経済発展の新常態
2014年5月10日、習近平総書記は河南省を視察した際に、「新常態」を明確に提起した。中国経済は新状態に入っているというのは、第18回党大会以来、党中央が世界経済の長期的周期、中国の発展の段階的特徴及びそれら相互作用を総合的に分析した上で下した重要な戦略的判断である。時間の角度から見ると、新常態は中国の異なる発展段階の変化の結果である。空間の角度から見ると、中国の輸出の優位性と国際分業への参入方式が新たな試練に直面しており、経済発展の新常態はこうした変化を体現している。時間と空間双方の角度から総合的に見ると、中国の発展の環境・条件・任務・要請などに新たな変化が生じていることから、経済発展が新常態に入っているといえる。新常態の下で、中国の経済発展の特徴は次の通りである。それはつまり、△高速成長から中高速成長に転換したこと、△発展パターンが規模・速度の追求から質・効率追求型に転換したこと、△経済構造調整が量の拡大と生産能力の拡張を主とするものからストックの調整と良質なものの増加の並行促進に転換したこと、△発展の原動力が主に資源と低廉な労働力などに頼った要素投入から革新駆動に転換したこと、である。これらの変化は、形態がより高度化し、分業がより最適化し、構造がより合理化するという、中国経済が必ず通るべき段階的進化の道である。こうした広範で深い変化の実現は、新たに直面する大きな試練である。経済発展の新常態の下で、経済が大きな下押し圧力に直面しているが、中国は依然として発展の重要な戦略的チャンス期にある。経済が長期にわたって上向きに推移していく上でのファンダメンタルズ、経済発展の潜在力・融通性・強靭性が高いという基本的な特徴、経済の持続成長を支える良好な基礎と条件、経済構造の最適化調整の前向きの趨勢はいずれも変わっていない。中国共産党と中国政府は新常態に適応し、新常態を把握しリードすることを、発展の全局と全過程を貫く大きな論理としている。