鎔基総理は更に1羽のトキを贈り、森喜朗総理大臣はこれに対し、「日本国民にとって最も喜ばしいこと」と述べ、謝意を表した。

 


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