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第35回 中国人留学生の戸惑い①お礼の表現の違い
発信時間: 2009-02-13 | チャイナネット

1、中国と異なる日本のお礼の考え方と習慣

日本では、中国と異なる以下の考え方、習慣があります。

 

① 日本人の(多くの)親は子供に対して、「何か他人から好意でしてもらったら、必ずお礼をしっかり言いなさい」という教育、躾を徹底して行います。幼児期の躾が、その人の一生の性格を決定する重要な要素であると言えると思います。(尚、「躾」(しつけ)というのは、日本でつくられた漢字です。)。(但し、最近はお礼を言わない日本人も増えました。躾をしない親もいます。それは自己中心的で、嘆かわしいことと日本では一般的に認識されています。)

 

② 日本には「親しき仲にも礼儀あり」という表現があります。これは、親しい友人の間でも無理なことを相手に頼むべきではない、友人に迷惑をかけるのはよくない、相手から何か好意でしてもらったら必ずしっかりお礼を言い、金銭的に負担をかけたら金銭を(なるべく直ぐに)返すべきである、という考え方です。(これに対して比較すれば、中国人は親しい間であれば、遠慮をする必要はない、友人が困っている時には全面的に助けるべきだ、逆に自分が困っている時に友人は自分を助けるべきだ、という考え方だろうと思います。友達に期待する内容が、日中で異なるということは、また機会を改めて論じたいと思います。)

 

③ 日本では、結婚、出産などに際して、誰からからお祝いのプレゼントを貰ったら、お返しをすぐする習慣があります。例えば、若い夫妻に赤ちゃんが産まれたら、その夫婦の親戚、友人達は、お祝いのプレゼントを夫婦にあげます。これに対して、夫婦は、(子供が産まれたうれしい気持ちを皆さんにおわけするという考えから、)プレゼントをしてくれた人たちにプレゼントを贈ります。これを「内祝い」と呼びます。もらったプレゼントの価格の半分くらいの価格のものを返すと良いとされているので、「半返し」と呼ばれます。(商品券で「半返し」する人もいます。商品券であれば、何でも好きなものを買えるので便利だという考え方です。)この習慣の基本的発想は、やはりプレゼントを貰ったことへの感謝の気持ちを表明するということだと思います。(お葬式の時に、参列者は香典というお金を遺族に渡しますが、それに対する「半返し」の「香典返し」もあります。お葬式は、日中でかなり発想、習慣が異なり、話が相当複雑になりますので、また機会を改めて述べたいと思います。)

 

④ 総じて、日本では、借りを作ったままにしておくのはよくなく、人から何かしてもらったら、なるべく早く返すのが良いこととされる。

 

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